おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第14話 大蟻地獄の迷宮

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 なるほど、その名の通り蟻地獄の巣に見える入り口である。
 すり鉢状の巨大な穴が森の中にあって、そこを螺旋階段のように下っていく。

 なんとうちの馬車が通れるくらいのスペースがあるのだから、蟻地獄の大きさも知れるというものだ。

『かつては本当に巨大な蟻地獄が住んでいたらしいですな。だがそいつも長い時を経て成長し、龍になって巣立っていったそうですぞ』

「ははあ、つまりそのバカでかい龍の住処の残りが迷宮になったのか。この世界にはとんでもない化け物がいるなあ」

『はっはっは、タマル様はあまり他人のことを言えた義理では無いと思いますがな!』

「なんだとう」

「ねえねえ! この下ってくの面白いねえ! 穴の中潜るなんて初めてだなあ!」

 俺とラムザーでそんな話をする横で、ポタルがきゃっきゃとはしゃぐ。
 結局俺たちは、新しい場所に向かうので、緊張半分、うかれ半分なのだ。

「ああ、そうそう。迷宮って暗いイメージがあるじゃない」

『暗いでしょうな』

「魔人商店で買ってきた。じゃーん。スポットライト」

『うわっ、眩しっ!? いきなり目の前に太陽が出現したかと思いましたぞ!』

 ということで、馬車からスポットライトをガンガンに照らしながら、迷宮に突入していくのだった。

『ギエーッ!』
『ギャーッ!』

 闇の中に潜んでいた怪物たちが、スポットライトでババーンと照らされて、悲鳴を上げながら逃げたり、のたうち回ったりしている。
 攻撃を仕掛けてくる者もいるが、とにかく眩しくて何も見えないとか、目が退化しててもからだが光の刺激でまともに動かなかったりとかするので、避けるのは容易である。

「新種いっぱいじゃん! ちょっと捕まえてくる」

『いってらっしゃい。そういえば、博物館とやらは完成したんですか?』

「あっ、忘れてた……。休めるところまで進んだら、ちょっと博物館覗いてくるよ。一緒に来る?」

「行く!」

 ポタルがくっついてきた。
 好奇心旺盛なハーピーである。

 ラムザーも面白いことは大好きなので、来る気満々だった。
 これは、安全に休める場所を確保しなくてはいけないな。

 こうして、岩に擬態していた巨大なカエルとか『ギャポーッ!!』「そいっ」ピョインッ! よし、アイコンになったな。
 地面にへばりついていた、謎の有毒ガスを撒き散らすオオトカゲとか『ギエーッ!!』「そいっ!」ピョインッ!

 次々に虫取り網でゲットしていく俺なのである。

『虫取り網捌きが堂に入ってきましたな。見ていて背筋が寒くなります』

 背筋が寒くなる虫取りって凄いな!
 ガンガンゲットしてはいるが。
 アイテムボックスを拡張したお陰で、たくさん捕まえてもまだまだ余裕がある。

「ねえタマル! 面白そう! 私にもやらせて!」

「ポタルも興味が出てきたか。よし、じゃあ新しく虫取り網を作ろう」

 そういうことになった。
 それっぽい素材が無いかな……無いかな……。

 あっ、巨大なカエルの卵がある。
 これを回収してみよう。

『アースフロッグの卵をゲットした!』
『新しいレシピが生まれた!』

「どれどれ……?」

▶DIYレシピ
 ※卵ボール
 素材:アースフロッグの卵

「全然違うものが誕生した。しゃあないからその辺に散らばっている、迷宮踏破に失敗した犠牲者の骨を使おう」

「えー、私もタマルみたいなかっこいい虫取り網がいい」

「今は骨の虫網で我慢してね……!」

 ポタル用の虫取り網を作ってあげたのである。

 ついでに、卵ボールをたくさん作った。
 これはボールのくせに投げて遊んだりできず、地面に設置すると、そこに張り付いたように動かなくなる。
 上から叩くと、ぼいんぼいん音を立てて猛烈に弾む。

『はっはっは、こりゃあ面白いですなあ!』

 馬車の中にいるラムザーがご機嫌でボールを叩いている。
 ヘルズテーブル、娯楽がなさそうだもんな!

「私も虫を捕るよー! ほりゃあー!」

 ポタル、宣言通り、虫をピョインッキャッチした。
 だが、大きなカエルを捕まえようとして、網が頭にコツンと当たったのである。

「あれ? 網に入らない!」

「危ない危ない」

 カーッと口を開けて襲いかかろうとしていたカエル……アースフロッグを、俺が急いでゲットした。

「どうやらサイズを無視して捕まえられるのは俺だけらしい」

「ええー! ずーるーいー!」

「確かにずるいが、その代わり俺は空を飛んだりできないし、もふもふの羽毛もない……」

「あっ、つまり私はタマルにできないことができるのね!」

「そういうことだよ!」

「そっかー、じゃあ仕方ないなあー」

 ポタルの機嫌が直った。
 良かった良かった。

 さて、こうして迷宮を突き進むのだが、とにかく通路を余すこと無く照らし出す、スポットライトの威力がでかい。
 あらゆる怪物がスポットライトで怯む。
 これは俺の名采配だったな……。

『大蟻地獄の迷宮と言えば、帰らずの恐るべき迷宮の一つとして有名でしたが、タマル様に掛かれば形(かた)なしですなあ。というかこの光り輝くライトとやらが本当にすごい』

 ラムザーが感心しながら、ライトをポンポン叩いた。
 あ、叩いたらいかん、そこにはスイッチが。

 プツン、とライトが消えた。
 闇に包まれる。

「うおわー!」

「ぎゃーっ!!」

 真っ暗で慌てる俺に、ポタルが凄い悲鳴を上げながらしがみついてきた。
 羽毛でふわふわである。

「ラムザースイッチ! スイッチ!!」

『ぬおお申し訳なしーっ!!』

 ライトをぺしぺし叩く音がする。
 そして、カッとスポットライトが灯った。

 すると、俺とポタルを囲むように迷宮の怪物たちが迫っているところだったではないか。
 危ねええええ!!

 ライトに照らされ、怪物たちは『ギャピー!!』とか叫びながら逃げ去っていった。

「ラムザー、頼むよ……!」

『はっ、ぺたぺた触らないようにしますぞ』

▶DIYレシピ
 ※卵ボール

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