異世界で始めるポイ活冒険生活 ~実績解除で人生ボーナス中!~

あけちともあき

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ポイ活、人生を導く編

第5話 納品しました! +200pt

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「採集品の納品お疲れ様。どれどれ……うおっ、こりゃすごい!!」

 薬草やキノコの納品場所は、難民申請をした建物の別の入口にあった。
 そこで検品の人がチェックをしてくれるのだが、彼は目を丸くしている。

「コンスイタケやシビレソウが一つも入ってない……。あんなにそっくりなのに、的確に薬草と食用キノコだけが採取されてる! あんた、この分野に詳しいな?」

 俺を見てきたので、「ええ、まあ、多少……」と言葉を濁した。
 ありがとう、探索アプリ!
 ポイント払った甲斐があった!

 薬草は一つで5pt、キノコは一つで7ptということで……。
 思ったよりも貢献ポイントが多い。
 というのも、コンスイタケやシビレソウで行動不能になり、森の中の獣に食べられてしまうケースが毎年かなりいるのだそうだ。

 見分けにくい上に危険なので、移民希望者を用いた採取を行っているわけだ。
 ひい、なんて非人道的な!

「薬草もキノコも、壁の中では需要の高い生活必需品だからな。移民希望が多い今、こうやって手に入りやすくなることでみんな助かってるんだ」

 移民希望者の命は助かってないと思いまあす!
 だが俺、下手なことは口にしない。

「あんた凄腕だな……。これで総合計、316ポイントだ! 一度にこれだけの貢献ポイントを集めたやつ、他には知らないぞ」

「あ、あの、そ、それなんですが」

 俺は後ろに立っていたマキナを指差す。

「彼女と俺といっしょに集めたので、貢献ポイントは半分ずつで」

「ええっ!?」

 驚いたのはマキナだ。
 彼女は途中で採取していたものを失い、今は手ぶら。
 俺の後ろについてきてくれたのは、分からないことや怖いことがあったら手伝ったり守ったりしてくれるつもりだったらしい。

「い、いけませんミアン! そんな施しを受けるいわれは私には……」

「友達でしょう。俺一人で街に入っても心細いので、ここは助け合いましょう! 俺を助けると思って……なにとぞ、なにとぞ」

「な、なるほど……。ミアンは私が一緒に街に入れれば助かるのですね。でしたら、まあ……」

 もごもご言ってる。
 これを見たチェックの人が「ははーん」と言った。

「人竜族の人、二人一緒がいいなら女性用宿舎から夫婦用宿舎に移れるよ」

「えっ!? な、なんでそんな話になっているのですか!? わ、私とミアンは友達というだけで……」

「そうですそうです」

 なんだか話の流れが妙な方向に行っているので、慌てて頷く俺なのだった。
 だが!
 余計な気を利かせた担当者は、俺とマキナの宿舎を一緒にしてしまった!
 な、なんてことだー!

「貢献ポイント集めは過酷だからな。ここで種族を超えた愛が芽生えることは珍しくないんだ。見事壁の中に入れたら、似たようなカップルが何組もいるぜ。お二人さんが無事に移民認定されることを祈ってるからな」

 いい人ではあるんだよなあ。

『ウグワーッ! 納品を完了しました! 実績・初めてのお使い解除! 200pt獲得!』

『貢献ポイントの10%、端数切り捨てをUGWポイントに加算します。31ptを獲得しました』

「うおおおおおお!! 貢献ポイントのオマケ来たあ! 連動しててよかったポイントシステム!」

 ここでポイント加算されて、俺はホクホク。
 マキナが不思議そうな顔をした。

「今、ツノが振動して不思議な声が聞こえたのですけれど。もしやミアン、あなたは何者かから啓示を受けて行動しているのですか?」

「あっ、ポイントプログラムのメッセージがツノで受信できちゃうんだ? ま、まあそんな感じ。おおむねそう。部分的にそう」

 これ、やっぱり俺はマキナと一緒に行動するのが正しいんじゃないだろうか。
 ポイントプログラムにも理解を示してくれそうだ。
 一人で異世界って、やっぱりハードルが高いと思うんだよね。

 それに、今回の採集では危険に出会わなかったが、実際は森の中を徘徊する肉食獣もいるらしい。
 武器なんかはポイントでどうにかなりそうだが、俺には戦闘経験が皆無なのだ!
 強そうなマキナと行動できたほうが、生存確率が上がる。

 食事の席で、人竜族について聞いてみることにした。

「人竜族についてですか? 私達は、世界の外からやってきたという星渡りの竜をルーツとする一族です。人と竜が交わり、私達が生まれました。人間を超えた力と、人によっては空を飛んだり水中を自在に泳ぎ回ったりできるのですが、私にはできません」

「そうかー。ま、まあ、人には得意不得意もあるからね。あ、これポイントで取り寄せたさっきのハンバーガー。普通の食事だと足りないんでしょ。食べてください」

「ええーっ!? そ、そ、そこまで私に施してくれるなんて……! や、やっぱりあの時の求愛は本当だったのでは……? そこまで私に本気で……。異種族からの求愛は初めてですが、これほど熱烈なものなのですね……」

 なんかもごもご言ってる。

『ウグワーッ! 友達からの好感度が上がりました! 実績・友達以上恋人未満解除! 1000pt獲得!』

 あっバカ、ポイントプログラム!
 お前、マキナに聞こえるんだから!!
 案の定、ハンバーガーを食べていた彼女の顔が赤くなる。

「ちっ、ちっ、違いますーっ! まだそこまで許していませんからねーっ!!」

「ごめんなさいごめんなさい! このポイントプログラムのやつが言うことを聞かなくて!」

『何か問題が発生しましたか? チャットボットがお手伝いしますよ』

 原因はお前や。
 多分、ポイントプログラムとチャットボットは同じものだよな。
 頼むぞ、空気を読んでくれ……!

 こうして食事を終え、貢献ポイントを使うことでなんと水浴びもできるということで……。

「ええーっ!? 水浴びもするのですか!? もったいなくて三日に一度にしていたのですが」

「労働して汗もかきましたし、一緒にスッキリしましょう! あ、ここのポイントはなんなら奢ります……」

「そこまでしてもらうわけにはー! 私、ミアンからたくさん頂いたのに!」

 慌てて女子の水浴び場に向かうマキナなのだった。
 うーん、とても可愛い気がする……。
 ポイ活はポイントばかりではなく、俺に様々なものを与えてくれているなあ。

 出会いとか、この胸のドキドキとか、納品所で人に褒められる経験とか。
 ポイ活、人生を開く!!

 俺は鼻息も荒く水を浴びるのだった。

『ウグワーッ! 体を綺麗にしました! デイリー実績・清潔は大事解除! 50pt獲得!』

 デイリー実績なんてものもあるのか!!
 こりゃ、何をしてもポイントになるぞ!

 こっちの意味でも興奮し、俺は大いに気分を良くしながら水浴びを終えた。
 ちょっと待っていると、さっぱりしたマキナが出てきた。
 髪の毛を布でまとめているのは、水気を吸い取らせてるんだろう。

 あれも貢献ポイントで買ったと思うから、大奮発したね。

「で、では行きましょうかミアン」

「あ、うん。どこに?」

「わ、私達の宿泊所です!」

 彼女は早足で俺を抜くと、パタパタ歩いていく。
 太い尻尾が上がり気味になっていて、ぶんぶん振られているではないか。

「どういう感情の発露なんだろう」

『とてもいい質問ですね! あれは人竜族にとって、高揚や照れを意味する感情のあらわれです! 緊張もあるので、尻尾が上がりきっていませんね。尻尾を立てろ、は人竜族にとっての戦闘の合図でもあります』

 おっ、的確なフォローだチャットボット!
 さてさて、勝手に割り振られた、俺とマキナの宿泊所とは……。

 な、なんと!
 馬小屋を改造したやつだった!

 布団の代わりにわらが敷き詰められ、一応壁はあって扉もあるものの、鍵なんてものは存在しない。
 ここで起きる事件もろもろに、国は関与しない姿勢なのがもろわかり!

「一応鍵を取り付けておこうな……」

 ポイントでお買い物をし、南京錠を設置する俺なのだった。
 作業を終えて振り返ると……。

 服を脱いで横になったマキナがいる。
 服を!?
 脱いで!?

『心拍数が大きく上がっています。体調は大丈夫でしょうか?』

「なんでマキナが服を脱いで、俺が寝られるスペースを胸元の辺りに用意してじっとこっちを見て待機してるんだ?」

『人竜族は眠る時、裸になります。そして彼女があなたを待っているのは、みなまで言わせないで下さい。物事には情報など得ず、体当たりで突っ込むべき時が存在するのです。ファイトーッ』

 おいこらチャットボットー!!

「ミアン。今日は本当にお世話になりました。私からお返しできることは何もありませんので……せめて、私の体温で暖かく眠ってもらおうかと思いまして。地竜種である私の体温は、常に一定を保っています。安眠をお約束しますよ」

「あ、あ、ありがとう!」

 別の意味で眠れなくなりそうなんだが!?


◎現在のポイント:5236pt
 貢献ポイント :156ポイント

 
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