おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第18話 呼ばれて飛び出て壺のおじさん

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 虫取り網が届かない。
 どうやらこれは、相手の胴体か頭をペチッとやらねば捕獲できないようなのだ。

 巨大蜘蛛の胴体は遥か上である。
 たまーに頭を下ろしてきて、ぶわーっと糸を吐く。

『ウグワー!』

 あっ、ラムザーがぐるぐる巻きになった!

「きゃーっ!」

 あっ、ポタルがちょっとエッチな感じで絡められて吊り下げられている!
 なんてツボを心得た蜘蛛なんだ!

 だが、ポタルを注視している場合ではない。
 これはタマル一味全滅の危機だぞ。
 どうしたらいいかってくらい、蜘蛛が強い。

 骨軍団も下でわたわたしている。

「これは、使うしか無いな、このベルを!」

 魔人商店で買ってきた謎のベルである。
 見た目は大きくて、どこか壺のような形をしている。

『ツボを心得た蜘蛛に壺をぶつけるのですな』

「今ダジャレ言った?」

『言ってませんぞ』

 ラムザーはこんな状況でも余裕だな!
 いや、生き様か。
 この男を蜘蛛のご飯にするわけには行くまい。

 俺は横目でポタルをチラチラ見ながらベルを鳴らした。

 すると……。
 大きな壺が出現する。
 これは、殺戮機械の壺!?

 いや、壺に下半身を収めた、マッチョで難しい顔をした半裸のおっさんだ!
 腕には巨大なピッケルを構えていた。

『哲人のベルでえす! 機動力に優れているので、一緒に壺に入って移動できまあす!』
『まあす!』

 どこからか、魔人商店の双子の声が説明してくれる。
 なるほど、機動力か!
 ……機動力?

 下半身壺なのに?
 だが、一緒に壺に入れと言うのだ。
 俺はおっさんの後ろにスポッと収まってみた。

「蜘蛛の頭上まで行ってくれ」

 おっさんは頷いた。
 そして、ピッケルを壁に引っ掛けると、それをとっかかりにして大きく上に飛び跳ねる。

 うおーっ!
 すごい距離を飛んだ!
 そしてピッケルを壁に引っ掛けてさらに上に!

 蜘蛛の足にひっかけて上に!
 上に上に!
 そして途中でピッケルで引っ掛けるものが無くなってスカッとなった。

 自由落下する俺たち。

「うおわー!! ミスしたなー!?」

 おっさんは難しい顔をしているばかりで何も答えない。
 いや、ピッケルをなんかかっこいいポーズで構えているけど、そんなことしてる場合じゃないだろ!

「そこ! そこの取っ掛かり!」

 おっさんは頷き、ピッケルで壁面を引っ掛けて停止した。

「たしかに凄まじい機動力だが、不安定すぎる。ハラハラするしイライラしそう。これは安定させねばならんな」

 俺は一旦下まで降りて、地面に散らばった蜘蛛の糸を回収した。

『蜘蛛の糸を手に入れました!』
『新しいレシピが生まれました!』

▶DIYレシピ
 ※スパイダーストリング
 素材:蜘蛛の糸

 こいつを、降り注ぐ蜘蛛の糸を回避しながらトンカントンカン作るのだ!
 よし完成!
 相変わらずDIYは死ぬほど速いぞ。

 そして壺のおっさんの後ろに収まる。

「よしゴー!!」

 こくりと頷き、ピッケルを振り回すおっさん。
 また、壺は飛び上がっていった。
 途中、何回かピッケルをスカり、落下の危機に陥る。

 これを俺が、スパイダーストリングを発射して粘着させ、遠心力で体を振って移動させるのである。
 飛翔したおっさんは蜘蛛の胴体にピッケルを引っ掛け、さらに飛び上がる。

「ここだ! うおお、虫取り網だーっ!!」

 スパイダーストリングを、素早く虫取り網と入れ替える。

『もがーっ!!』

 俺たちを見上げ、雄叫びをあげる巨大な蜘蛛。
 壺のおっさんの不規則な動きについてこれなかったようだな!

 振り回した俺の網が、巨大蜘蛛の頭をペチッと叩いた。
 すると、ピョインッ!とおなじみの音がする。

 空間の大部分を占めていた蜘蛛の姿は、既に無かった。
 つまり、俺たちは自由落下である。

「うーわー!」

 ひゅーんっと落下し……。
 俺は慌ててスパイダーストリングに持ち替えた。
 これを近くに飛び出した石筍に放り投げ、粘着させる!

 するとまた遠心力で俺たちはぶん回された。

「ぬおー!」

 壺のおっさんがピッケルを振り回し、壁の一部に引っ掛ける。
 ここで停止した。

「ふう……。やばいところだった。これ、迷宮は普通だったら踏破できないレベルだな」

『ウグワーッ! 迷宮の守護者を倒しました! 1000ptゲットです!』

「よし、おっさん、少しずつ降りよう。ピッケルを離してだな……」

 パッとピッケルを壁から離すおっさん。
 自由落下である。

「加減ってものを知らんのかー!?」

 地面にカツーンッとぶつかり、俺は尻をしたたかに打ち付けることになったのだった。

「タマル大丈夫? お尻上向きにして寝てるけど」

「腫れが引くまで待ってくれ……! 俺はしばらく戦闘不能だ!」

『いやはや、しかし流石はタマル様ですなあ。迷宮の守護者を倒すものなど、ここ数百年の間出ては来なかったというのに。あ、迷宮核ぶっこ抜きますな。そいっ』

 ズボッと音がして、ラムザーがキラキラ輝く玉を持って現れた。

「そういうのは普通、俺がやるのでは?」

『はっはっは、タマル様の回復を待っていたら、また怪物が集まってきてやられるかも知れませんからな! それでこれをどうするんですかな? 割るんです?』

「割るのかも知れないな」

 ポタルにベッドを押してもらい、ラムザーが立つ馬車の入り口まで近づく。
 すると、ちょうど間あたりに光が差し込んだ。

『割ってはいけないんだなもし』

 ヌキチータ神が降臨だ!
 だが、ベッドを押しているポタルは急には止まらない。
 馬車と壁にヌキチータがサンドされ、

『ウグワーッ!?』

 神が悲鳴を上げたのである。

▶DIYレシピ
 スパイダーストリング

 UGWポイント
 7040pt

 獲得アイテム
 哲人のベル
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