TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

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マシロ、配信を目論む編

第66話 二人で案件開始!

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「どーも! こんちゃー! スパイスでーす! 今日はお知らせした通り、なななんと~! ラーフの案件だよー! ほんで、アシスタントとしてシロコちゃんも呼んじゃってまーす!」

「ど、どうもこんばんはー! シロコでーす!」

※『こんちゃー!』『今日もシロコちゃんいるのか!』『登録したよー!』

「あっあっ、ありがとうございます~!!」

 本日は夕方。
 軽くホットスナックなどで小腹を満たした後の配信なのだ。

 で、全部終わったら俺は正体を明かしてマシロを夕食に誘うと。
 完璧だ。

 それではダンジョンの前で、二人並んでラーフのチェック。

「ちゃんと装填はできる? 弾の射出は? 飛距離大丈夫? そういうのを事前にチェックしよう! 不調があったら調べて解消! 自分でどうにもできなかったら、バズブロウ社に送ろうね! 宛先はここ!」

 テロップで、バズブロウ日本支社の宛先が出る。

※『ちゃんと案件配信だ……』『なんて手慣れてるんだ。まるで社会人みたいだ』

 社会人経験者だからね。
 一通り、ラーフのチェックは終了。
 今回、スパイスとシロコが持っているのは新型の速射タイプラーフ。

 スポンジ弾が詰まった大型カートリッジを接続することで、なんと60発の連続射撃が可能になる!
 回収は大変だけどね!

「弾の回収には、バズブロウから発売している専用のスポンジ弾回収ツールを使ってね! こんな感じで、マジックテープみたいにスポンジにピタッと貼り付くから……これでほいほいほーい!」

 地面に転がしたスポンジ弾を次々に回収して見せる。

※『うおおおお』『すげえ速度で!』『そんなものあったんだなあ』

 こうして商品のアピールなどをしていると、コメント欄にバズブロウの社員さんが来てスパチャを投げていった。

※『ナイスパ!』『バズブロウ社さんもよう見とる』『あの配信から半月で案件が来るとはなあ』『アンテナが高い』

 常にバズブロウは市場拡大を狙っているからなあ。
 世界規模の企業の貪欲さだ!

 てなわけで、ダンジョンに突入!

「今回のは雑居ビルダンジョンなんだけど、テナントが全部撤退した後、勝手にダンジョンになったらしいんだよね。なかなか次に入るテナントさんが決まんなくてオーナーは困ってて、不動産の人とリフォームしよっかって見に来たらダンジョン化してたんだって!」

 それを速攻で押さえ、案件配信用に提供してきたバズブロウ!
 やる……!

 八咫烏ともスポンサード契約を結んでるところだし、多くの配信者はラーフを使っているから配信者界では影響力の強い企業なんだよね。
 スパイスのバックアップもたのんます!

 ではでは、まずは一階テナントに踏み込んでみよー。
 鍵を預かっているので、これで裏手の扉を開けて……。

「お邪魔しまあす」

「お、お、お邪魔します!」

 入り込んだら、そこはそこそこ広い空間になってた。
 乱雑なパーテーションが仕切りになって、とってもダンジョンっぽい!

 スパイスたちの挨拶には誰も反応しないなあ。
 ダンジョンのモンスターは凶暴化してて、理性が無くなっている。
 だから問答無用で襲いかかってくるものなんだけど……。

 注意深く、ラーフを構えて踏み込む。

『魔法があれば一発なのにぃ』

「ラーフの案件配信で魔法使うわけにいかないでしょ!」

 不満を言うフロータなのだった。

※『魔法とラーフの組み合わせとか?』『おもちゃ本来の使い方じゃないやつは歓迎されないんじゃないかなあ』『案件だもんな』

 そういうこと!
 今回は縛りが多いのだ。
 その代わり、入ってくるお金も多い。

 これだけで会社員時代の一年分の収入になっちゃうぞ。
 ほんと、配信者ってハマれば稼げる商売だよなあ。
 ハマる前に死ぬか引退する人がめちゃくちゃ多いらしいんだけど。

 本来なら、中のものは全て撤去されているはず。
 なのに、このダンジョンの中はモノで溢れていた。

 壊れたコピー機と、それが吐き出した紙の束。
 パーテーションが無数に組み合わさり、壁を作っている。
 営業用のデスクは積み上がったり倒れたり、完全に障害物だ。

 観葉植物が繁茂し、一角がちょっとした森みたいになっていたり……。

『キシャーッ!!』

「あーっ! 森からムササビみたいになったゴブリンが飛び出してきた!!」

「ひーっ!」

 シロコがパスパスパスッと射撃する。
 だが、狙いも定めずにパニック任せにやる射撃が当たるわけないのだ!

「シロコ、無駄弾もったいない! 射撃ストーップ! 前進!」

「前進!?」

 思わず逃げかかっていたシロコが逡巡する。

「いいから前進!! おりゃー!」

 スパイスはシロコを連れてガンガン進んだ!
 頭上ギリギリをムササビゴブリン……ムサゴブが掠めていく。

『キシャシャア!?』

「はっはっはー! あっちは前に進んでるんだからスパイスたちが下がっても敵は高度修正できるもんね! でもスパイスたちが前に進んだら相手が高度を落とす暇がなくなるでしょ。そしたら下をくぐれるってわけ! そして! 後ろががら空きだー! ひゃっはー!」

 スパイスは振り向きざまに腰だめに構えたラーフを連射だ!
 ポスポスポスッと三点バーストで飛んだスポンジ弾が、ムサゴブのお尻に突き刺さった。

『ウグワーッ!!』

 叫び声とともに、ムサゴブは爆発四散!
 光になって消えてしまった。

※『ナイス!』『ナイッスー!!』『一瞬でモンスターの動きを読み切ったな!』『スパイスちゃんは試合運びがうますぎる』

「サバゲーは昔やってたからねー。ドローンで射撃してくる不届き者対策だよー。真下に向かわれると一瞬目標を見失うんだよね」

 そこから振り向きざまの射撃。
 これが鉄板。
 爆撃してくる相手にしたって、真下に飛び込まれたら爆弾は当たらなくなるのだ。

「ほえーっ、な、なるほどッスー! スパイスちゃん頼りになる~。なんかあたしの尊敬してる人みたいッス」

 多分その当人だよ!
 こんなノリで、一階のダンジョンは次々に出てくるモンスターをクリア!

 最後に立ち上がってきたコピー機をシロコとの挟撃で撃破すると、ダンジョンコアがポロッと落ちたのだった。
 よしよし、一階は制圧したな。

 それにしても……。

「なーんかこう、このダンジョンのモンスター、統制が取れてる感じがするんだよなー。普段はもっとめいめいバラバラで掛かってくるのに、こっちは殺意が高いっていうか殺意高いオペレーションに従っているっていうか……」

『臭いですねー! アバズレの気配を感じますねえー』

「おいフラグを立てるのをやめろ」

 フロータがいきなり洒落にならないことを言うのだった。
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