おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第16話 謎の石碑とメールボックス

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「地の底にあるのかあ。一体何があると言うんだ」

『ヘルズテーブルは忌み名なり。真なる名を秘したるは簒奪者たる我が兄弟の~』

「長い!!」

『タマル様! 癇癪を起こして石碑を倒すのはやめるのですぞ! あー、割れちゃった』

「せっかく地の底に来たのに、こんなジメジメした暗いところで長々とした堅苦しい文章を読んでられるか! 三行くらいにまとめて欲しい」

「分かるー。私も一行より多い文章読めないもん」

『ハーピーが文字読める時点でびっくりですな。読めなかったのでは?』

「うちの姉たちがね、読めたほうが男を引っ掛けられるから勉強しなって」

「話だけ聞いているといい姉のように聞こえてしまう」

 俺の言葉に、ラムザーも神妙な顔で頷いた。
 さて、ここでちょっと休憩しつつ、石碑を読み解いて三行にまとめておいた。

・ヘルズテーブルは偽の名前で本当の名前は失われた。
・世界を作った神様は兄弟の神様に裏切られて殺されて、死に際の最後っ屁で世界中に迷宮を作った。
・迷宮の底に色々世界の秘密を残した。だけどこの迷宮は他の神々の尖兵たる魔人侯は入れないぞざまあみろ。

 こういうことらしい。

「俺が迷宮に潜っているのですが」

『タマル様はなんちゃって魔人侯ではないですかな』

「そうだった」

『しかしタマル様のまとめは分かりやすいですなあ! なるほど、この世界はこんなことになっておったのですな』

「ラムザーは魔人なのに知らなかったのか」

『我々魔人は魔人侯によって作り出された存在だったりしますからな。余計な知識は与えられておりません。こうしてみると、魔人侯は我々に最低限の知識しか与えていなかったのですな。まさか魔人侯すら尖兵だったとは』

 そういうことらしい。
 つまり魔人侯を倒すと、その種の魔人はもう増えることがなくなるのだそうだ。

 自然な生物ではない。

「ねえねえ! いつまでのんびりしてるの? 私、できれば早く迷宮を出たいんだけど! だから先を急ご?」

 ポタルの言うことももっともだ。
 俺たちは先を急ぐことにした。

 スポットライトでガンガンに先を照らしながら降りていく。
 強烈無比な光量に、集まってきた迷宮の怪物たちも『ギエーッ』とか『ウギャーッ』とか叫んで逃げていく。
 彼らが耐えるには、松明くらいまでの明かりが限界なのかも知れない。

 こうして、邪魔などされずにどんどん下っていく。
 せっかくなので、音楽などかけたりもしつつ……。

「ねえタマル! いっつもおんなじ音楽ね。別の音楽聞けないの?」

「あー、音楽テープ買ってくるかしないと……ってそう言えば。音楽とか衣装とか色々、魔人侯をやっつけたら手に入るんじゃなかったっけ?」

 俺は思い出した。
 流血男爵を捕まえて手に入ったのは、大剣だけではないか。
 それも五右衛門風呂になったので無駄ではなかったが。

『おや!? タマル様、ゴッドモジュールが光っていますぞ! 何か言っております』

「なんだなんだ」

 モジュールの画面を覗いてみると、そこには新しいアイコンが生まれていた。

「メールボックス……? 何かメールが届いてる」

 お手紙アイコンにタッチすると、それが展開した。
 切り替わった画面の中に、メールが三つある。

『ウグワーッ! メールボックスを開放しました! 200ptゲットです!』
『ウグワーッ! 初めてのメールをもらいました! 200ptゲットです!』

 UGWポイントも、新機能開放を祝ってくれているではないか。
 届いたメールの一通目は……。

『おめでとうございますだなもし! 魔人侯を倒した記念のプレゼントは、このメールボックスなんだなもし。ようやく開発が終了したので実装したんだなもし。最初のプレゼントとして、魔人侯討伐の報酬を送るんだなもし』

「この口調……。ヌキチータが自分で開発したのか。神様なのに……」

 自分の足で頑張る神様である。
 嫌いじゃない。

 送られてきていたメールを開くと、どちらも魔人侯討伐の報酬だった。

『流血男爵討伐! 記念としてこちらの商品をお送りしまぁす! プレゼントを開いてね!』

 どちらの文面も、魔人商店の双子のものらしい。
 添付データがあり、それを開くと俺の目の前に実体化した。

「うおお! 真っ赤なトレンチコートだ! かっこいいー!!」

『血のトレンチコートをゲット!』

『ウグワーッ! 新衣装をゲットしました! 200ptゲットです!』

「そして新しい音楽のカセットテープだ! なになに? ドクトルサンバ? 歌手、演奏はドクトル太郎? あ、もしかして」

 ラジカセに入っていた環境音楽のテープを抜き出す。
 そこにも、演奏者ドクトル太郎とある。
 何者なんだ、ドクトル太郎。

 だが、サンバとは景気がいい。
 ラジカセにセットして大音量で聞いてやろう。

 俺が音楽をセットしていたら、骨次郎が慌てて馬車の中に入ってきた。

『カタカタカタ! カタカタ!』

『タマル様! 外に光をめがけて巨大な怪物が迫っているそうですぞ! 危険ですぞー!』

「きゃー、おっきい! タマルどうしようー!!」

「落ち着くんだ!! 新しい音楽を掛けてから判断する……!!」

 俺は鋼の心で、カセットテープをセット。
 再生スイッチを押した。
 すると、大音量で流れ出すのは陽気なサンバ。

 笛とか打楽器とかが鳴り響き、オーレオーレとドクトル太郎の歌声が響き始める。

「あっ! 怪物がすごく怯んだ!」

『我もめちゃくちゃびっくりしましたぞ。この音楽いきなり流されるの心臓に悪い』

「そお? 私は好きだよ? オーレー、オーレー!」

 さっそくポタルが真似をして、馬車の中で踊り始めた。
 さすがは歌を愛する種族ハーピーだ!

「では俺も踊ろう……。オレーオレー!!」

『こ、これは我も踊らねばならない雰囲気ですかな……?』

「魔人侯として俺が命じる。ラムザー、踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損だぞ……!!」

『ハッ! な、なんという含蓄の深い言葉……! 分かりましたぞ。不肖ラムザー、踊らせていただきますぞ!』

 ということで、サンバのリズムに合わせて踊りながら、馬車は迷宮の奥底へと向かっていくのである。

▶UGWポイント
 4340pt

 獲得アイテム
 血のトレンチコート
 ドクトルサンバ 
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