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リトルウィッチ・デュオ編
第199話 作戦会議はディナー中に
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ディナーはカジュアルな感じで、軽めのコース料理にしたんだけど、フランスのとは違ってでき次第どんどん運んでくる。
ははあ、これはビールが進みそうな……。
一品目はブレットルヤウゼ。
つまり……おつまみ盛り合わせ!
ベーコンとかカットされたゆで卵とか、ピクルスにチーズとかが乗っている。
これを、私はビールで!
かーっ、オーストリアのビール美味い!!
なお、アメリカンなウィンディは21歳まで飲酒ができないので、ジンジャーエール的なものを飲んでいる。
「スパイス、お酒を飲むと時々おじさんが出ますねー」
翻訳魔法があるので、頑張って日本語で会話してもらわなくてもいいよと伝えたのだ。
今のウィンディは英語で会話中なので、言葉がスムーズに出てきてる。
「きちんとしたレストランで出てるだけあって、おつまみでも美味しいですねこれ。わたし好きかも。パンに挟んで食べたーい」
「私はお米に乗せて食べたいかも……」
お国柄の違いが出たところで、次のメニュー。
酸っぱくてマスタードの効いたポテサラ、カルトッフェルサラートだ!
ポテサラはどう作っても美味いのだ。
前菜だと言うのに大いに満足するスパイスとウィンディ。
そこに、メインディッシュである豚肉塊のオーブン焼き……シュヴァイネ・ブラーテンが出てきた!
うおお、表面がカリカリに焼かれてる!
付け合せは地元の野菜。
ししとうみたいなのと、別皿にじゃがいも団子とザワークラフトが!
いやー、海外の料理を食べてるって感じがするなあ。
美味い美味い。
炭水化物担当はじゃがいもだなこりゃ。
「デリシャース! こんな豪華な料理が食べられるなんて! 魔女退治に来て良かったー!」
ニコニコのウィンディ。
だがセリフがセリフだぞ!
周りが一斉に振り返ったじゃないか。
まあ、でも旅の恥はかき捨てというしね。
「配信者かな?」「エクソシストかも」「誰も魔女に勝ててないからな」「でも、彼らが戦うおかげで魔女は表まで出てこれない」「観光客も気付かない程度の被害で済んでるし」
情報が集まってくるね……!
どうやら、街の人々としては魔女退治に来る人は歓迎する方針のようだった。
「住民の協力は得られるかも知れないね」
「そうですねえ……。うっかりしちゃいましたけど、結果オーライです!」
「ウィンディはもうちょっと慎重になったほうがいいねえ!」
シュヴァイネ・ブラーテンを食べきって、お腹もいっぱいだ。
デザートのアップルシュトゥーデル……オーストリア風アップルパイを食べつつ、作戦会議に移った。
「わたしたちの言葉には、スノーホワイトが雑音を流して聞き取れないようにしていますよ。これからどうやって行きます?」
「そうだねえ。闇雲に探してもダンジョンにはどんどん行き当たりそうだけど……。スパイスが思うに、せっかく他の配信者やエクソシストも乗り込んでいるっていう話だから情報交換をしていくべきじゃないかな」
「オー! さすが大人の意見! わたしだったら突撃してましたねー。ぶつかってみなきゃ分かんない! みたいな主義なんで」
「今までよくぞ無事に生きてこれたねえ……」
「ダディとマミーにはよく叱られてます」
「やはり」
ではこの突撃主義はどこで育まれたのだろうか……?
だからこそ、日本にいきなりやって来てスパイスと交流し、今回のリトルウィッチ・デュオ結成となったわけだけど。
「今回はシャレにならないので、スパイスと同時行動をしよう。いいね?」
「ハーイ! こういうシチュエーションで逆らって勝手に行動して地獄に落ちてる先輩とか見てるんで」
「実感がこもった言葉!?」
「目覚めて卒業した先輩方がはしごを外されて……」
「あーあー、社会運動……」
そっちで学べてるんならよし!
ということで、ウィンディの独断専行は禁止ということにした。
ここはスノーホワイトとも話をつけておく。
『まっ、うちのウィンディなら平気だと思うけど? 万一にも今の可愛いマスターが怪我でもしちゃったら大変だものね。先代みたいな話のわからないやつは困るし? 先々代みたいに私をずっとしまっておくタイプのマスターも欲求不満になるし。ウィンディが歴代で最高ね! こんな可愛いマスター今までいなかったもの!』
「えーと、つまり?」
『私は賛成ってことよ、スパイス!』
良かった。
保護者からの賛同を得られた。
当のウィンディは、アップルパイをもりもり食べている。
さすがアメリカ女子、健啖。
こうして今後の計画を立て、スパイスたちは部屋に戻ったのだった。
室内では、フロッピーを囲んで魔導書たちが情報収集をしている。
つまり、スマホでインターネットしてるってことね。
『主様おかえりなさーい!』
「ただいまー。何か分かった?」
『グラーツ攻略は、配信者にとってはポピュラーなテーマになってるみたいですねー。とは言え、東欧近辺の配信者は少ないからあまり配信の数自体多くはないですけどね!』
『ん日本がぁ、異常なんだぁ!』
『人口も多い方でやんすからねー。海を挟んだお隣の大国は、国が配信者に口出ししてやらかし、それで押し切られたとあっしは睨んでるんでやんすよねえ』
「そうねえ。国に邪魔されるくらいなら、数が少ないほうがまだマシだもんねえ」
『この国というか、東欧全体で風の大魔将の件を教訓として、冒険配信者は支援こそすれど制限はしない方向でまとまっているみたいです。だから道行く方々も協力してくださるんじゃないですかね?』
最後のマリンナの情報はありがたかった!
世界の危機を乗り越える上では、冒険配信者という劇薬は必要だもんねえ。
では明日から本格的な攻略を開始します!
ははあ、これはビールが進みそうな……。
一品目はブレットルヤウゼ。
つまり……おつまみ盛り合わせ!
ベーコンとかカットされたゆで卵とか、ピクルスにチーズとかが乗っている。
これを、私はビールで!
かーっ、オーストリアのビール美味い!!
なお、アメリカンなウィンディは21歳まで飲酒ができないので、ジンジャーエール的なものを飲んでいる。
「スパイス、お酒を飲むと時々おじさんが出ますねー」
翻訳魔法があるので、頑張って日本語で会話してもらわなくてもいいよと伝えたのだ。
今のウィンディは英語で会話中なので、言葉がスムーズに出てきてる。
「きちんとしたレストランで出てるだけあって、おつまみでも美味しいですねこれ。わたし好きかも。パンに挟んで食べたーい」
「私はお米に乗せて食べたいかも……」
お国柄の違いが出たところで、次のメニュー。
酸っぱくてマスタードの効いたポテサラ、カルトッフェルサラートだ!
ポテサラはどう作っても美味いのだ。
前菜だと言うのに大いに満足するスパイスとウィンディ。
そこに、メインディッシュである豚肉塊のオーブン焼き……シュヴァイネ・ブラーテンが出てきた!
うおお、表面がカリカリに焼かれてる!
付け合せは地元の野菜。
ししとうみたいなのと、別皿にじゃがいも団子とザワークラフトが!
いやー、海外の料理を食べてるって感じがするなあ。
美味い美味い。
炭水化物担当はじゃがいもだなこりゃ。
「デリシャース! こんな豪華な料理が食べられるなんて! 魔女退治に来て良かったー!」
ニコニコのウィンディ。
だがセリフがセリフだぞ!
周りが一斉に振り返ったじゃないか。
まあ、でも旅の恥はかき捨てというしね。
「配信者かな?」「エクソシストかも」「誰も魔女に勝ててないからな」「でも、彼らが戦うおかげで魔女は表まで出てこれない」「観光客も気付かない程度の被害で済んでるし」
情報が集まってくるね……!
どうやら、街の人々としては魔女退治に来る人は歓迎する方針のようだった。
「住民の協力は得られるかも知れないね」
「そうですねえ……。うっかりしちゃいましたけど、結果オーライです!」
「ウィンディはもうちょっと慎重になったほうがいいねえ!」
シュヴァイネ・ブラーテンを食べきって、お腹もいっぱいだ。
デザートのアップルシュトゥーデル……オーストリア風アップルパイを食べつつ、作戦会議に移った。
「わたしたちの言葉には、スノーホワイトが雑音を流して聞き取れないようにしていますよ。これからどうやって行きます?」
「そうだねえ。闇雲に探してもダンジョンにはどんどん行き当たりそうだけど……。スパイスが思うに、せっかく他の配信者やエクソシストも乗り込んでいるっていう話だから情報交換をしていくべきじゃないかな」
「オー! さすが大人の意見! わたしだったら突撃してましたねー。ぶつかってみなきゃ分かんない! みたいな主義なんで」
「今までよくぞ無事に生きてこれたねえ……」
「ダディとマミーにはよく叱られてます」
「やはり」
ではこの突撃主義はどこで育まれたのだろうか……?
だからこそ、日本にいきなりやって来てスパイスと交流し、今回のリトルウィッチ・デュオ結成となったわけだけど。
「今回はシャレにならないので、スパイスと同時行動をしよう。いいね?」
「ハーイ! こういうシチュエーションで逆らって勝手に行動して地獄に落ちてる先輩とか見てるんで」
「実感がこもった言葉!?」
「目覚めて卒業した先輩方がはしごを外されて……」
「あーあー、社会運動……」
そっちで学べてるんならよし!
ということで、ウィンディの独断専行は禁止ということにした。
ここはスノーホワイトとも話をつけておく。
『まっ、うちのウィンディなら平気だと思うけど? 万一にも今の可愛いマスターが怪我でもしちゃったら大変だものね。先代みたいな話のわからないやつは困るし? 先々代みたいに私をずっとしまっておくタイプのマスターも欲求不満になるし。ウィンディが歴代で最高ね! こんな可愛いマスター今までいなかったもの!』
「えーと、つまり?」
『私は賛成ってことよ、スパイス!』
良かった。
保護者からの賛同を得られた。
当のウィンディは、アップルパイをもりもり食べている。
さすがアメリカ女子、健啖。
こうして今後の計画を立て、スパイスたちは部屋に戻ったのだった。
室内では、フロッピーを囲んで魔導書たちが情報収集をしている。
つまり、スマホでインターネットしてるってことね。
『主様おかえりなさーい!』
「ただいまー。何か分かった?」
『グラーツ攻略は、配信者にとってはポピュラーなテーマになってるみたいですねー。とは言え、東欧近辺の配信者は少ないからあまり配信の数自体多くはないですけどね!』
『ん日本がぁ、異常なんだぁ!』
『人口も多い方でやんすからねー。海を挟んだお隣の大国は、国が配信者に口出ししてやらかし、それで押し切られたとあっしは睨んでるんでやんすよねえ』
「そうねえ。国に邪魔されるくらいなら、数が少ないほうがまだマシだもんねえ」
『この国というか、東欧全体で風の大魔将の件を教訓として、冒険配信者は支援こそすれど制限はしない方向でまとまっているみたいです。だから道行く方々も協力してくださるんじゃないですかね?』
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世界の危機を乗り越える上では、冒険配信者という劇薬は必要だもんねえ。
では明日から本格的な攻略を開始します!
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