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マシロ、配信を目論む編
第63話 配信のお作法を見よ
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「本日の配信はねー。新人の冒険配信者、紅野シロコちゃんをお誘いしちゃいましたー!」
「ど、どうもッス! シロコッス! よろしくお願いしますっ! ひ、ひい、同接が三桁半ば!!」
自分の配信では見ることのない数字に震えるシロコ。
「まだまだ始めたばかりだからねー。四桁まで行くと思うよー」
「あひぃ」
なんか悩ましげな悲鳴を漏らしてるし。
※『シロコちゃんボーイッシュかわいい』『スパイスちゃんの新人発掘か!』『おかしい、スパイスちゃんもデビュー半年くらいでは』
「そうだねー、スパイスも新人だねー! でもこういう機会がないとね、新人さんはバズりにくいから、大いに活用して伸びて欲しいなーと思うわけです!」
※『配信者界を盛り上げる心意気!』『偉いなー』『こうして並んでるとスパイスちゃんの方がぜんぜんちっちゃいのに』『中身はおじさんだからな』『スパイスちゃんは幼女だろ』
みんなが盛り上げてくれて実に嬉しいよ。
では、ここからは……。
「今日は丁寧にやっていくよ! まずはダンジョンの解説から。廃病院に入り込んだアホが死んで怨霊になってダンジョン化したところだよ! はい、詳しい解説はこちら! フロッピーが作ってくれたテロップを御覧ください!」
『分かりやすいように編集いたしました』
このしょうもなダンジョンの全貌が分かる、フロッピー謹製テロップが一定時間ごとに表示される。
情報量が絞られているから、配信を見る邪魔にならないし、ちゃんとふりがなまで振ってあるぞ!
※『わかりやすうい』『親切設計過ぎるw』『全年齢層に配慮してるなあ』
「じゃあ行ってみよう! シロコちゃん、まず真っ先にダンジョンに侵入してみてー」
「は、はいッス!」
「いつものやり方を見せてね!」
「うッス! まずこうやっておりゃーっ!! って入って!」
「あぶなーい! ドアの先を確認しないで突っ込むのあぶなーい!! ピピーッ! ダンジョン配信警察です!」
※『スパイスちゃんきたー!!』『本当にホイッスル口にくわえてる!』『いつの間に装備してたんだ……』『今回のスパイスちゃんは教官役かあ』
「新人さんが知らなくて事故みたいなのに遭って引退しちゃうの、凄い損失だからねー! これアーカイブにしておくので新人さん見てね! ええとね、ダンジョンはいきなり扉の奥に危険なモンスターが潜んでることもあるので、まずは戦闘準備を整えて扉を開けます!!」
「な……なるほどッス! つまりあたしならスタンガンを構えて……」
「スタンガン、クロスコンバットしないといけない武器だけど武道の経験とかおあり?」
「ないッス」
だよなあ!
マシロはもともと陸上やってて、格闘技経験はゼロだって知ってるからな。
そういう人が近接戦闘やっちゃダメ、絶対!
俺が知っている配信者は、近接戦闘の必要性に気づいてからスポーツチャンバラの道場に通ったりなどしているのだ。
あれ、配信ではかなり実戦的な動きだからね!
こういうのに備えるのは男性配信者が多い。
女性配信者でゲームオーバーになっちゃう人はそこそこいて、そういうのは配信者のキラキラした世界に憧れ、そんな泥臭い努力を怠ったパターンだね。
男性配信者はまあまあ、新人の頃は過激なことをして耳目を集めようとしがちなので、普通にゲームオーバーになる。
「遠距離攻撃できる武器があるといいね! はい、これ」
俺はおもちゃ屋で買ってきたラーフを手渡す。
「これは……!」
「同接が二桁いればスポンジ弾でゴブリンまではいけるから! がんばって!!」
「はいッス! あの、ピストルで撃ったりしたことないんスけど」
「ここに照星があるでしょ。この先に相手を捉えれば当たるから。今度サバゲーに参加してパワーアップしようね」
「は、はいッス!」
※『思った以上に本格的な指導だぞ……!!』『ためになるぅ』『あっ、そんな事を言ってたら痺れを切らしたモンスターが玄関から!!』
「んもー! 我慢の効かないモンスターだなあ! スパイス、大学以来久々のサバゲームーブだぞ!!」
俺はもう一つ買ってきていたラーフを構えて、パシっと射撃した。
飛翔するスポンジ弾!
やって来ていたゴブリンに炸裂して、『ウグワーッ!!』と弾き飛ばした。
「こう!」
「なるほどッス! なんか動きもプロっぽかったッス」
「昔取った杵柄というやつだねー」
「あたしの先輩も昔、サバゲーサークルに入ってて、職場の休憩時間にそういう話ししてくれてて」
俺のことだね!!
※『俺の耳がおかしくなったのかな? スパイスちゃんが大学時代とか言ってたような』『おじさんだからな』『嘘だ! スパイスちゃんは幼女だ!』
コメントは勝手に盛り上がってくれていて大変よろしい。
「そうだよー。スパイスはおじさんであり幼女でもあるからねー。シュレディンガーのスパイスだよ。みんながスパイスの素性を探れば探るほど確定してスパイスはおじさんか幼女になっちゃうからね」
※『ひぃー』『探らんとこ』『じゃあグググールに出てくる、スパイスちゃん 中の人 のサジェストは……』『触れてはならぬ』
俺についてそんな考察してる人いるの!?
前世なんか普通のおじさんだから無駄だろうに。
「おっしゃ、んじゃ行くよシロコちゃん!」
「はいッスー! ……なんかこう、初めてのコラボなのに……よく知っている人と一緒に行動してるような……」
勘が鋭い後輩だねえ!!
「ど、どうもッス! シロコッス! よろしくお願いしますっ! ひ、ひい、同接が三桁半ば!!」
自分の配信では見ることのない数字に震えるシロコ。
「まだまだ始めたばかりだからねー。四桁まで行くと思うよー」
「あひぃ」
なんか悩ましげな悲鳴を漏らしてるし。
※『シロコちゃんボーイッシュかわいい』『スパイスちゃんの新人発掘か!』『おかしい、スパイスちゃんもデビュー半年くらいでは』
「そうだねー、スパイスも新人だねー! でもこういう機会がないとね、新人さんはバズりにくいから、大いに活用して伸びて欲しいなーと思うわけです!」
※『配信者界を盛り上げる心意気!』『偉いなー』『こうして並んでるとスパイスちゃんの方がぜんぜんちっちゃいのに』『中身はおじさんだからな』『スパイスちゃんは幼女だろ』
みんなが盛り上げてくれて実に嬉しいよ。
では、ここからは……。
「今日は丁寧にやっていくよ! まずはダンジョンの解説から。廃病院に入り込んだアホが死んで怨霊になってダンジョン化したところだよ! はい、詳しい解説はこちら! フロッピーが作ってくれたテロップを御覧ください!」
『分かりやすいように編集いたしました』
このしょうもなダンジョンの全貌が分かる、フロッピー謹製テロップが一定時間ごとに表示される。
情報量が絞られているから、配信を見る邪魔にならないし、ちゃんとふりがなまで振ってあるぞ!
※『わかりやすうい』『親切設計過ぎるw』『全年齢層に配慮してるなあ』
「じゃあ行ってみよう! シロコちゃん、まず真っ先にダンジョンに侵入してみてー」
「は、はいッス!」
「いつものやり方を見せてね!」
「うッス! まずこうやっておりゃーっ!! って入って!」
「あぶなーい! ドアの先を確認しないで突っ込むのあぶなーい!! ピピーッ! ダンジョン配信警察です!」
※『スパイスちゃんきたー!!』『本当にホイッスル口にくわえてる!』『いつの間に装備してたんだ……』『今回のスパイスちゃんは教官役かあ』
「新人さんが知らなくて事故みたいなのに遭って引退しちゃうの、凄い損失だからねー! これアーカイブにしておくので新人さん見てね! ええとね、ダンジョンはいきなり扉の奥に危険なモンスターが潜んでることもあるので、まずは戦闘準備を整えて扉を開けます!!」
「な……なるほどッス! つまりあたしならスタンガンを構えて……」
「スタンガン、クロスコンバットしないといけない武器だけど武道の経験とかおあり?」
「ないッス」
だよなあ!
マシロはもともと陸上やってて、格闘技経験はゼロだって知ってるからな。
そういう人が近接戦闘やっちゃダメ、絶対!
俺が知っている配信者は、近接戦闘の必要性に気づいてからスポーツチャンバラの道場に通ったりなどしているのだ。
あれ、配信ではかなり実戦的な動きだからね!
こういうのに備えるのは男性配信者が多い。
女性配信者でゲームオーバーになっちゃう人はそこそこいて、そういうのは配信者のキラキラした世界に憧れ、そんな泥臭い努力を怠ったパターンだね。
男性配信者はまあまあ、新人の頃は過激なことをして耳目を集めようとしがちなので、普通にゲームオーバーになる。
「遠距離攻撃できる武器があるといいね! はい、これ」
俺はおもちゃ屋で買ってきたラーフを手渡す。
「これは……!」
「同接が二桁いればスポンジ弾でゴブリンまではいけるから! がんばって!!」
「はいッス! あの、ピストルで撃ったりしたことないんスけど」
「ここに照星があるでしょ。この先に相手を捉えれば当たるから。今度サバゲーに参加してパワーアップしようね」
「は、はいッス!」
※『思った以上に本格的な指導だぞ……!!』『ためになるぅ』『あっ、そんな事を言ってたら痺れを切らしたモンスターが玄関から!!』
「んもー! 我慢の効かないモンスターだなあ! スパイス、大学以来久々のサバゲームーブだぞ!!」
俺はもう一つ買ってきていたラーフを構えて、パシっと射撃した。
飛翔するスポンジ弾!
やって来ていたゴブリンに炸裂して、『ウグワーッ!!』と弾き飛ばした。
「こう!」
「なるほどッス! なんか動きもプロっぽかったッス」
「昔取った杵柄というやつだねー」
「あたしの先輩も昔、サバゲーサークルに入ってて、職場の休憩時間にそういう話ししてくれてて」
俺のことだね!!
※『俺の耳がおかしくなったのかな? スパイスちゃんが大学時代とか言ってたような』『おじさんだからな』『嘘だ! スパイスちゃんは幼女だ!』
コメントは勝手に盛り上がってくれていて大変よろしい。
「そうだよー。スパイスはおじさんであり幼女でもあるからねー。シュレディンガーのスパイスだよ。みんながスパイスの素性を探れば探るほど確定してスパイスはおじさんか幼女になっちゃうからね」
※『ひぃー』『探らんとこ』『じゃあグググールに出てくる、スパイスちゃん 中の人 のサジェストは……』『触れてはならぬ』
俺についてそんな考察してる人いるの!?
前世なんか普通のおじさんだから無駄だろうに。
「おっしゃ、んじゃ行くよシロコちゃん!」
「はいッスー! ……なんかこう、初めてのコラボなのに……よく知っている人と一緒に行動してるような……」
勘が鋭い後輩だねえ!!
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