おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第26話 ラムザーとポタルにも!

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 巨岩が転がってくる通路を駆け抜けながら石柱を回収し、一部の追っ手が岩で潰されるようにしたりしつつ。
 俺たちは逢魔卿の城から脱出したのだった。

 出入り口がほぼ勝手口しかなかったのが災いしたな。
 追手の数を出せてないじゃないか。
 これに反省して、もっと出入りが楽な構造にしてほしいぞ逢魔卿!

 バタバタ走っていると、いつもどおり俺の背中にくっついているポタルがウーンと唸った。

「やっぱり、私もタマルのマネしたい! ねえタマル、ヌキチータに言ってできるようにしてよ!」

「えっ、なにを?」

「木を切ったりー、岩を掘ったりー」

「あー。確かに」

 俺一人で材料調達までやるとなると、少々厳しい。
 量的にも限界があるもんなあ。

 追っ手を大体振り切ったところで、馬車が待っていた。

『カタカター!』

 骨次郎が大喜びで迎えてくれる。
 他の骨軍団も同様だ。

『では俺っちたちはここで』

 リセンボンたちが敬礼した。

「戻って大丈夫なの」

『俺っちたちはタマルさんを追いかけてたと思われてるみたいです。また会ったら美味しい食べ物作ってください』

『タマルさんが美味しいもの作ってくれる人だって逢魔卿に言ってみますよ。あの人いつも不味そうに食事してるんで』

『やって見る価値ありますぜ』

「よし、約束だ」

 リセンボンたちと固い握手を交わすのである。
 ついでだからここでなにか作ってやろう……と思ったところで、リセンボンたちが空を見上げて悲鳴を上げた。

『ヒャアー! 逢魔卿が飛んできます! 空に! 空に!』

「おうー!」

 魔人侯そのものが追いかけてきたか。
 こりゃあやばい。
 馬車にみんな駆け込んで、走り出すのである。

 リセンボンは俺たちを追いかけているフリ。
 もちろん走ってだから、馬車には追いつけないのだ。

 さらば良いリセンボン、また会おう。
 その頃には俺の料理レパートリーが増えていることであろう。

「追いかけてくる追いかけてくる! すっごい怒ってる!」

「ほんと? こわいなー」

 攻撃されたときの対策に、後ろ側に五右衛門風呂を設置しておこう。
 馬車の重量バランスを取るために、前にはベッドを押しておく。

 案の定、逢魔卿が攻撃を仕掛けてきたようだ。
 五右衛門風呂に、武器なのか魔法なのかがガンガン当たる。
 まだどういう姿かも確認していないのだが、いやあ恐ろしい恐ろしい。

 顔を出したら死にそうである。

 しかし、流石に逢魔卿も、いつまでも追いかけてはいられないらしかった。

「あ、戻ってくよー」

『魔人侯が城を留守にしていると、他の魔人侯に攻め込まれるかも知れませんからな。一人で追いかけてくること自体がかなり頭に血が上っているのですぞ』

「ははあ、浮遊石持ってかれたの激おこか」

『宝物庫に堂々と真っ昼間から侵入して、正面突破で城を脱出したのが癇に障ったんでしょうな。あまりに潔すぎて舐められてると感じてもおかしくありませんなあ』

「あー、それは確かに」

 俺は納得した。
 我ながら正気ではないな。

 しばらく走って、海辺にやって来たところである。
 キングバラクーダの骨をズドンと展開し、ここを拠点とすることにした。

 どうやら、海辺というのは逢魔卿の領地の隅っこに当たるらしい。
 ここまでやって来るのは大変だろう。

 ということで、ここで諸々の作業を終えることにする。
 まずはゴッドモジュールを使って、白い空間に行った。

「あっ!! く、草が生えている!!」

 驚愕する。
 全く何もなかった白い空間が、下草が生えた野原になっていたのだ。
 空は真っ白ね。

 野原にレンガの小道が作られており、それぞれが魔人商店と異形博物館へ通じている。

「おーい、ヌキチーター」

 声を発してみるのだが返答はない。
 あいつはどこにでもいる、というわけではないんだろう。

 メールボックスを展開し、メールを書くことにした。
 内容はこうである。

『ヌキチータ様
 お世話になっております。
 当方の仲間たちに与えられる権限についてお願いがありメールを致します。
 私こと上澄タマルだけの活動量では、スローライフの構築に時間がかかるため、仲間たちへスローライフ参加の権限を与えてくださるようお願い申し上げます。
 具体的には、木を切ったり鉱石を掘ったり虫取り網や釣り竿を使ったり。
 ご多忙とは存じますが、早急に対応してくださると幸いです。
 最優先でやれ。
               上澄タマル』

「よし送信」

 メールが飛んでいった。
 少しの間、白い空間をラムザーやポタルとうろうろする。

「なんかねえ、ここで野原が途切れて何も無くなっちゃう感じ!」

『なんでしょうな。来る度にちょっとずつデラックスになっていっていますな』

「よし、ここで飯でも食って待つか。煮付けを作ろう」

「わーい!」

『違うレパートリーも早く増えるといいですな!』

 ついでだったので、魔人商店の双子と博物館の館長も呼んでみんなで煮付けを食った。
 すると、匂いに誘われてヌキチータがふらふらと現れたではないか。

『ご相伴に与るんだなもし』

「食え食え。それはそうとして、メールの件はご検討いただける?」

『検討を要求する文面じゃなかったんだなもし。でも、タマルさんのものをちょっと弱くした権限まではいけそうなんだなもし。ええと、ここをこうやって』

 ヌキチータが空中に光る板みたいなのを出現させ、ぱちぱち指先で叩いている。
 タブレットみたいだな。

『ほい、これで完成なんだなもし。あまり権限を与えすぎると反逆されたりするし、タマルさんに使えるリソースが減ってスローライフできなくなるんだなもし』

「そりゃ困る。じゃあ当座はこの三人で行こう」

 そういうことになった。

 ラムザーとポタルは、俺の半分くらいの回数まで道具を使えて、俺よりも早く道具が壊れる。
 虫取り網は戦闘力の無い動物までは捕獲できて、魚釣りも同様……ということになった。

 つまり、食料確保が容易になるということだ。

『DIYはタマルさんしかできないから、消耗材で道具をたくさん作っておくんだなもし』

「オッケーオッケー。ありがとうありがとう。そんじゃあ俺たち、これから潜水艇作って海底神殿だか海底迷宮に行くんで」

『展開が早いんだなもし! そこ、僕の計画だと結構さきのはずだったんだなもし』

「えっ、出現する敵が強かったりとかする?」

『ゲームじゃないので別にそんなことはないんだなもし。船体と浮遊石よく手に入れられたんだなもしー』

「運良くな……」

 キングバラクーダは本当にラッキーな遭遇だったな!
 しばらく煮付けが食えるし。

『ウグワーッ! 仲間が権限を得ました! 300ptゲットです!』

「あ、もうかなりポイントも溜まってるじゃないか。じゃあエーテルバスターキャノン下さい」

「お目が高い! こちらは、外宇宙から飛来してくる侵略者を撃退するための武器になりまあす」
「なりまあす」

「地上で使うと周囲が焦土になるのでご注意くださあい」
「くださあい」

「えっ、つまりヌキチータを倒すための武器じゃん!!」

『はっはっは、驚いたことにそうなんだなもし』

 焦土になっちゃうのは困るな。火力が高すぎる。
 だが、武力があれば外交ができる。
 俺はこれを、馬車の幌の上に設置しておくことにしたのだった。

▶UGWポイント
 940pt

 獲得アイテム
 エーテルバスターキャノン
 
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