TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

文字の大きさ
182 / 373
つかの間の休息?編

第182話 コーラル社長とまったり

しおりを挟む
 休息期間だと言うのに、ド派手なコラボをやって注目を集めてしまった。
 いかんいかん。
 本日はマシロが出勤なので、暇な俺はどうしようか。

 コーラル社長のところに行って一緒にお茶でも飲もう。
 そういうことにした。
 社長はスパイスの姿のほうがしっくりくるらしいので、メタモルフォーゼしておく。

「しゃちょうー。遊びに来たよー!」

「おうスパイスか! 入るが良いぞ。我は今……生意気な小僧に教育をだな……くおーっ!! この相撲取り、何度空中突進をしてくるのだーっ!!」

「格ゲーやってる!!」

「ぐわああああ負けたああああ悔しいいいいい」

 瓦礫を組み合わせて作ったテーブルの上に、テレビとゲーム機が鎮座している。
 で、悔しがる社長がテーブルを叩く度に、瓦礫に亀裂が走るのだ。
 壊れそうー!!

「誰と対戦してたんですかー?」

「うむ、我が色々指導してやっていたドラゴンよ。あやつがはなたれ小僧の頃から世話をしてやっているというのに、ウェスパースめ、格闘ゲームではやつに一日の長があるわ……!」

「あー、ランクも全然違うもんね。社長はこのプロレスラー使ってるんだねー」

「うむ、大きいことは強いことだからな」

「ウェスパースさんがこのお相撲さん?」

「うむ、こやつも太くて強そうではある」

 コーラル社長の強い基準、デカいとか太いとかだぞ!

「どれどれ、スパイスがやってみるよ」

「ほう、そなた、このゲームは強いのかや?」

「暇な時にちょこちょこやるよー。ゲーム配信とかもしてるし。でもプレイスタイルは簡単な方のニュービーだけどね! 使うのはこのネイティブアメリカンの女の子で……おりゃー!」

「うはは! あやつめ、いきなりプレイスタイルが変わったので焦っておるわ! よし、いけ! ころせー!! 一本取った! よっしゃああああああ」

 社長が大喜びしている!!
 こんなテンション高いの初めて見たかもしれない。
 恐るべし、ゲーム。

 で、結局三戦やったら、一戦目は取れたけど流石に二戦と三戦目を取られてしまった。
 相手はベテランだなー。
 格ゲーベテランのドラゴンだなー。

『ていうか、そんなにドラゴンってこっちにいっぱい来てるんですか?』

 フロータの質問に、コーラル社長が頷いた。

「おるぞ。世界中に我を含めて五体おる。なぜかこの国には二体もおるが。皆、現地の人間どもと協力して暮らしておるな。この世界は人間が強い故に、敵対するのは損なのだ。まあ、我ほどの存在ともなれば対抗できる人間などほぼおらぬが」

 社長はドラゴンの中でも別格らしい。
 まあ、きら星はづきが怖いようだけど。

「そうそう、社長で思い出したんだけど……。最近社長の苦手なはづきっちが歌を出しててさ」

「あー、あの聞くだけで魔の者に強烈なプレッシャーを掛けてくる曲か……。我は抵抗をやめたら、すんなり耳に入ってくるようになったぞ。恐ろしい人間だ」

 やっぱり聞いてましたか。

「地の大魔将一族がな、奴らの娘をイカルガエンターテイメントに送り込んだ」

「な、なんですってー」

「我が見るところ、あれは取り込まれるな」

「やっぱりー」

「ちなみに我もこの世界で色々見ているだけでは退屈になってな」

「ほうほう」

「配信者企業とやらのオーディションにエントリーしておいた」

「な、なんだってー!!」

 とんでもないことになっているぞ!!
 社長のフットワーク、軽すぎる!!

「あんまりびっくりしたので、落ち着くためにお茶を淹れてくるね」

「うむ! 我の紅茶は砂糖多めでな!」

 社長はカロリーが多いものを愛する。
 主に砂糖系。

「どこ行くの?」

「ライブダンジョンだな」

「業界最大手じゃん! 受かるかなあ……いや、受かるな」

 本物のドラゴンで、芸達者で最近ゲームまで覚え始めたドラゴンだぞ。
 そのうち、ステージに立って歌う社長が見られるようになるかも知れない……。

『ドラゴンが首輪をつけられるんですかー? 星渡りの竜とは思えないような行動ですけどー』

「おいバカフロータ挑発するな」

 だが、ここは社長、わっはっはと笑う。

「構わぬぞ! ふふふ、我はな、大変寿命が長い。故に様々な冒険をして遊んでも全く問題ないのだ。それに、配信者というものはどうやら強くなるらしいではないか。では、我が配信をしたらどうなる? より強大な存在になるのではないか? ふはははは、楽しみだ!」

 哄笑する社長なのだった。
 なお、社長は書類選考をサクッと当然のように通過した。
 倍率千倍とか行くやつだよね?

 後で応募フォームの写しを見せてもらったら、『異世界より来たドラゴン本人である』と書いてあった。
 なお、書類選考はクリアしたらしい。

 な、なんだってー!?

 与太話だと思わず、受け入れたライブダンジョンの懐の深さよ!!

 というか、こうなると社長、Dizさんの後輩になるのか。
 いや、まだ面接がある……。

 後日のこと。
 社長が当たり前みたいな顔で我が家にやってきて、

「我はライブダンジョン所属になったぞ」とか報告してきた。

「な、な、なんだってー!!」

「面接会場でちょっとブレスを吐いたり、虚空から武器を生み出してやったら採用になったわ! だが不思議なことに面接官どもは、我のこの口調と朗々と語る様を褒めておったな」

「あー、流石ライブダンジョンの面接の人、肝が据わってる。確かに社長、配信者向きだわ」

 完全に感心してしまうスパイスなのだった。
 ということで、春には社長がライブダンジョンの配信者、コーラルとしてデビューすることになった。
 何やら同期も四人いるらしいのだが……。

 最近イカルガに押されていたライブダンジョン、超大型新人をゲットしてしまったな……!
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

俺、異世界で置き去りにされました!?

星宮歌
恋愛
学校からの帰宅途中、俺は、突如として現れた魔法陣によって、異世界へと召喚される。 ……なぜか、女の姿で。 魔王を討伐すると言い張る、男ども、プラス、一人の女。 何が何だか分からないままに脅されて、俺は、女の演技をしながら魔王討伐の旅に付き添い……魔王を討伐した直後、その場に置き去りにされるのだった。 片翼シリーズ第三弾。 今回の舞台は、ヴァイラン魔国です。 転性ものですよ~。 そして、この作品だけでも読めるようになっております。 それでは、どうぞ!

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...