おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフよ永遠に!編

第107話 オギャアと生まれるドラゴンベビー

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 生命の欠片はどこにあるのか?
 そりゃあもう、命が生まれたり満ちたりしてるところだろう。

 タマル一味はその土地を探すため、まずはマンイーターたちに聞き込みすることにした。

『おひさー』

 キャロルが帰ってきたので、マンイーターたちがわさわさ動いた。

「あれ何か言ってるの?」

『おかえりーって。喜んでるよ。植物だと感情表現分かんないもんねー。ちゃんと植物も意思があんのよ』

「あー、そういう研究を地球にいた頃に聞いたことがある気がする」

「そうなんだー。こんにちはー!」

『ポタル、あんま近づくと食べられるわよ』

「ヒェー」

 近寄って手を振っていたポタル、慌てて俺の後ろに引っ込んだ。
 基本的にはマンーイーター、動物を捕食するタイプの植物だもんな。

『でさ、生命の欠片って探してるんだけど。なんか命が満ち溢れる的なとこない? え? この辺は生きてるものがたくさんいる? そりゃあそうだけどさ。……小鳥が、ドラゴンがいた沼に穴が空いたって言ってた? 卵?』

「ドラゴンの卵か。なるほど、そこは生命パワーが溢れてそうだ」

 生命の欠片が生まれるからして、生半可な命ではいけないのだろう!
 生半可な命ってなんだと思うが、とにかくパワフルな生き物が生まれるような場所なら、生命の欠片とかありそうではないか。
 この世界はそういう短絡的なところがあるのだ。

 俺はもう、かなり詳しくなったぞ。

「じゃあそっちに行くか。情報提供ありがとう。これはアイテムボックスに残っていたカエル人間だ。食べるがいい」

『ゲロゲーロ!?』

 カエル人間を放ると、マンイーターたちがワーッと沸いた。

『へえ、お土産持ってきてたの? 気が利くじゃん! あたしもちょっとグッと来た』

「だめよ! タマルは私んだからね!」

『減るもんじゃないしいいじゃん。マンイーターは独占するとかそういう価値観ないのよ。タマルをシェアしようよ』

「だめーっ!」

 俺を巡って女子たちが争っている……。
 微笑みが浮かんでしまう光景だ。

『タマル様、行きますぞー。ご自分が動かないと二人も動かないんですからなー。ほらほら動いた動いたー』

 ラムザーに背中を押されて、歩いて行く俺なのであった。
 なるほど、ポタルとキャロルがわいわい言い合いながらついてくる。

 そして思い出深い沼に来た。
 ここで、俺たちみんなが珍妙な格好をしてエルダードラゴンと渡り合ったのだ。
 あれはいい勝負だった。

 そのエルダードラゴンは今、博物館にいるわけだが。
 館長曰く、『あまり長く拘束しているともう一段階進化した時に博物館ごと破壊して空に飛び立ちますからね。こちらからお願いして百年ほど逗留してもらい、その後は円満に飛び立ってもらう方向で話し合いが終わっています』だと。

 沼には、先ほど空でやりあったドラゴンたちがいる。
 そいつらは俺を見るとビクッとして、臨戦態勢に入った。

「待て、待つのだ。俺は生命の欠片をゲットしに来ただけで、他に目的はない。え、なに? エルダードラゴンゲットしただろって? いいかね、エルダーをゲットした以上、レッサーをゲットする理由はそんなに無い……。いや、ドラゴンレシピがあるな……」

 俺が素材を見る目をしたので、ドラゴンたちがざわついた。
 いかん、一触即発になってしまったぞ。

『オー! タマルさん、スピーディにフィールドをホットにしますねー! レッツファイトですか!』

「平和的に行きたい!」

『タマル様、この辺りにドラゴンの抜け落ちた鱗や脱皮した抜け殻がありますぞ。これで素材になるのではないですかな?』

「ほんと? どれどれ?」

 ゲットしてみたら、なるほど。
 これってドラゴン素材として使えるんじゃないか。

「鱗とか殻でいけるのでハントしません! 平和! 平和に行こう!」

 それでもドラゴンたちの警戒が解けなかったので、これは仕方ない。
 彼らは用心深い生き物なのだ。
 俺はギリースーツと対衝ブロック塀で武装しつつ、ゆっくりと沼の中ほどに入っていった。

 なるほど、ドラゴンたちが囲んでいるところに、ポッカリと空いた穴がある。
 そこに、キラキラと光るものが……。

 ドラゴンの卵だ。
 それが目の前でパリパリと割れて、中から何かが出てきた。

 何かって、そりゃあ決まってる。

『オギャア!』

 ドラゴンの赤ちゃんである。
 エルダードラゴンの子どもかな?

『ギェーッ!』

 レッサードラゴンが俺を威嚇して、バタバタ寄ってきた。
 そしてドラゴンの赤ちゃんをひょいっと咥えて、飛び立っていく。
 他のレッサードラゴンも飛び立った。

『あれはもしや、エルダードラゴンの奥さんたちだったのではないですかな』

「あ、なーるほど。残った卵と赤ちゃんを守るためにいたのか。しかし生命の欠片がなあ……」

「タマル! なんか卵の底でキラキラ光ってる!」

 一足先に卵の殻まで到着したポタルが、ぴょんぴょんと跳ねていた。

「なんだなんだ。あっ! 何か光り輝く、曖昧な形をしたものが!!」

 ピョインッ!と虫取り網でゲットする。
 アイテムボックスのアイコンには、生命の欠片と記されていた。
 ×99とか数量もすごいぞ。

「ついにゲットしてしまったか。そして素材が揃ったぞ!」

「でもドラゴンの赤ちゃんほしかったねー」

『そうねえ、可愛かった』

「ドラゴンの赤ちゃんだぞ。めちゃくちゃ育って飯とか食べまくるから俺たちが食べる量が減るぞ」

『いらないわね』

 キャロル、判断が早い。
 かくして俺たちはタマル村へと戻る。

 タコさん帰還の時が近づいているのである。

 
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