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リトルウィッチ・デュオ編
第194話 到着! オーストリアだぞ
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都市と道路の上を主に飛翔したので、ジグザグな道のり。
それなりに時間が掛かったが東欧に到着だ!
そこから内陸のオーストリアまではゆったり巡航速度。
それでもマッハ1は出てるけどね!
この速さなら……。
「余裕で山を回避できる!」
『さっきまでの速度、動体視力が追いつきませんからねー。なお、こういうのをサーチしたり飛行管理を代行する魔法もあるんですが……あまりにマニアックなので色彩の魔導書がいないと使えません』
「なんとー! そう言えば色彩の魔導書って、多様な一般魔法の専門家だって聞いたような……」
『そうですよー! 精神の魔女戦での魔力感知とかは代表格ですねえ!』
『あの魔力感知は上手かったでやんすねー。そして先代の肉体はコーラル社長を作る土台になったと……。安らかに地獄で眠れ先代』
『ん地獄と言えばあ、うちのフレイヤも煉獄行きだろうなぁ。悪の魔女はろくな死に方しないからなぁ。ベッドの上で死ねたヤツ今までいないぞぉ!』
『ほんとですねぇ。みんな最後は悲惨な死を迎えると分かってるのに、なーぜか短絡的に悪の魔女になるんですよねえ』
魔導書たちがカバンの中でワイワイ言ってる。
歴代様々な持ち主を経てきた連中だからね。
彼らが見てきた魔女は、いい魔女なら人間として死んで、悪い魔女なら退治されるか裏切られて殺されるかするらしい。
悪い魔女は全員、魔女としての姿をメインにして人間に戻らなくなるから、寿命で死ぬことは無くなるんだそうで。
『でも人間としての感性が摩耗していくので、だんだんおかしくなって、人間性が完全に無くなると化け物になりますねー。そうなると魔導書を扱えなくなるので、パワーダウンして化け物として退治されるわけです。因果ですねー! そこが魔女の寿命ですねー!』
「ひえー! ダークな話!! スパイスは人間としてベッドの上で寿命を迎えるぞー」
『主様は平気じゃないですかねー』
そうこう言っていたらオーストリア国境を越えた。
フロッピーがそれを教えてくれたのだ。
では……。
オーストリアとの国境線にある町、セントゴットハールドに降り立ったぞ!
ブダペストから来る特急がここを経由して、グラーツまで向かうわけ。
ここからは優雅な電車の旅だぞー。
……とは言っても、ここまで来ると幼女が一人で旅をしていると心配されて、電車に乗せてもらえない。
程よいところでショウゴに戻るのだ。
『主様! 私にいい考えがあります!』
「ほう、なんだねフロータくん! 言ってみたまえ!」
『スパイスを成長させたくらいのレディにメタモルフォーゼするのです!!』
「えっ、そんな事ができるの!?」
『できまぁす!! というか主様がスパイスに変身してるんですから、望めば大人ボディにだってなれますよ。ごく自然に幼女になってただけですからねー』
「そうだったのかー。よっしゃー! じゃあ変身だ!」
街角に降り立ったエプロンドレスの幼女が、宙に浮かんだ本とぺちゃくちゃ会話している光景。
おじさんが通り過ぎて、また戻ってきて、口をポカーンと開けて見つめている。
「メタモルフォーゼ! 大人のスパイス! あ、服装は無難な感じで!」
スパイスは光に包まれ……。
アラサーくらいのお姉さんに変身したのだった。
鏡で確認。
おほー、清楚系美人!
黒いコートを身に着けていて、あんまりボンキュッボンではないね。
スラッと背が高いのは、元のショウゴを引き継いでる感じだね。
スパイスが成長するとこうなるのかあ。
見ていたおじさんが驚きすぎて腰を抜かしている。
『魔法の使用は制限されますから、都度ごとに大人フォームを解いて下さいね!』
「おっけー。なんだ、頭の中はスパイスのまんまだ」
『スパイスな主様がガワを被ってるだけですからねえ』
ということで。
あらかじめ準備してきたパスポートやクレジットカードで、特急券を購入!
特急はちょっと遅れてるようだ。
東欧の電車はまあまあ正確らしく、日本のちょい遅れくらいが常態だとか?
スパイスである私は翻訳魔法なるものをメンタリスに使ってもらい、周囲の会話に耳をそばだてる。
「次の電車は6分遅れだってさ」
「ほな定刻通りかあ」
6分遅れは定刻通り!!
なお、外国から来た人を連れたおじさんが、「我が国の電車は正確だからね。なんと65%は定刻通り来るんだ」と自慢していた。
三割は遅刻するの!?
かっちりしてるようでゆったりした国だ……。
こうしてスパイスは電車、レギオナルエクスプレスに乗り込み、セントゴットハールドからグラーツへ向かう。
東欧の車窓から!
風情ある町並みが流れていくねえ……。
隣に据わったおばあちゃんが、私に話しかけてきた。
「あなた、中国から来たの?」
「日本なんですよ」
「日本! それはまあ、遠くからよく来たわねえ。オーストリア観光? いいわね。私達の国はとても歴史が深いから、見どころもたくさんよ。グラーツに滞在するのかしら。観光名所を教えてあげるわね」
お喋りで親切なおばあちゃんだった。
いやあ、スパイスの大人姿は、見る人に安心感を与えるっぽいなあ。
ちなみに、乗り込んだ電車は特急だと思ったら快速だった。
「昔は東行きなら一日八本とか走っていたのよ。五本に減ってしまって不便だわ」
「そうなんですねえ。どこもかしこも、景気が悪いんですねえ」
お喋りを楽しみつつ、おばあちゃんの世間話から情報収集!
それはそれとして、東欧の景色が楽しい。
古い家なみが流れていく。
と思ったら田園風景になり、遠景に青い山々を眺めながら快速電車は走っていく。
旅情を感じる~!
そしてお弁当のハムを挟んだ硬めのパンがうまーい!
良く分からないジュースもうまい。
「この旅が観光だったら最高なんだけどなあ!」
電車は一路、グラーツへと進んでいくのだった。
それなりに時間が掛かったが東欧に到着だ!
そこから内陸のオーストリアまではゆったり巡航速度。
それでもマッハ1は出てるけどね!
この速さなら……。
「余裕で山を回避できる!」
『さっきまでの速度、動体視力が追いつきませんからねー。なお、こういうのをサーチしたり飛行管理を代行する魔法もあるんですが……あまりにマニアックなので色彩の魔導書がいないと使えません』
「なんとー! そう言えば色彩の魔導書って、多様な一般魔法の専門家だって聞いたような……」
『そうですよー! 精神の魔女戦での魔力感知とかは代表格ですねえ!』
『あの魔力感知は上手かったでやんすねー。そして先代の肉体はコーラル社長を作る土台になったと……。安らかに地獄で眠れ先代』
『ん地獄と言えばあ、うちのフレイヤも煉獄行きだろうなぁ。悪の魔女はろくな死に方しないからなぁ。ベッドの上で死ねたヤツ今までいないぞぉ!』
『ほんとですねぇ。みんな最後は悲惨な死を迎えると分かってるのに、なーぜか短絡的に悪の魔女になるんですよねえ』
魔導書たちがカバンの中でワイワイ言ってる。
歴代様々な持ち主を経てきた連中だからね。
彼らが見てきた魔女は、いい魔女なら人間として死んで、悪い魔女なら退治されるか裏切られて殺されるかするらしい。
悪い魔女は全員、魔女としての姿をメインにして人間に戻らなくなるから、寿命で死ぬことは無くなるんだそうで。
『でも人間としての感性が摩耗していくので、だんだんおかしくなって、人間性が完全に無くなると化け物になりますねー。そうなると魔導書を扱えなくなるので、パワーダウンして化け物として退治されるわけです。因果ですねー! そこが魔女の寿命ですねー!』
「ひえー! ダークな話!! スパイスは人間としてベッドの上で寿命を迎えるぞー」
『主様は平気じゃないですかねー』
そうこう言っていたらオーストリア国境を越えた。
フロッピーがそれを教えてくれたのだ。
では……。
オーストリアとの国境線にある町、セントゴットハールドに降り立ったぞ!
ブダペストから来る特急がここを経由して、グラーツまで向かうわけ。
ここからは優雅な電車の旅だぞー。
……とは言っても、ここまで来ると幼女が一人で旅をしていると心配されて、電車に乗せてもらえない。
程よいところでショウゴに戻るのだ。
『主様! 私にいい考えがあります!』
「ほう、なんだねフロータくん! 言ってみたまえ!」
『スパイスを成長させたくらいのレディにメタモルフォーゼするのです!!』
「えっ、そんな事ができるの!?」
『できまぁす!! というか主様がスパイスに変身してるんですから、望めば大人ボディにだってなれますよ。ごく自然に幼女になってただけですからねー』
「そうだったのかー。よっしゃー! じゃあ変身だ!」
街角に降り立ったエプロンドレスの幼女が、宙に浮かんだ本とぺちゃくちゃ会話している光景。
おじさんが通り過ぎて、また戻ってきて、口をポカーンと開けて見つめている。
「メタモルフォーゼ! 大人のスパイス! あ、服装は無難な感じで!」
スパイスは光に包まれ……。
アラサーくらいのお姉さんに変身したのだった。
鏡で確認。
おほー、清楚系美人!
黒いコートを身に着けていて、あんまりボンキュッボンではないね。
スラッと背が高いのは、元のショウゴを引き継いでる感じだね。
スパイスが成長するとこうなるのかあ。
見ていたおじさんが驚きすぎて腰を抜かしている。
『魔法の使用は制限されますから、都度ごとに大人フォームを解いて下さいね!』
「おっけー。なんだ、頭の中はスパイスのまんまだ」
『スパイスな主様がガワを被ってるだけですからねえ』
ということで。
あらかじめ準備してきたパスポートやクレジットカードで、特急券を購入!
特急はちょっと遅れてるようだ。
東欧の電車はまあまあ正確らしく、日本のちょい遅れくらいが常態だとか?
スパイスである私は翻訳魔法なるものをメンタリスに使ってもらい、周囲の会話に耳をそばだてる。
「次の電車は6分遅れだってさ」
「ほな定刻通りかあ」
6分遅れは定刻通り!!
なお、外国から来た人を連れたおじさんが、「我が国の電車は正確だからね。なんと65%は定刻通り来るんだ」と自慢していた。
三割は遅刻するの!?
かっちりしてるようでゆったりした国だ……。
こうしてスパイスは電車、レギオナルエクスプレスに乗り込み、セントゴットハールドからグラーツへ向かう。
東欧の車窓から!
風情ある町並みが流れていくねえ……。
隣に据わったおばあちゃんが、私に話しかけてきた。
「あなた、中国から来たの?」
「日本なんですよ」
「日本! それはまあ、遠くからよく来たわねえ。オーストリア観光? いいわね。私達の国はとても歴史が深いから、見どころもたくさんよ。グラーツに滞在するのかしら。観光名所を教えてあげるわね」
お喋りで親切なおばあちゃんだった。
いやあ、スパイスの大人姿は、見る人に安心感を与えるっぽいなあ。
ちなみに、乗り込んだ電車は特急だと思ったら快速だった。
「昔は東行きなら一日八本とか走っていたのよ。五本に減ってしまって不便だわ」
「そうなんですねえ。どこもかしこも、景気が悪いんですねえ」
お喋りを楽しみつつ、おばあちゃんの世間話から情報収集!
それはそれとして、東欧の景色が楽しい。
古い家なみが流れていく。
と思ったら田園風景になり、遠景に青い山々を眺めながら快速電車は走っていく。
旅情を感じる~!
そしてお弁当のハムを挟んだ硬めのパンがうまーい!
良く分からないジュースもうまい。
「この旅が観光だったら最高なんだけどなあ!」
電車は一路、グラーツへと進んでいくのだった。
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