TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

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きら星はづき引退編

第319話  お疲れ様でした!

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 あっ!
 画面にワイプ映像で三人の男性が登場した。
 全員知っているぞ。

 全てが大罪の能力者だ。
 ルシファー、ベルフェゴール、マモン。
 初期は大罪に取り込まれて人類に敵対していたが、徐々に力を克服し、魔王との戦いでは人類側についた者たち。

「第一世代の大罪だね。なお、スパイス的にはイラちゃんはオリジナル大罪とする」

「ウェイ! スパイス詳しいな?」

「最近、大罪の若い子たちと絡む機会が増えたからねー」

 チャラウェイほどじゃないけど、スパイスもめっちゃ顔が広くなってきているのだ。
 あの子達を知っていると、この第一世代が原罪的なのに向き合って人類側の意識を変えてくれたから、大罪は新しい方向性に進めたのだなあと思う。
 大人のアクションだ。

 すっかり感心してしまった。
 と思ったら、見知ったベルゼブブが出てきてそこに加わる。
 第二世代じゃーん!

 コメントを読んで気づいたのだけど、世の中の大半の人々はまだ、第二世代の大罪勢がいることに気づいてないっぽい。
 うーむ、ということは色々起こるのはこれからかしらねえ。

「あっ、記念写真のコーナー始まった! スパイスの出番だね!」

 ゆくいちゃん、またぎちゃん、くろすさんたちがいる中に、ひょこっと混じって手を振ったりピースサインをしてきたのだった。
 はづきちゃんがびっくりしていたから、これは斑鳩さんの台本の部分だな……?

 そしてそして。
 パシャっと記念的な一枚。

 その後もきら星はづきの活躍を振り返る映像が続き……。
 ついに勇者パーティ登場だ。

 いやあー、タリサは本来参加の予定だったけど、モンゴルに残っちゃったからワイプでの出演なんだよね。
 スパイス、三度目の登壇!!

「なんだかレギュラーみたいな気がしてきた」

「実際スパイスさんってあちこちで大活躍してますもん! 呼ばれるのは当然って気がします」

 ユーシャちゃん!
 いいこと言ってくれるなあ。
 なお、彼女が連れてる意思を持つドローン、アフームたんは、うちの魔導書たちとわいわいお喋りしているのだった。
 おや?
 スノーホワイトが対抗意識を燃やしている……。

『タリサはさ、もっと活躍できると思ったんだけどなー。ヤバかったよ魔王! なんではづきはあんなのに勝てたのよー』

 タリサが唇を尖らせてぶうぶう言ってる。
 己の未熟さを知って成長する機会を得たっていう意味では、タリサが一番の成長株だったかもね。

『はづきは特別だからでしょ? タリサははづきの配信見返して勉強すること』

 シェリーは完成してるタイプの配信者だよねえ。
 本当に頼りになった!

『なんでシェリーにそんなこと言われなきゃなんないのよー!』

『そこに全てのヒントが詰まってるからに決まってるでしょ!』

 いや、はづきちゃんは参考にならないんじゃないか……?

『確かに、はづきさんの配信はまるで台本があるかのように、観る者にカタルシスを与えてくれていた。あれが全て偶然の産物なら、彼女には大いなる者の加護がついているのだろう』

 モリトン、いいことを言いながら、実は隣りにいるタリサのことをチラチラ気にしている。
 コメント欄でも、※『あれ? モリトンとタリサの背景一緒じゃね?』みたいな鋭いのが流れてるねえ。

『よく分からんが、俺をパワーで軽々と押し返すはづきにはリスペクトを抱いてるぜ』

 最後までおバカパワーキャラという設定を守るゼルガー、偉い。
 勇者パーティをまとめてくれる大人なのだ。

『HAHAHAHAHA! リーダーはでたらめだからね!』

『『『「「お前が言うな!!』』』」」 

 いかん!
 みんなと合わせて、思わずカイワレに突っ込んでしまった。

「いつもこんな感じだけどね! あっ、はづきちゃん、今までお疲れ様でした!!」

 勇者パーティを代表して、ユーシャちゃんが花束を贈呈。

「ありがとうー!」

 花束を受け取って微笑むはづきちゃんは、とても世界最強にしてあらゆる魔の者が恐れる頂点配信者とは思えない、普通の女の子みたいなのだった。
 ここで一通りのプログラムは終わりなのだが……。

 最後にとびきりのアクシデント……いや、イベントが待ち構えていた。

『VR空間に大型ダンジョン出現です! えー、VRロビーにギッチギチになるまで人が流れ込んだ結果、ダンジョン発生条件を満たしてしまったようです! 配信者の方々は出動を……』

 会場内に流れるアナウンス。
 立ち上がるはづきちゃんを、参加してる配信者がみんなで「大丈夫!」と押し留めた。

 彼女のいない世界でも、ダンジョンを攻略してやっていけるってのを見せつけるわけだ。
 うおー、燃える展開だ!!

「スパイスはいかないのか?」

「そういうスレイヤーさんだって」

「俺達ベテランは、彼らがピンチになったら飛び込むくらいでちょうどいいのさ。ま、俺は配信者としては新人もいいとこだが」

 八咫烏はチャラちゃんと二人で、仕出しのお弁当を食べながら若い配信者たちの頑張りを眺めている。
 彼らはみんなで協力し合いながら、猛烈な速度でVR空間のダンジョンを制圧。

 最後に、画面の向こうにいるきら星はづきへとアピールするのだった。
 これ、あの世代の子全員が、きら星はづきチルドレンだな。

 彼女が最後にステージに残り、画面に向かって一礼。
 笑顔で手を振った。

 英雄の引退だ。
 一つの時代が終わる。

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