蜜は愛より出でて愛より甘し

久保 ちはろ

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「えっ……、お、お待ちくださいっ、殿下……」
 血相を変えて声を上げるも、ジュリアスは「ええと、ここに挿入するのですね」と呟き、腰を押し進める。
「だ、ダメです、まだ……っ」
 とっさに身をよじったが強い腕に両脚を抱えられてしまい、逃れられない。濡れた花弁の間に、熱いペニスの先端がぬるっと沈んだ。
(ああっ、殿下が入ってきちゃう……)
 じわじわと前進するペニスの重圧感に全身が粟立つ。指導者のプライドが劣情の前に崩されていく無念を感じながら、それを上回る愉悦が全身にひたひたと染み渡った。ずっと相手を待ちわびていた隘路は、たちまちジュリアスにからみつき、締め付ける。
「これが先生の中……。なんて温かくて柔らかいんだ……」
 深々と根元まで貫いたジュリアスが、感嘆の吐息を漏らす。
「だ、だめです、殿下……今夜は……、あの、日を改めて……」
 もはや手遅れと感じつつ、それでもピアは諭す。このままでは、自分がずぶずぶと欲望の沼にはまってしまいそうだった。一度冷静になる必要があった。だが、ジュリアスはピアを見下ろし、真摯な眼を向けた。
「僕、先生が好きです。ずっと、初めて会った時から。お願いです、僕の恋人になってください」
「こ、恋人って……」
 突然の告白に、驚き、ピアは言葉を二の句を継げない。
(ま、まさか……私を好きだなんて)
 最近急に近づいた距離は、親愛がもたらすものと思っていた。だが、彼には恋愛感情が芽生えていたのだ。
 しかし、二人の間には年齢差ばかりでなく地位の差もある。自分はしがない家庭教師で、一緒にいられる時間さえ限られている。そして、決して将来を約束できない関係なのだ。
(それは殿下も承知のはずなのに……)
 愛の告白にときめいた胸に一瞬にして悲しみが広がり、ピアは眼を伏せた。
「それは、残酷です……。身分が違えば、嬉しいお言葉でした。でも、やはりそれは残酷です……」
 ピアの気持ちはジュリアスに十分伝わっているようだった。頰に手を添えられ、ピアは再びジュリアスの真剣な眼差しに合う。
「嬉しいと言ってくれるのですね。それなら僕は先生とずっと一緒られるように、なんでもします。第一、先生との身分の差は大した問題じゃない」
 そのすがるような口調に、ピアに一つの疑念が浮き上がった。
(もしかして……、殿下は愛情を母性と勘違いされている? もし、肌の触れ合いがお妃様の記憶を思い起こしたなら……。それなのに拒絶してしまったら、残酷なのは私の方だわ……)
 わずかな逡巡の後、ピアは妥協案を見つけた。
「殿下が私のことをそこまでお考えになってくださって、本当に感謝しています。しかし、私はあくまで国王様に雇われた家庭教師です。恋人や婚約者候補ではありません」
「そんな……」
 端正な顔に影が差す。胸の痛みを覚えつつ、ピアは続けた。
「それに、殿下が異性とこうして触れ合うのは初めてですよね。きっと恋愛感情と、生理的な欲求の違いがまだわからないのだと思います。これは、時間が経てばお分かりになると思いますが……」
「そ、それは違う……っ。僕は——」
 悲しそうに、ジュリアスは顔を歪めた。
「わかっています。ですから、その違いにお気づきになるために私がいるのです。殿下が若さゆえの旺盛な性欲を制御できるようになれば、その時、私への気持ちも誤解だったと気がつくでしょう。それまで、私が殿下の全てを受け入れますので……」
 説得を聞いてもジュリアスは「なぜ」と不満げに唇を噛み締めていたが、ピアが見つめていると、やがて諦めたように肩を落とした。
「……わかりました。この気持ちは本心だと、必ず証明してみせます。先生にも、二つの違いがはっきりするまで僕を受け入れてもらう覚悟があるというならなおさらのこと……」
 ピアは、ジュリアスを傷つけることなく場を収められたことに、安堵した。しかし、これは一時しのぎである。これから限られた時間の中で、初体験によってのぼせているであろうジュリアスを鎮め、指導者と教え子という高潔な関係を保たなくてはいけない。
 一瞬でも、ジュリアスの告白に心が熱くなった自分にとって、それは辛い試練になるが、彼の国王という将来を思えばこそ、心を鬼にしなくてはいけない。
 とにかく、ジュリアスの性欲を鎮めることが最優先課題で、男女の情事など、そこに愛がなければ自然とその魅力を失うのが常だ。
 数を重ねれば最初の刺激は薄れ、行為にも慣れてやがておざなりになっていく。きっと、殿下もそれに違わないはず——そんな持論にピアは楽観した。
(それにしても、やっぱり大きい……)
 ジュリアスを説得できた気持ちの余裕に、意識はみっちりと埋められているペニスへと向いた。隘路をいっぱいに埋め尽くすそれは、手に受けた感触よりさらに逞しく感じられた。中を圧迫する太さはもちろん、何より最奥まで届く大きさに驚きを禁じ得ない。
(アンソニー先生のも、凄かったけれど……)
 恩師との甘い記憶が霞むほどの堂々たる屹立の存在感が、自分の欲望を煽るような気配に微かな怯えを感じつつ、一方でピアの本能は、ジュリアスに屈服させられたいと叫んでいた。その声を聞くと、絶頂が収まり燻っていた下腹の熱が戻ってくる。密着しているジュリアスの恥骨の下で、花芯がジンジンと疼いた。
「では、お言葉通り、僕を全て受け入れてくださいね、先生……」
 囁いたジュリアスは、腰を前後に揺らす。ピアの膝を両手で支え、中を隅々と味わうようにゆったりと腰を動かした。
「ああ、先生……すごい……っ」
 ぬち、ぬちと粘着な音を立てて、ペニスが蜜璧を擦りあげる。
「あんっ、あっ、はあっ」
 ピアは頭の上のクッションを両手で掴み、重く刻み込まれる絶妙な刺激に甘い声を漏らす。
(殿下のものが……アンソニー先生とここまで違うだなんて……)
 強く張った雁首に擦られた蜜壁から峻烈な快感が生じ、甘い痺れにも似たそれが全身に広がり、たちまち意識を蕩けさせる。ペニスの先端が最奥にぶつかり、全身が揺さぶられる感覚にピアはうっとりと陶酔した。
 不慣れなジュリアスの動きを受け止めるように、思わず腰をしゃくりあげてしまう。繰り返していると、だんだんリズムを掴んできたのか、やがて彼の動きも安定し、軽快に腰をぶつけてきた。それが嬉しいのか、ジュリアスはピアに微笑みかけた。
「先生が僕を包み込んでくれて……素晴らしいです。先生となら一晩中こうしていたい……」
(一晩中だなんて……)
 素直な言葉に胸がときめき、それだけで多幸感に満たされる。そして、ジュリアスに一晩中抱かれることを想像すると、穿たれている場所がキュンキュンと収縮を繰り返した。
 蜜路をかき回すペニスは、はち切れんばかりにみなぎっている。精力の塊のようなそれを一晩中受け入れたら自分はどうなってしまうのか……。淫らな想像と、微かな期待がさらに身体を火照らせた。
「僕の動きはどうでしょう……」
 ジュリアスがやや不安げに訊ねた。
「そうですね……、まだ少し未熟な気もしますが、仕方ないですよね。練習を積めばすぐに上達しますよ」
 正直、飲み込みが早い。このままでも十分に気持ちがいいのだが、初日から褒めて我が物に振舞われると、後でこちらの教えに従わない恐れもあるので、ピアは努めて指導者らしい言葉を選んだ。『未熟』という率直な言葉に気を悪くしたらしい。ジュリアスは拗ねたように眉を寄せた。
「では、もっとコツなど教えてください」
「もう少し、ご自分で試してみてはいかがですか。勉強は考えることに楽しみがあるのですから……」
 これ以上快感を与えられては、本当に授業が成り立たなくなりそうだ。自分が冷静に戻るための時間を稼ぐため、そうごまかしたのだが、ジュリアスは早速腰の動きを変えた。今までの緩やかな腰遣いに力強さが加わり、一気に突き上げてくる。
「あぁあん………っ!」
 その衝撃に嬌声が押し出され、背が大きくしなった。
「こんな感じでしょうか……」
 ジュリアスは、ピアの反応に感化されたのか、同じ強さで続けざまに穿ち続けた。しなやかで強靭な肢体を駆使し、蜜路にペニスを繰り返し叩き込む。その度に体が揺さぶられ、胸が波打った。ジュプ、ジュプッと隘路を擦られる音がピアの耳も犯し、劣情を煽ってくる。
(あ……気持ち……いい。この強さ……体がバラバラになってしまいそう)
 最奥を貫くそれは、敏感なところを直撃して意識を四散させる。ピアは力一杯クッションを握りしめ、断続的に襲いくる律動を受け止めた。
「感じている先生、本当に可愛いです。もっと気持ちよくさせられたら、僕のものになってくれますか?……」
 引き締まった体をしっとりと汗で光らせ、ジュリアスはかすれ声で囁いた。
 少年の独占欲露わな率直な告白を、ピアは若気の至りと感じるも、純粋に求められる喜びが胸を熱くさせ、彼をますます締め付けた。
(僕のものだなんて……それは無理なのに……。第一、歳の差が……)
 百歩譲って、身分の差に目を瞑ったとしても、六歳という差だけは決して縮むことはない。彼の成長は自分の老いを意味する。老いた自分にもジュリアスは今のように愛の言葉を紡いでくれるだろうか? 
「あぁ……先生……そんなことしたら……」
 ジュリアスもぞくりと身を震わせ、快感を貪るように激しい抽送をくり返す。
(あ……すご……い。もっと、もうすこし……)
 攻めの勢いは増したが、そのために動きが荒削りになり、感じる場所に当たりそうで当たらない。まだ未熟な性技に焦らされるようで、ますます欲情が募っていく。
「殿下……同じ動きだけではダメ……ですよ。女性の表情を見て、いろいろ工夫して動かないと……」
 助言のつもりだったが、邪な気持ちを自覚しているピアの耳にはその言葉は誘惑のようにも聞こえ、頰を熱くした。
「では……これでは?」
 ジュリアスはぐんと最奥に埋めたまま、腰を丸く動かした。
「アァン!」
 蜜路の壁を満遍なく擦られ、ズシリと重い官能が押し込まれて全身に弾けた。強すぎる刺激に、ピアの腰が高く持ち上がってしまう。
「あぁ……、奥を擦るのが気持ちいいんですね」
 ジュリアスは早速、二人の恥骨を擦り合うような腰遣いで最奥を責め続ける。
「あん……奥………っ、そんな……あたってっ……、あっ、あっ、あん」
 ピアは唇から喜悦の声を漏らしながら、ジュリアスが叩き込む快感を必死に受け止めていた。穿たれるたびにジュブジュブと淫猥な水音が部屋に響き、抽送がますます滑らかになっていく。
(も……、気持ち良すぎて……)
「これでもまだ未熟なんて言わないですよね……」
 腰で緩やかに円を描きながら囁くジュリアスの声に、確かな自信が帯びている。年下のジュリアスにとうとう自分の卑猥な本性を暴かれたようで、羞恥心が掻き立てられた。
「え、ええ……かなり、上達して……、らっしゃいます……」
 愉悦の波間に漂いながら、それでもなんとか指導者らしい言葉を返す。
「こうして繋がっていると、先生のことがますます好きになります。もちろん奮していますが、それだけじゃなく、心まで満たされるようで」
(殿下……そこまで仰るなんて……)
 再び『好き』と言われて胸を震わせていると、ジュリアスが覆いかぶさり、ピアの体を抱きしめた。しなやかな筋肉に覆われた胸板が乳房を押しつぶす。浅い呼吸を繰り返していたピアの唇が、唇でふさがれる。
「んふっ、んっ……ん」
 いきなり侵入し、強烈に絡まる舌から甘い官能が生じ、全身が痺れた。
 その間も抽送は休むことなく、しゃくるような卑猥な動きでピアを確実に高みに導いていく。
(ああっ、そんなに舌絡めないで。奥を擦られながらこんなに激しいキス……)
 キスのために呼吸さえままならないが、その息苦しさが却って被虐欲を刺激した。
(私、このまま殿下に全てを奪われてしまうの……?)
 生徒に支配される禁断の想像が、ピアをその危うくも魅力的な世界に誘おうとしている。そして、その世界に心惹かれる自分に気がつき、必死で踏みとどまろうとした。
(だめっ、そんなこと許されるはずがない。ああ、でもっ……)
 その時、唇を離したジュリアスは熱っぽく見つめながら囁いた。
「ね、ピアって呼んでもいいですよね……?」
 ピアが返答に窮していると、彼は彼女を惑わすように腰で円を描く。
「ん……っ、は、はい……ピアと、呼んでください」
 新たな愉悦が体に波紋を広げると、葛藤は一瞬にして妥協点とへとたどり着いた。
(そうよ、今だけ——今だけなら殿下に身を任せても許されるはず。だって、私の役目だもの……)
 ピアはジュリアスの背中に腕を回した。その瞬間、彼は彼女の従順さを受け止めるように、激しく動き始めた。引き締まった腰が猛然と前後し、愛液にたっぷり濡れたペニスが隘路をかき混ぜる。
「ふっ、んふ、あんっ」
 独占欲むき出しの律動が、ピアを快楽の深沼に引き摺り込んでいく。再びジュリアスのキスを受け止めながら、ピアは彼の背に回した腕に力を込め、ひたひたと身体に満ちてゆく官能に陶酔した。
 ジュリアスが腰を打ち付けるたび、長椅子が軋んで音を立てる。部屋には、すでに濃厚な男女の香りが充満していた。
「ピア、どうですか。僕は合格ですか」
 腰遣いをやや緩め、額に汗を滲ませたジュリアスが尋ねた。
「んっ、それは……」
 ピアは逡巡した。初めから正直に答えては、ジュリアスを傲慢にしてしまうかもしれない。だが、相手の真摯な瞳にそんな不安はすぐに消えた。
「はい……合格です。殿下の性技はとても素敵です……」
「ピアっ」
 喜びの声とともに、ジュリアスは首筋に熱烈にキスをしてくる。肌を吸われ、軽く歯を立てられた。
「あんっ、殿下っ……」
 くすぐったさ混じりの快感に背筋が震え、思わず脚を彼の腰に絡ませた。繋がりがさらに深まる。
「ピアの……全てが好きだ……。愛してます。僕のものになってください……」
 熱っぽい口調で愛を囁き、首筋に舌を這わせてくる。再び勢いに乗った抽送にも、抑えきれない恋情が溢れているようだった。
「んっ、ダメ……。それだけは無理です……っ、……あんっ、ああんっ」
「わかってます。でも諦められません……。ピアが好きなんです」
「そんな……そんなことは……あっ、あ……あっ」
(嬉しい……私をそこまで求めてくれるなんて……でも……)
 ジュリアスの純粋な感情が、ピアのわずかに残っていた理性を甘く蕩かせる。胸のときめきと痛みの間で揺れていると、切迫した声が聞こえた。
「ピア……っ、出ます、もう……これ……我慢できない……っ」
「だ、ダメ……な、中はダメですっ……中はあ……っ」
 夢心地から唐突に現実に引き戻され、それだけは拒もうと声を発したが、既に本能に支配されていた身体は言葉に逆らい、至福のクライマックスに向けて、相手の腰に絡めていた脚に力を込めた。これ以上ないほど身体が密着し、ジュリアスは小さく呻いた。
「ああ、いい……っ、ピアっ……、ピアっ……でるっ!」
 ジュリアスの、快感に歪んだ口からため息交じりの声が溢れた。最も深く繋がったまま、欲望が解き放たれる。
「ああっ、そんなっ……、だめ、だめえっ……」
 ペニスが激しく脈打ち、灼熱が蜜路に氾濫した。
(あ、あ……殿下の熱が……すごく、いっぱい……)
 熱い迸りを隘路全体で感じ、ピアは全身を震わせた。
 支配される喜びと背徳の官能が胸の奥底から沸き起こると同時に、彼にしがみついた彼女の中で、快楽の火花が散った。強く抱きしめられた身体が硬直する。
 罪深さを噛み締めつつ、寄せては返す多幸感の波にたゆたう。
「あ……中が、すごいっ、吸われるようだ……」
 彼の全てを搾り取るかのように収縮する蜜路が、ジュリアスの声を震わせた。
 やがて吐精が終わると、ジュリアスは弛緩し、ピアに身体を預けてきた。
「ごめんなさい、ピア」
 肩に頭を乗せてピアを見つめ、消え入りそうな声で言う。首筋を息がくすぐり、それだけでピアは幸せで満たされた。
「今度は、暴走せずに抑制する練習もしましょう……相手に合わせてゆっくり進めるのも、いいものですから」
 引きつつある愉悦の余韻に陶酔しながらも、ピアは微笑し、ジュリアスのしっとりと湿った柔らかな髪を撫でた。
「それに、実は王室の医師からは妊娠しにくいハーブティーを処方してもらっているんです。だから、ご心配なさらず……」
 それに関しては、古からこの慣習を持つ王室の対策は周到だ。ピアはその苦味の強いお茶を毎日欠かさずに飲んでいた。
 すると、ジュリアスはパッと顔を上げ、瞳を輝かせた。
「では……これから復習してもいいですか? 気持ちよすぎて、途中、夢中でしたし……もっと体で覚えたほうがいいですよね? えっと、鉄は熱いうちに打て、ですし……」
 ピアの顔を覗き込み、ジュリアスは甘えるような口調で理屈を並べるが、打たれるのは自分の方である気がして、ピアは内心どきっとした。
 ジュリアスに完全に征服されたい……。まさか、そんな密かな望みを彼は見透かしているのだろうか。探るように相手の瞳を見つめるが、見つめ返すそこには哀願が浮かぶだけだった。
 そんな彼の必死な様子に胸がじわりと焦がされる。蜜路もキュンと震え、やや精力を失ったペニスを締め付けた。それに応えるかのように、再びジュリアスがドクンと強く脈動し、復活の兆しを伝えてくる。その性欲の強さに再度驚きつつ、ピアは柔らかく答えた。
「いいですよ。今夜は殿下のお望みのままに……でも、ここではなくて隣の寝室にしましょう」
 それを聞くや否や、ジュリアスはピアから離れてズボンの前を留めると、強い腕で彼女を抱き上げ、大股で続きの間の寝室へ入っていく。
「あの、殿下っ……」
 慌てるピアをベッドに横たえて、ジュリアスはにっこり笑った。
「やっぱり、僕が選んだ先生だ。教育熱心な方で嬉しいです……たくさん、僕が満足するまで教えてくださいね」
 囁きながら、その手はピアの体にまだ絡まっていたドレスをすっかり脱がせてしまう。
 そして、自分もさっさと全裸になり、その素早さに呆気にとられているピアの脚を開いて屹立をするりと挿入させた。
「あ……、そんな、いきなり……っん、ぅん」
「ごめんなさい、もう我慢できなくて……」
 口では謝りながらも、ジュリアスの腰はすでに前後に大きく動いている。初めは緩やかだった律動が徐々に力強くなる。蜜壁を擦るペニスの質量は瞬く間に増し、みっちりと埋まった隘路からは、ぬちっぬちっと再び水音が立ち始めた。
「あ……また、おっきく……もう、こんなにっ……ん……ぁん」
 度重なる絶頂の後、敏感になったピアの体は打ち込まれる甘美な刺激に再び官能の花を開花させ、愉悦の花園に彩りを加えていく。
(ここにいる間だけ……。私は、殿下の家庭教師だもの……。これは、私の仕事……今だけは……)
 ふと切なくなり、ピアはジュリアスの首に腕を絡ませた。
「ピア、可愛い……僕のピア……」
 ジュリアスも目元を綻ばせると、きつく彼女を抱きしめた。ピアは優しく穿たれながら、若く美しい野獣の身体から立ち上る魅惑の香りを、胸いっぱいに吸い込んだ。
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