転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第94話

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「主様~」
「イリオ、おかえり。シラユキもお疲れさま」
 俺は上空から飛来したイリオを乗せたシラユキを撫でて出迎える。ここ最近の森の分布が気になると毎日のようにイリオは飛び回っているのだ、護衛を付けたほうがいいという話になっていたのだがシラユキが移動と護衛を問題なくこなせることがわかったのでペアで活動してもらっている。イリオ的にもフットワークが軽く調査がしやすいと言っていた、そもそも彼女も俺が好んで使う隠蔽魔法ミラーハイドを習得しているので下手なことしなければ安全に調査ができるのは確かである。
「冒険者さん達の話と合わせて調査して、一通り分布は判明しました」
「どんな感じ?」
「新しく加わった部族が結構いますね、しかしこの森自体が広大で生息している生物達も個々が強すぎてある程度抑えられてる感じです」
「まぁあのデカい熊とかに襲われたら普通に終わるよね……」
「逆に狩れるのはここくらいですね」
 はははと笑いながらイリオの調査結果を聞いている。最近冒険者が調査に来るようになったのもあるがゴブリンをはじめとした蛮族の部族が住処を求めて集まってきているのだ。
「ここを中心として外壁みたいになってる山脈近づくにつれて蛮族が増えてますね。正直森自体は生物が理不尽な強さなので深く潜れないという感じです。その代わり森の周辺と外側に蛮族の住処が増えてますね」
「でもここ元々アル達コボルト族とか住んでたでしょ?」
「今も住んでますけど元々在住部族は上手く洞窟など隠れ家を見つけていたりと獣とも折り合いをつけて生活していますよ。まぁ新参者には無理な芸当ですけどね」
 まぁ俺もここに来てたいして長くないとは思うけど、結局は能力次第なのかな?
「とりあえず私はこの森の分布図を作成してきますね」
「そこら辺は任せるよ」
「はい!」
 イリオはそう言うと自分の家へと戻って行った。シラユキも一仕事終えて自分の巣へと歩いていく、彼女達のお陰でこの森のどのあたりにどういう生物が多いかなど把握できて狩りがしやすくなった。自分がそういう頭脳労働に向いていないから大助かりだ。
「タカト、そろそろ寒くなってきたしお父さんのとこに行こうと思うんだけど~」
 イリオ達を見送って何しようか考えているとアズハがやってきた。確かに森の色も変わってきて冬が近づいて来ているしお義父さんの領地を見に行く頃合いかな? 一応ガーゴイルで見ることもできるけど挨拶はした方がいいよね、ざっと見た感じ冒険者が増えて賑わってるみたいだけど。
「そろそろ冬も近いなぁ……」
「うん、干し草とかも必要かなって。ここだと育てるスペースないし、お父さん達も毎年ここの分も余分に用意してくれてるみたい」
「ありがたいね。あ、行くならあの冒険者達も届けたほうがいいよね?」
「あ、そうだね。あの神官さんとかちょっと嫌そうな顔してたし」
「やっぱアズハにもそう見える?」
「うん。たぶん帝国系の人なんだと思う」
「仲間にはエルフとか居るのにね」
「いろいろあるんだと思うよ?」
 まぁ他人の事だし、詮索するのも野暮なのかな? 確かにあのパーティは熟練者と新米の寄せ集めのような違和感はあると思う。もしかしたら仲を取り持っていたムードメイカーが死んでしまったのかもしれない。
「とりあえず団長さんのとこに話に行ってみようか。アズハも行く?」
「私はアーシラちゃん待たせてるから」
「了解、じゃあまた後で」
「うん!」
 俺はアズハと話してから医療室に居るだろうバルガスの元へと向かった。
「これはヴリトラ様、今日はどういった御用で?」
「……」
 バルガスの寝ている部屋へ来ると例の神官の男性、サムだったっけかな? 彼が話していた。
「邪魔したかな?」
「いえ、大丈夫ですよ」
「じゃあ早速で悪いんだけど、近いうちにバンダールに向かう予定があるんだけどその時に一緒に連れて行こうかと思ってね」
「それは本当ですか?」
「冬が来る前に行く予定だけどどうする? 怪我の具合いもあるだろ?」
「私はすぐにでも帰るべきだと思います」
 黙っていたサムが口をはさんできた。そんなにここが嫌なのかな?
「サム、落ち着け。確かに冬が来る前に決めなければと思っていたがな……ちょっと皆を集めてもらえるか?」
「わかりました」
 そう言うとサムは部屋を出て行った。
「彼は帝国出身でな。他種族が好きじゃないんだ、申し訳ない」
「別に害をもたらさなければいいさ」
「俺の一党は元々人族だけだったんだが。この森の調査をするのに増員を決定したんだ、皆よく働いてくれたが……」
「不和が?」
「トロールという危険生物に遭遇した運の悪さもあったがやはりまずかったな……」
 まぁ深くは聞かないでおこう。彼にも考えはあるだろうしとやかく言う必要もないだろう、少なくとも現時点では彼の方が年上だし経験も多いはず。この世界に着て三年も経ってないドラゴンには到底わからないでしょ。
「バルガス、連れて来たぞ」
 しばらくしてパーティメンバーが全員やってきた。
「じゃあ判断は任せる。またな」
 俺は彼らの邪魔をしないように出て行った。今まで友好的か敵対かとわかりやすい環境だったがこういう個人の問題と言うかなんとも言えない雰囲気。マジでめんどくさい……こういうのってどの世界でもあるんだなぁ。
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