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◇夏休みのその後のお話◇

■44.制服デート!④【完結】

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楽しい時間はあっという間に過ぎる。
時間は19時。
もう帰らないと……。


「もう帰らないといけないね。」


私が切り出す前に、拓真くんが言った。


「ウン…。拓真くんと逢えて、超エネルギー充電出来た!明日からまた頑張れそう♪」


「俺はもっともっと充電したいけどねw
だけど、ちょっとでも逢えて良かった。ありがとう。」


お会計は拓真くんがサラッと払ってくれて、ファミレスを後にした。

拓真くんを駅まで送っていく。


「こっち、近道なんだ!」


そう言って、拓真くんの手を引き、細い路地裏通りを歩く。


街灯が建物の隙間から疎らに私達を照らした。

駅まであと少し。



また暫く逢えないね。
淋しいな。




「るあ……。」



隣で手を繋ぐ拓真くんに、呼ばれ慣れない呼び捨てで呼ばれ、驚いて立ち止まる。




ゆっくり顔を見上げると


「もう少し一緒にいたい…。」


彼はそう言って、ギュッときつく私を抱きしめた。



こんな所で……////


人通りのない路地裏とはいえ、E高最寄り駅周辺だったので、誰か知り合いに見られていないかドキドキ////


茜&七海ちゃんは流石に帰ったよね!?


抱きしめられながら、周りをチラチラ確認する。

大丈夫。
…………たぶん、いない(焦)


周囲の確認を終えると、バッグを肩にかけたまま、拓真くんの胴に手を回した。

薄手のワイシャツ越しに、ギュッと抱きしめ合う。
私もずっとこうしたかったんだ。
拓真くんの体温感じたかった。


拓真くんの顔が近付く。


頬に手が触れる。


目を瞑ると、唇にふわりとした感触が走った。


路地裏で熱いキスを交わす。

キスしたい衝動が止められなかった。

電車の時間ギリギリまで、キスをし続けた。


拓真くん。
大好きだよ。
出会えて良かった。
彼氏になってくれてありがとう。
また、しばらく逢えないけど、次逢える日を楽しみにしてるね。

        ■■■■■■■■■

高校1年生の夏に訪れた恋は、無事実り、遠距離恋愛になったけど、毎日の電話やメール、月に一度は必ず会って、心も身体も拓真くんに満たされて、幸せな日々を送ることが出来たのでした。
友達にも羨ましがられて、幸福感でニヤニヤ。
この出会いは私の素敵な思い出です。


                              【完結】










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