転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

文字の大きさ
165 / 192

第165話

しおりを挟む
 体を洗い綺麗になったらすぐさま俺達は分娩室前に戻ってきた。既に帰ってきてしばらく経っているが未だに音沙汰無し……どうか無事に戻ってきて欲しい。
「ご主人様、落ち着いてください」
「そう言われても……」
 転生前ですら経験したことないこの時に落ち着いて待っているなんてできず扉の前をうろうろと歩き回っていた。ジルは俺の頭の上に乗り不思議そうに顔を覗き込んできたりしている。
「アズハも健康、お腹の子供達も順調に育ってきて万全の体制も整っていますそんなに心配しなくても大丈夫です。分娩台でしたっけ? 今まで見た事ない不思議な形でしたが出産に適した形をしているのですよね? 製作の際物凄く力説してるご主人様をよく覚えていますよ?」
「うっ……」
 確かにアズハやこれから生まれてくる子供達のために現代地球の知識をできる限り探して再現できる物はすべて作った……鉄の棒を馬鹿力で分娩台の形に曲げて不細工だが試作品もたくさん作ってみせた。てかあの動画サイトマジで何でもある……怖い位。この世界に来ただいたい四年前で更新は無いがそれでも十分すぎる知識が集まってた。
「産まれてくるのとアズハの無事は確実と言ってもいいですが……」
 ちょっとまって……このタイミングでそういう事言わないで……嫌な予感しかしない。
「何かある……の?」
「私達天使は基本何かしらの組織に所属して主に仕えるのですけど。その中には神に仕える物も居て、神として英雄になれる素質を持つ子供が産まれた時その子供を迎えに来る……みたいなことをしている奴らが居まして……」
「まさか……」
「どのような配分かはわかりませんが人、竜、神の力が混ざっているご主人様のお子様はそういう素質がある可能性が高いかと……」
 血の気がスーッと引いていく。迎えに? 人の子を勝手に? ふざけてるのか? 何の冗談?
「勿論断ることは、できるんだよな?」
「一応判断はそちらにという雰囲気を出してはきますが、基本的には英雄の謝礼としての巨万の富、英雄、神の親になったという栄誉の方が勝るので拒んだという話は聞いたこと無いです」
 世界が違えば価値観が違う? いや、貧しい家なら喜んで差し出してしまうのもわかる気はする……
「あと、結構な圧を出してきますのでそもそも拒否できる雰囲気ではないかと。実際子の受け取りは神に近い強力な者が担当しますので」
 クソじゃねぇか!!! 
「実際神の元で修行を積み英雄として帰還した者、神の一柱として世界を支える者など過去には実在しましたが。ほとんどは名もなき神兵となるとも聞きますね」
 神の兵……なんとなくだけど一気に消耗品のような雰囲気が強くなった……神ってマジでなんなの?
「はぁ……嫌なこと聞いたなぁ……」
「まぁほとんどおとぎ話みたいなものなので気にする必要もないと思いますけど、一応お耳に入れておこうと」
 確かに何が起きてもおかしくない環境だしこういう情報はあった方がいいか……実際、神様には心当たりもあるし、めっちゃノリ軽いけど。
「ルーフェありがと、無事に事が終わることを祈るよ」
「はい!」
 俺はこういう時のフラグというか運命とでもいう何かを本気で恨んだ……後に思うとこの時産まれて初めてブチギレたと思う。マジでゆるさん……
「っ!?」
 話していたその時大きな産声が聞こえた。最初は一つ、しばらくしてもう一つ。二人とも無事に産まれてくれたみたいだ!!
「アズハ! ……?」
 部屋に飛び込もうとしたその時、ピタリと声が聞こえなくなった……さっきまで鼓膜が破けそうなくらい響いていたのに。
「アズハ!?」
 俺は急いで扉を開こうとするが動かない……
「ご主人様、結界です!!」
「はぁ!?」
 なんでこの大事な時に次から次へと面倒事が……最悪のタイミングにキレそうになっているその時、目の前の空間がぐにゃりと歪み無駄に光り輝く金髪と白い翼を持つ女性が姿を現した、普通に出会ったら見惚れる程の美人だったと思う。
「邪竜よ、貴様の子は神に選ばれた。血筋に穢れが混ざるのは不本意だがその力は神の下で振るわれる、光栄に思いなさい」
 開口一番に何言ってるこの女……
「何処の所属か知りませんが無粋ですよ?」
「堕落した翼……お前こそ場違いです。即刻立ち去りなさい、今この時神の祝福を受けた英雄が産まれたのです。貴女のような穢れた者が居るべき場所ではない」
 この一瞬でこの女は俺とルーフェを侮辱したどころか子供連れて行くの宣言したようなものだ……話し合いなど既にする価値もない……
「儀式が終わるまで大人しくまっ……!?」
 プツンと何かが切れた気がした……俺は女が話し終わる前にその頭を鷲掴みにし、そのまま全力で殴りつけながら結界ごと扉をぶち抜き勢いそのまま床にめり込んでいった。
「主様!!」
 部屋の中では外に出てきた女よりおそらく高位なのだろう六枚の白い翼を持つ無駄に光ってる女と護衛らしき女がもう一人、そして対するように二人の子供達を抱きしめたアズハとメイド達、それを守るようにマリー、ティフォン、メリジナが前に出ていた。アズハの眼を見て確信した、絶対に子供達は渡さない揺るがない母親の瞳だった。
「結界が砕かれたか……まぁいい、お前には栄光が約束されている。片方だけだ、渡しなさい」
「急に……出てきて何なの? ……この子達は、私と……タカトの大切な宝物っ……絶対誰にも渡さないっ……」
 消耗してもういっぱいいっぱいのアズハの啖呵を聞いて力が、怒りが俺の体を駆け巡る……
「仕方ない、強行させていただきます……」
「黙れ……」
 力が溢れ、バキバキと何かが潰れた感触があった気もするが些細な事だ。
「ドラゴン風情が我に口を利くなど……身の程をしっ!?」
 話すつもりなど最初からない。瞬間ドラゴンの姿へと変身しながら偉そうな羽女をその顎でグシャリと音を立てながら喰らいつきもう一人居た女も逃がさず右腕を伸ばし握りつぶし、建物をぶち壊しながら広場へと飛び出した。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。 ※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。 ※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。 俺の名はグレイズ。 鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。 ジョブは商人だ。 そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。 だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。 そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。 理由は『巷で流行している』かららしい。 そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。 まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。 まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。 表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。 そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。 一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。 俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。 その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。 本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。

湖畔の賢者

そらまめ
ファンタジー
 秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。  ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。  彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。 「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」  そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。  楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。  目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。  そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

処理中です...