転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第152話

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 魔法の修行をしつつしばらく経ったある日、俺は久しぶりの遠出をしていた。目指すはエマルタ中立都市。
「ヴリトラ様ホントによかったんですか?」
「いいさ、お姫様も他の町を見ておいた方がいいでしょ」
 今回のメンバーはルシエ、ガンプ、アリッサ、マリーと護衛のシローとミツボシ。お姫様の社会科見学及び研究組の気分転換、そして俺のお勉強道具探しが目的である。
「前の背負うのも良かったですけど、新型だと背中に普通に乗れるのはいいですね」
 今回は新しく作ってもらった新型のコンテナを持ってきている。見た目は貨物列車の長方形のコンテナみたいな者だが足かけとハンドルのようなグリップをつけている抱えるタイプである、今までは背負える分楽だけど翼の動きを阻害する問題があった、それを解決できるしどうせドラゴンの馬鹿力で運ぶなら前も後ろも関係ないという結論である。こういうとこは人間の常識が裏目に出るんだよね……
「そろそろ着くよ」
 翼が自由になったせいか今までよりも移動速度が圧倒的に早いし風魔法での重力制御もスパルタ修行のお陰で上手くなってるしね。超速快適安全安心のヴリトラ航空は今日も皆のために無料です! まぁ家族限定ですけどね。
「じゃあコンテナの護衛任せたよ」
「ワン!」
 街から少し離れた場所にコンテナを置きカモフラージュしてシローに防衛を任せてエマルタに向かう。地属性魔法が使えるようになったおかげで地形がある程度いじれてカモフラージュがすっごく楽になったのはすごくいい。まぁ大雑把なのは目を瞑ってもらって……
「行こうか、たまには息抜きしなきゃね」
 しばらく歩き普通に街に入った、まぁお金に関しては全然問題ないしね。
「なんか前来た時と雰囲気が違う……」
 ぱっと見前ルーフェと来た時と変わりが無いが何と言うかピリピリしてる。それに……
「ねぇおばちゃん。久しぶりに寄ったんだけど値段高くない?」
 なんとなく目に入った八百屋のおばちゃんに話しかけてみる。
「ん? なんだお前さん冒険者かい?」
「まあね」
 リンゴを手に取り少し多めにお金を払う。
「最近帝国と魔王国の戦争がどんどん激しくなってきてね、その影響か物資が全然入ってこなくてね。おかげで商売あがったりだし……」
 話を聞いていたら急にすごい音がした。俺達はそっちを振り向くとなんだか乱暴な言葉が飛んできた。
「んだごらぁ! このケダモノ野郎が!! テメェらの親玉のせいでこっちは商売あがったりなんだよ!!」
「うるせぇ裸猿が!! 帝国の人間至上主義をここに持ってくんじゃねぇよこっちだって迷惑してんだ!!」
 うわぁ……街の往来で喧嘩とか野蛮だなぁ……
「あんな感じで喧嘩も多くなったし、店が壊れて修理で更にお金がかかる。もう勘弁してほしいよ……」
「そっか、ありがと」
 おばちゃんと話し終えて喧嘩を無視してさっさと先に行こうとした。
「お止めください! 命は皆さん同じ、誰も悪くないんです!! 無駄に争って怪我を負わないでください!!」
 あ、お姫様の優しさを忘れてた……無茶して捕まっちゃうくらいの善人だった……
「嬢ちゃん、気持ちはわかるがこいつらの意味わかんねぇいちゃもんをほっといたら弱い魔族は一方的になぶられちまう!! 理不尽過ぎるだろうが!!」
「そうだなぁ、俺達の言うことをちゃんと聞くお利口なワンちゃんなら大事に可愛がってやるよ!」
「ふざけやがって!!」
 いやぁ、すがすがしい位テンプレクズのめんどくさい展開……
「ねぇちゃん可愛いし一緒に来るならここは大人しく引き下がってやるよ」
 人族の男はお姫様に手を伸ばす。
「はい、そこまで」
 俺はスッとルシエの前に出て男の腕を掴む。
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
 掴むつもりだったんだけどなぁ……勢いあまって握りつぶしちゃった!
「俺の腕、腕がぁぁぁぁ!!!」
「あれ? ホントに冒険者? ちょっと鍛え方が甘すぎるんじゃない? ……あ」
 潰すどころか千切れちゃった……
「ぎやぁぁぁぁ!?!?」
「てめぇよくも!」
 男の仲間が武器を抜いて迫ってくる。しかし、衛兵も来る気配が全くないし中立が言って笑える……偏りすぎ、いや、どの世界もこんなもんかな?
「ルシエ、来て早々で悪いんだけど。これが現実、もちろん分かり合える場合もあるけどだいたいはこんなもんだよ」
 大半は見て見ぬふりの傍観者だろうけどね。見た目が違うだけで中身は一緒、それはごもっともだけどそうはいかないんだよね街の雰囲気的には亜人劣性人族優勢って雰囲気が強いのかな。
「あんちゃん手を貸すぜ!」
 デカい狼と熊の獣人パーティか、話的にも悪い奴じゃないのは確かだし状況も理解してるみたいだ。
「ありがと、でもそんな必要ないよ。一瞬だから」
「なに?」
 俺がニヤッと……ニコッと笑ってみせた次の瞬間衝撃が周囲に走った。
「なんだぁ!?」
「あれ? さっきの奴らは?」
「さぁ? 皆にびびってどっかに行っちゃったんじゃない?」
「いやそれにしたってよぉ……クレーター作るほどの勢いで逃げるなんて空気じゃなかったろ……」
「旦那達いい人だしあんま騒ぎを起こさない方がいいよ、こういう時期は特にね」
「けどよぉ……」
「あ、ここの空気が気に入らないならバンダール領に行くといいよ。冒険者ギルドもあるしここよりよっぽど空気も美味しいよ」
「魔竜領域……か」
「じゃあね、機会があったらまた会おう」
 俺はルシアの肩を抱いてさっさとその場を去ることにした。ちょっと騒がせちゃったしさっさと退散しましょ、そうしましょ!
「皆も行くよ~」
「お、おう……」
「ねぇねぇマリー、今一瞬さ……」
「うん、一瞬腕だけ竜化して殴り潰してた。しかも巨大化仕様で……」
「ちゃっかり魔法で土かけてぱっと見気づかれないように隠してたけど、バレて騒ぎになる前に逃げるのが正解ね。なんか修行して器用になったのかできる事が増えて主様の容赦のなさが悪化してるような気がする……」
「うん……」
 俺達はさっさと走ってその場を退散したのだった。ちなみに、この後しばらくエマルタでは騒動を起こすと神のため息に潰されるという怪談みたいな噂が広がり一時的に平和になっとかならなかったとからしい。
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