101 / 147
スローライフよ永遠に!編
第101話 神話の誕生?
しおりを挟む
ホクホクしながらタマル村まで帰還してきた。
飛空艇でまるごとである。
ゴッドモジュールを使えば俺たちは帰れる。
だが、ゴッドモジュールは馬車に設置されているから、馬車が帰れない。
つまりホネノサンダーたちが残されることになり、これはかわいそうだ。
ということで、全員が一気に帰るなら飛空艇というわけだな。
なお、湿地の迷宮はスルーした。
後だ後。
「長々と開拓した後で迷宮探索なんてやってられないからな」
『ほう、開拓』
後を振り返るラムザー。
そこには、湿地の三割くらいを覆うまでに広げたコンクリートジャングル。
星の砂は早々に尽きたが、コンクリートは無限に出せるからな。
『確かに家は建てやすそうですな』
「だろ? スローライフとは自然を征服したところにあるものだ。自然との調和なんてのはあれだ。勝者の驕りだよ。俺は謙虚なんで、積極的に自然環境を人工環境に置き換えて行くぞ」
『何か邪悪なことを言っている気がしますが、まあタマル様ですからなあ。暮らしやすければそれでよしですぞ!』
ラムザーとともに、わっはっはっはっは、と笑った。
途中、流血男爵領跡を通過したら、魔人旅団が人間たちの村を襲おうとしているところだった。
おざなりに花火マシーンをぶっ放して驚かせる。
釣り竿を使って、数人釣り上げてゲットしてやった。
「おっ! これ凄いぞ。飛空艇からだと、地上にいる相手を釣れるんだ! こりゃあ大発見だ」
『魔人旅団がパニックになってますなあ』
『オー! タマルさんのパワーが無法なほどにストロングになってまーす!』
「空から一方的に釣られるのは怖いもんねえー」
魔人旅団は大慌てで逃げ帰っていく。
ぜひ、羅刹侯爵に俺が存在する事を伝えて欲しい。
地上からは、人間たちがわあわあと手を振っている。
手を振り返した。
そしてハッと気づく。
「あいつら、大鍋でうすーいスープなんか作ってやがる。ダメだダメだ。もっと腹にズドンと来る料理を俺が教えてやる。飛空艇降りろー」
『カタカター』
『えっ、お腹にたまる料理ですって!?』
『タ』
『タマルだけにって言うんでしょ!? 先に言ってやるわよ!』
『うぐう』
ラムザーがキャロルに先を越されて悔しそうな顔をした。
キャロルも成長しているのだ。
着地した飛空艇から、俺が飛び出す。
「いいか! 再現可能な濃厚な料理は研究してあるんだ! これ! ここに捨ててある獣の脂! これをトロットロに煮込んで、これ! この野草がハーブだから! これで味付けして、これ! 家畜の乳! これでまろやかさを加えられるから! そして岩塩をどーん!!」
「あーっ!」
俺の豪快な料理に、人間たちが驚きの叫びをあげた。
俺だって、DIYお料理レシピ頼みばかりではない。
暇な時間に、再現可能なレシピを研究していたのだ。
そもそも、最初にラムザーと食ったのがこのシチューめいた料理だった。
『懐かしいですな! 家畜の乳が入ってるぶんだけパワーアップしてますなあ』
「おう、野趣あふれる美味そうな香りがしてきた。お前ら、そこに並べ!! 俺がお椀にすくってやる」
俺が声をかけると、人間たちはずらりと並んだ。
「スローライフ王タマル様が直々に……!」
「我らを守ってくれただけではなく、お料理まで伝授してくれるとは……」
「はあー、ありがたや、ありがたや」
「はっはっは。もっと俺を崇めてもいいんだぞ……。だが何も出ないからな。また新しいレシピを再現できたら教えに来るからな。豊かな食生活を楽しむがいい」
シチューをよそってやる俺を見て、ポタルがうんうん頷いている。
「やっぱりタマルって身内にはすごく優しいんだよねー。魔人侯の器って感じ!」
『羅刹侯爵は恐怖と規律で部下を縛り付けるスタイルでしたからな。それに対して、タマル様はスローライフの楽しさとお料理の美味さで我らを惹き付けるスタイルですぞ。あっちは地獄、こっちが天国でしたなあ』
「ねえ、それって!」
『おお!』
ポタルがブレスレットでくるりんっ!とアイドル衣装に変身。
ブレスレットを譲り受けたラムザーが、くるりんっ!とロックスター衣装に変身。
フランクリンが駆けつけて、キャロルがラジカセのスイッチを押した。
流れるのは、『来たら地獄、住んだら天国』である。
タマル一味の合唱が始まり、人間たちにどよめきが走る────。
が、子どもたちがすぐにメロディを覚えて、うろ覚えな歌詞を歌いだした。大人たちもこれに続く。
やがて、この集落を『来たら地獄、住んだら天国』の大合唱が包み込んだ。
なんというかもう、俺のスローライフのテーマソングから、俺のスローライフ王国の国歌まで昇格した感がある。
その後、みんなでシチューを食った。
そしてシチューレシピを教え、「これをアレンジして美味い煮込み料理を沢山試すがいい。毒のあるのは一回失敗したらすぐ覚えろ。トライ&エラーだ」と伝える。
いつしか、人間たちが俺を見る目には尊敬の念というか、崇敬の念が籠もっていた。
『オー……! これはニューミソロジーのスタートという気がしまーす!』
俺が神様の神話だって?
はっはっは、冗談はよすのだ!
『ウグワーッ! たくさんの人間と食卓を囲みました! 500ptゲット!』
▶UGWポイント
11000pt
飛空艇でまるごとである。
ゴッドモジュールを使えば俺たちは帰れる。
だが、ゴッドモジュールは馬車に設置されているから、馬車が帰れない。
つまりホネノサンダーたちが残されることになり、これはかわいそうだ。
ということで、全員が一気に帰るなら飛空艇というわけだな。
なお、湿地の迷宮はスルーした。
後だ後。
「長々と開拓した後で迷宮探索なんてやってられないからな」
『ほう、開拓』
後を振り返るラムザー。
そこには、湿地の三割くらいを覆うまでに広げたコンクリートジャングル。
星の砂は早々に尽きたが、コンクリートは無限に出せるからな。
『確かに家は建てやすそうですな』
「だろ? スローライフとは自然を征服したところにあるものだ。自然との調和なんてのはあれだ。勝者の驕りだよ。俺は謙虚なんで、積極的に自然環境を人工環境に置き換えて行くぞ」
『何か邪悪なことを言っている気がしますが、まあタマル様ですからなあ。暮らしやすければそれでよしですぞ!』
ラムザーとともに、わっはっはっはっは、と笑った。
途中、流血男爵領跡を通過したら、魔人旅団が人間たちの村を襲おうとしているところだった。
おざなりに花火マシーンをぶっ放して驚かせる。
釣り竿を使って、数人釣り上げてゲットしてやった。
「おっ! これ凄いぞ。飛空艇からだと、地上にいる相手を釣れるんだ! こりゃあ大発見だ」
『魔人旅団がパニックになってますなあ』
『オー! タマルさんのパワーが無法なほどにストロングになってまーす!』
「空から一方的に釣られるのは怖いもんねえー」
魔人旅団は大慌てで逃げ帰っていく。
ぜひ、羅刹侯爵に俺が存在する事を伝えて欲しい。
地上からは、人間たちがわあわあと手を振っている。
手を振り返した。
そしてハッと気づく。
「あいつら、大鍋でうすーいスープなんか作ってやがる。ダメだダメだ。もっと腹にズドンと来る料理を俺が教えてやる。飛空艇降りろー」
『カタカター』
『えっ、お腹にたまる料理ですって!?』
『タ』
『タマルだけにって言うんでしょ!? 先に言ってやるわよ!』
『うぐう』
ラムザーがキャロルに先を越されて悔しそうな顔をした。
キャロルも成長しているのだ。
着地した飛空艇から、俺が飛び出す。
「いいか! 再現可能な濃厚な料理は研究してあるんだ! これ! ここに捨ててある獣の脂! これをトロットロに煮込んで、これ! この野草がハーブだから! これで味付けして、これ! 家畜の乳! これでまろやかさを加えられるから! そして岩塩をどーん!!」
「あーっ!」
俺の豪快な料理に、人間たちが驚きの叫びをあげた。
俺だって、DIYお料理レシピ頼みばかりではない。
暇な時間に、再現可能なレシピを研究していたのだ。
そもそも、最初にラムザーと食ったのがこのシチューめいた料理だった。
『懐かしいですな! 家畜の乳が入ってるぶんだけパワーアップしてますなあ』
「おう、野趣あふれる美味そうな香りがしてきた。お前ら、そこに並べ!! 俺がお椀にすくってやる」
俺が声をかけると、人間たちはずらりと並んだ。
「スローライフ王タマル様が直々に……!」
「我らを守ってくれただけではなく、お料理まで伝授してくれるとは……」
「はあー、ありがたや、ありがたや」
「はっはっは。もっと俺を崇めてもいいんだぞ……。だが何も出ないからな。また新しいレシピを再現できたら教えに来るからな。豊かな食生活を楽しむがいい」
シチューをよそってやる俺を見て、ポタルがうんうん頷いている。
「やっぱりタマルって身内にはすごく優しいんだよねー。魔人侯の器って感じ!」
『羅刹侯爵は恐怖と規律で部下を縛り付けるスタイルでしたからな。それに対して、タマル様はスローライフの楽しさとお料理の美味さで我らを惹き付けるスタイルですぞ。あっちは地獄、こっちが天国でしたなあ』
「ねえ、それって!」
『おお!』
ポタルがブレスレットでくるりんっ!とアイドル衣装に変身。
ブレスレットを譲り受けたラムザーが、くるりんっ!とロックスター衣装に変身。
フランクリンが駆けつけて、キャロルがラジカセのスイッチを押した。
流れるのは、『来たら地獄、住んだら天国』である。
タマル一味の合唱が始まり、人間たちにどよめきが走る────。
が、子どもたちがすぐにメロディを覚えて、うろ覚えな歌詞を歌いだした。大人たちもこれに続く。
やがて、この集落を『来たら地獄、住んだら天国』の大合唱が包み込んだ。
なんというかもう、俺のスローライフのテーマソングから、俺のスローライフ王国の国歌まで昇格した感がある。
その後、みんなでシチューを食った。
そしてシチューレシピを教え、「これをアレンジして美味い煮込み料理を沢山試すがいい。毒のあるのは一回失敗したらすぐ覚えろ。トライ&エラーだ」と伝える。
いつしか、人間たちが俺を見る目には尊敬の念というか、崇敬の念が籠もっていた。
『オー……! これはニューミソロジーのスタートという気がしまーす!』
俺が神様の神話だって?
はっはっは、冗談はよすのだ!
『ウグワーッ! たくさんの人間と食卓を囲みました! 500ptゲット!』
▶UGWポイント
11000pt
0
あなたにおすすめの小説
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる