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ポイ活、人生を導く編
第4話 初めて名乗りました! +1000pt
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「そうか……私が食べたキノコが毒キノコだったんですね。しかも本当に危ないやつ……。どなたか知りませんけど、助かりました」
ツノの生えた彼女は立ち上がり、俺に会釈した。
背がたかーい。
ツノ抜きでも180センチはあると思う。
尻尾の太さなんか、俺の太ももよりあるんじゃないか。
そんな色々なところが大きい彼女だが、顔立ちはとても整っている。
グラビアアイドル……!? と思うくらいだ。
それが俺に向かって頭を下げて、笑顔を見せる。
「この感覚、人生初体験! 思えばポイ活に邁進した俺の現実世界での最後は孤独死だった。だが、この世界でポイ活したら人間関係が生まれてしまったぞ! 人生を導いてくれるポイ活だ」
これ、ポイントには換算できないがプライスレスだぞ!
ポイ活って本当にいいものですね。
「私は、人竜族のマキナと申します。あなたのお名前を伺っていいですか?」
「あ、はい」
ここで気づく。
異世界転生をした俺だが、名前は元の世界のものでいいのか?
それとも、新たな名前を作ってそれを名乗るべきなのか?
「ちょっと待って下さい。事情があって名前がですね」
「なるほど。あなたも事情がおありなのですね。ではせめて、呼ぶための仮の名前でも」
納得してくれた!
いい人だ!
俺は早速、チャットボットに相談した。
「名前どうしよう」
『いい質問ですね! えーと、質問が曖昧すぎて何も応えられません。具体的に状況などをお話いただけると嬉しいのですが』
分かんないのに、文頭にいい質問ですねをつけるな。
これは自分でどうにかするしかあるまい。
俺が現実世界でポイ活をしてた時、UGWPAYのイメージキャラクターはポンコツロボットのダミアンくんだった。
ダミアン……ダミアン……。
よし、ミアンにしよう。
「ミアンです。俺の名前はミアン」
「ミアンさんですね。命を助けてくれてありがとうございました!」
マキナが手を差し伸べてきた。
指がまっすぐ伸ばされてるけど、握手かな?
人竜族の風習は、人間にかなり近いのかも知れない。
しかし女子の手を握るなんて初めてではないか?
俺は手を握ろうとして躊躇して、それからまた握ろうとしてためらって、ついに覚悟を決めて……!
彼女の手をギュッと握ってぶんぶん振ると、精一杯作った笑顔を向けた。
「まあっ!」
マキナがびっくりした目をした後、ちょっと頬を赤らめる。
なんだなんだ!?
「チャットボット!」
『みなまで仰らなくていいです。いい質問ですね! 人竜族にとって、異性の手を三度握って大きく振り、笑顔を向けることは求愛の仕草になっています。幾度も力強く接触しながら相手の目を見て笑顔を向けること。相手に警戒しなくていいんだよというメッセージを与えつつ、私はこの状況を大変好ましく思い、あなたを好ましく思いますという意味……』
「う、う、うわー!」
慌てて離れた。
『ウグワーッ! 初めて名乗りました! 実績・我が名を聞け解除! 1000ptゲット!』
「えっ、1000pt!? 名乗っただけで……!?」
マキナに勘違いされたっぽいのと、彼女の手の感触があったかくて柔らかかったのと、名乗っただけで1000pt得たので俺の頭が大混乱だぞ!!
「あの、そのう……。まだ私達は出会ったばかりですし。異郷の地で武器も持たず、私も心細かったのはありますが、まずはお友達から……」
「あっはい! はい! それでいいです! 友達になりましょう!」
『ウグワーッ! 初めての友達を作りました! 実績・最初の一人解除! 500ptゲット!』
何をしても!
ポイントが入ってくる!
それに俺の人生の中で、異性に名乗ってこんなに長く会話して、しかも友達になるなんて初めてではあるまいか。
ポイ活、人生を切り開く!
実績解除したっていうことは、本当に友好関係になったんだろう。
なお、チャットボットによると、人竜族が手を差し出してきた時は、手の平と手のひらを合わせるのが親愛の証になるそうだ。
逆に手の甲と手の甲を合わせると、これから決闘するという宣言になる。
人間と全然文化が違うじゃーん!
「それでその、ミアンさん」
「あっはい」
「会ったばかりでこんな事を言うのは心苦しいのですけれど……。私、貢献ポイントで得られる食事ではとても足りなくて。お腹がずっと減っていて力が出ないんです。何か食べるものを持っていないでしょうか。空腹のあまり、貢献ポイントのキノコだと思って毒キノコを食べてしまったくらいですし」
すがるような目を向けてくるではないか。
「あー、なるほど。ちょっと待って下さいね」
検索システムを使って、ポイントで買える食べ物を探す。
ははーん、食料や水などの消え物は安いんだ。
とりあえず量があるものということで、俺はクワトロ・ワンパウンド・ビーフハンバーガーを選択した。
ポイント、5ptなり。
だが、すぐには食べ物が出現しない。
『ただいま配達員がそちらに向かっています』
「フードデリバリー方式なのか! 異世界までデリバリーするの?」
してくれた。
気がつくと、置き配という形で俺の背後にハンバーガーが入っているケースが置かれている。
置き配は色々不安だから困るなあ!
だが、今は眼の前の腹ペコ女性に、ハンバーガーを食べてもらうのが重要だ。
「じゃあこれをどうぞ」
「おお! いいのですか!? えっ!? 携帯食料ではないのですか? 暖かい……!」
手にしただけで驚くマキナ。
そしてケースを開くと、炭火で焼いた肉と特製ソース、そして程よくとろけたチーズの香りが。
「あああっ! なんて美味しそうなんでしょう! さっそく……はぐっ」
豪快にかぶりついた!
そして彼女は目を丸くすると、「んーっ!!」と声を漏らしながら猛烈な勢いでクワトロビーフハンバーガーを食べきってしまった。
ビーフパティ一枚が1ポンド(450グラム!)あり、それが四枚入ってふんだんに特製ソースとチーズが使われた、一食で成人男性1日分の必要カロリーに到達するメニューなんだけどなあ……!?
「あああ~美味しかった。美味しかったぁ……。こんなに美味しいもの、里を飛び出してから初めてです……。あれはなんという食べ物なのですか?」
「ハンバーガーと言います。満足してくれて良かった」
「美味しい食べ物を調達できる甲斐性、毒にやられた私を助け出す知識と技術……。ふむむむ」
なんだかマキナから熱視線を感じる……。
「いえ、まだ判断は早いですね。ですけれど人間の世界で、これほど頼れる方と友誼を結べたのは幸いでした。さあミアンさん! 二人で貢献ポイントを貯めましょう! 私、あなたがいれば何があっても安心だという気持ちがしてきました!」
「ええっ!? 本当~!?」
俺が!
人に頼られる!?
初体験~!!
『ウグワーッ! 初めて責任感を自覚しました! 実績・俺が引っ張っていく解除! 500pt獲得!』
◎現在のポイント:4005pt
貢献ポイント :0pt (指定の場所に納品しなければポイントになりません!)
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「名前どうしよう」
『いい質問ですね! えーと、質問が曖昧すぎて何も応えられません。具体的に状況などをお話いただけると嬉しいのですが』
分かんないのに、文頭にいい質問ですねをつけるな。
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ダミアン……ダミアン……。
よし、ミアンにしよう。
「ミアンです。俺の名前はミアン」
「ミアンさんですね。命を助けてくれてありがとうございました!」
マキナが手を差し伸べてきた。
指がまっすぐ伸ばされてるけど、握手かな?
人竜族の風習は、人間にかなり近いのかも知れない。
しかし女子の手を握るなんて初めてではないか?
俺は手を握ろうとして躊躇して、それからまた握ろうとしてためらって、ついに覚悟を決めて……!
彼女の手をギュッと握ってぶんぶん振ると、精一杯作った笑顔を向けた。
「まあっ!」
マキナがびっくりした目をした後、ちょっと頬を赤らめる。
なんだなんだ!?
「チャットボット!」
『みなまで仰らなくていいです。いい質問ですね! 人竜族にとって、異性の手を三度握って大きく振り、笑顔を向けることは求愛の仕草になっています。幾度も力強く接触しながら相手の目を見て笑顔を向けること。相手に警戒しなくていいんだよというメッセージを与えつつ、私はこの状況を大変好ましく思い、あなたを好ましく思いますという意味……』
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