TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

文字の大きさ
65 / 373
マシロ、配信を目論む編

第65話 案件配信のお誘い

しおりを挟む
 さて、マシロにどうやって正体を明かし、こちら側に取り込むか……。
 彼女の身の安全のためには、絶対に身内にした方がいい。

 俺は危険だから、という理由だけで彼女がやろうとしたことを否定する気はないし、なんなら存分にやってもらって、満足してもらおうじゃないかくらい考えるようになっているのだ。

『夫婦生活の安定のためには、ガス抜きとしてもいいんじゃないですかね!』

「フロータはまた気の早いことを言っている……!」

 あのコラボの後、マシロこと紅野シロコのチャンネル登録者数は増えていた。
 1000人が見えてきそうじゃないか。
 なかなかすごい。

 そして俺はと言うと……。

「ラーフの案件が来た……! ここ、世界的に大きな玩具メーカーだぞ。いいのか……!?」

 玩具メーカーのバズブロウ日本支社からの案件だった。
 もしや、スパイスの事を小さい子どもだと思ってはいないだろうな……?
 中身はおじさんだぞ?

 いや、きっと分かっているだろう。

 ここは信頼できる人間に相談……。
 そうだ、チャラウェイだね!

『ウェイ! すげーじゃないですか案件! 絶対受けたほうがいいですって』

「やっぱりそう……? だけど俺は魔法少女だからな……。それでラーフとかおかしくないですか?」

『いいんじゃない? この間の配信だって思った以上に動けてたっしょ。俺、スパイスちゃんがあんな動ける子だって知らなくって』

「あの肉体、やたらと動きがいいんですよね……。あと、相方が魔法が使えないので合わせてあげようってことで」

『あー、あの娘、この間焼き肉に来た娘でしょ。ありゃあ、ぶきっちょなタイプですもんねえ。でも才能が無いわけじゃないから。直線の動きは優れてるんじゃないっすか?』

「確かに。元陸上部だそうだから……」

『今ザッコ繋げられます? 図で説明しますわ』

「助かる~」

 場をPCに移して、マイクを使ってザットコードとお絵描きチャットでやり取りする。

『つまりっすね、直線で動くタイプでもまっすぐとは限らなくて、こう、こう』

「ははあ、遮蔽の間をジグザグに最短距離で移動する!」

『そういうこと! 短距離走の連続ってことね。俺も特別な戦い方はできないタイプなんで、常に頭を使ってそこを補ってるんすよね』

「いやあ、下手にできるとそっち方向に考えが行っちゃって視野が狭くなるから。あー、なるほど! これは分かりやすいなあ。助かります!」

『いえいえー! この埋め合わせはまた今度、なんか美味しい案件とかコラボとか呼んで下さいよ』

「ぜひぜひ!」

 ということで通信終わり。
 持つべきものは親しき先輩配信者だ。
 豊かな経験を持つチャラウェイだからこそ出てきた発想だなあ。

 俺はすぐさま企業に連絡をし、案件で出る金額は二人合わせて提示されたのと同額でいいのでマシロを参加させて欲しい旨を話した。
 すぐOKが出る。

 俺と一緒にラーフで戦っていた配信者だと、案件担当者が理解していたのだ。

『初心者枠の方がおられる方がやりやすいですしね。配信方法はお任せします。弊社スタッフが向かいますんで、レクチャーの方法について話し合いましょう』

「ありがたい!!」

 バズブロウ社の人も来るらしい。
 これは喜ばしいニュースだ。
 すぐにマシロにも連絡……いやいや、Aフォンのザッコを通じて、シロコにも連絡だ。

『えええっ、案件ッスか!?』

「そうなんだよー! シロコちゃんこの間ラーフ使ってたじゃん! スパイスと一緒にラーフの宣伝する案件やりませんかーって! スパイスはねー、シロコちゃんをプッシュしておいたよー。この配信者はこの武器使う! っていうイメージ固めるの、強くなる秘訣だからねー」

 メタモルフォーゼ済みなのだ!
 うーん、この姿だとマシロを意識してどう喋ろう……みたいなのが頭からさっぱり無くなるな!
 姿は性格までも変えるのだ。

「やるー? もちろんやるよね?」

『やるッス!! やらせて欲しいッスー!! くうーっ! スパイスさんと絡んでから運が回ってきたッスー! 何者でもなかったあたしが、なんかちょっとやれる感じになってきたッス!』

 そっかー、それで悩んでたのかマシロ。
 なんか俺のことをちょっと特別視してるところあったもんな。
 いや、実際、本当に特別なんだが。

 こうしてラーフ案件がスタートした。
 で、ついでだからこの案件の中で、スパイスはシロコに正体を明かしちゃおう。

 まあ、そこで落ち着くのはあくまで先輩と後輩だよーってところくらいにしてですね。
 計画は動き出すのだった。

 翌日、バズブロウ社の案件担当の方と会議をした。
 こちらから都内まで赴いて、会場は喫茶店の個室。

 担当者はスラッとした男の人だった。
 俺はあくまでスパイスの姿でこの会議に臨む。

「スパイスさんの本来のスタイルが魔法ということは重々承知しているんですが、先日のラーフを使った配信は大きな話題になりましてね。PickPockであのラーフを構えての三次元機動が動画としてアップされ、バズっているのはご存知で?」

「えっ、そうなの!? 全然知らんかったー……。スパイスはツブヤキックス専門なんで」

「ですよねえ、私もですが、おじさんはそんなものです。弊社マーケティング部門がこれを発見し、若いファンからの人気が高い黒胡椒スパイスさんなら、ラーフの案件をお任せできると判断しまして。本社からのOKも取り付けたので、こうしてお願いしているわけです。経験者であるスパイスさんと、初心者であるシロコさんのお二人でレクチャーしながらダンジョンを攻略していただければ」

「はーい! 任せて下さい! それで、そのダンジョンは……」

「ちょうど先日発生したダンジョンがあります。こちらを利用していただければ。全てのテナントが撤退した後の雑居ビルが、突如ダンジョン化したそうでして……。ダンミー側に連絡し、案件用として弊社が押さえました」

「人間が関わってないのにダンジョン化することってあるんですねえ」

「ええ、そのようですね。ということで、来たる春の爽やかさに相応しい、フレッシュな配信を期待しております」

「まっかせて下さい!」

 スパイスが手を伸ばすと、担当の人が身を乗り出して手を握ってくれた。
 握手握手。
 すみませんね、スパイスはちっちゃいもので!

 ということで、案件配信と正体バラしイベント、2つを兼ねたダンジョン攻略のスタートなのだ。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき
ファンタジー
冴えない高校生女子、きら星はづき(配信ネーム)。 彼女は陰キャな自分を変えるため、今巷で話題のダンジョン配信をしようと思い立つ。 初配信の同接はわずか3人。 しかしその配信でゴボウを使ってゴブリンを撃退した切り抜き動画が作られ、はづきはSNSのトレンドに。 はづきのチャンネルの登録者数は増え、有名冒険配信会社の所属配信者と偶然コラボしたことで、さらにはづきの名前は知れ渡る。 ついには超有名配信者に言及されるほどにまで名前が広がるが、そこから逆恨みした超有名配信者のガチ恋勢により、あわやダンジョン内でアカウントBANに。 だが、そこから華麗に復活した姿が、今までで最高のバズりを引き起こす。 増え続ける登録者数と、留まる事を知らない同接の増加。 ついには、親しくなった有名会社の配信者の本格デビュー配信に呼ばれ、正式にコラボ。 トップ配信者への道をひた走ることになってしまったはづき。 そこへ、おバカな迷惑系アワチューバーが引き起こしたモンスタースタンピード、『ダンジョンハザード』がおそいかかり……。 これまで培ったコネと、大量の同接の力ではづきはこれを鎮圧することになる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます

鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。 このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。 それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。 その称号効果はスライム種族特効効果。 そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・ このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。 主人公は経験値でモンスターを殴ります。 ────── 自筆です。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

処理中です...