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スリッピー帝国編
第49話 学生活動家撃退はマッチョな教授から
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「ウオアアアアー! あの男をぶち殺せ! 革命の敵だー!!」
「あいつを革命すれば女子たちと特別合宿だ!」
「うおおー!!」
男子学生たちが突っ込んでくるぞ。
革命どうでもいいんじゃないかお前ら……?
学生たちは見境がないので、いきなりマジックボトルを投げつけたりしてくる。
俺はこいつをキャッチして、テーブルの上に置いた。
瓶が割れなければ全く威力を発揮しないのだ。
「マジックボトルをたくさんの学生がいる食堂で使うだと……!? もう許せん!!」
ドンデーン教授が立ち上がった。
ジャケットを脱ぎ捨てると、ムキムキの体がワイシャツの下からあらわになる。
サスペンダーをネクタイを外し、襟のボタンも外す。
そして、サスペンダーをぱちんと鳴らすと、ネクタイをぐるりと拳に巻き付けた。
輝き始めるネクタイ。
「うわっ、かっこいい。それなに?」
「自衛用ネクタイだよ。私の開発したものでね。振り回せば剣になり、拳に巻けば相手を傷つけぬためのバンテージになる! 後で進呈しよう」
「やった!」
俺、こういうアイテム好き。
ということで、駆け寄ってくる学生たちとのバトルになるわけだ。
例によって俺はチュートリアル。
やって来たチュートリアル時空で、探すのはNTRのタクルだ。
絶対にあいつはこちらを視認できる場所にいる。
そして、ルミイとカオルンに投げキッスをしてくるだろう。
俺は冷静にカレーの皿を手に取った。
戦闘は教授に任せる。
おお、ネクタイが光り輝きながら学生の顎を砕く。
ネクタイを纏った拳が学生の肋を数本まとめて砕く。
ネクタイに包まれたナックルが学生の群れを連打で制圧していく。
傷つけぬためのバンテージ……?
これが魔法使いの戦い方……?
いかんいかん!
教授に注目している場合ではない。
この辺りに、絶対タクルの姿が……。
「いた!」
柱の陰から現れて、タクルが高速で投げキッスをしてきた。
「うおおおお!! やらせはせんぞ!!」
俺は投げキッスの軌道を見抜き、カレーの皿で受け止める。
皿に軽い衝撃があった。
物理的な威力を伴っているか。
これで撃ち抜かれると、ちょっとのけぞったりしそうだな。
ムカつく。
タクルが柱の間を駆け抜けながら、こちらに向けて連続投げキッスだ。
全てが、ルミイとカオルンを狙っている。
これを防ぐ、防ぐ、防ぐ!
恐ろしい敵だ。
一瞬たりとも気を抜くことはできない。
「な、何が起きているのだなー!?」
「ルミイとカオルンが当たったら一撃で永久に戦闘不能になる不可視の攻撃を連発されている」
「めちゃくちゃじゃないですかー!」
そう、異世界召喚者とはめちゃくちゃなものなのだ。
なにせ、タクルは能力のタネが割れていても、とんでもなく恐ろしい存在なのだ。
おっと、武装した学生みたいなのが走ってきた。
学生自治隊みたいな感じかな?
その先頭に女子学生がいるのだが……。
ズキュウゥゥゥゥゥン! と効果音が響いた。
投げキッスに撃ち抜かれたか!
女子学生が崩れ落ちる。
そして立ち上がり、敵となって攻撃してきた!
厄介な能力だなあ。
だが、彼女をベア・ナックルで粉砕する教授。
容赦ないな!!
俺も学生のスネを蹴り上げたりしながら援護だ。
だんだんタクルの攻撃にも慣れてきた。
向こうも連続で能力を使っていると、息が上がってくるようだな。
チャンス!
俺はカレー皿を投擲した。
回転する皿が、タクルの投げキッスを弾きながら飛来。
やつの頭部に激突して砕け散った。
「ウグワーッ!!」
タクルの悲鳴が響く。
全力で逃げ出すタクル。
判断が速い!
俺は後を追うが……。
タクルの虜になった女子たちが立ちふさがった。
邪魔過ぎる……!!
「カオルン、これは排除して!」
「分かったのだ!」
「この教授を敵に回したくないので、不殺でな」
「めんどうくさいのだー」
カオルンがぶうぶう言った。
だが、女子の壁を確実に排除していく。
俺はタクルを追跡だ。
走っていくヤツの背中を見る。
何かに連絡を入れてるな。
「ヘルプ機能」
『異世界召喚者タクルを援護するために軍からの攻撃が来ます』
「いやあ、本当にたちが悪い」
そして、タクルは己が持つ能力を完全に把握し、使いこなした上で成長もさせている。
これこそが本格的な能力者バトルだろう。
結局、このチャレンジではタクルを捕らえられなかった。
走って追いかけたのでは遅い。
食堂を飛び出す前に、威力のある飛び道具を手にしてくる必要がある。
皿か?
フォークか?
マジックボトルでしょ。
そして何度か繰り返して通過ルートを完全に把握する。
敵を知り、己を知り、戦場を知り、偶発的要素を知れば百戦して危うからず。
俺はチュートリアルを終え、戻ってくる。
そして、バトルが始まる寸前。
近くから逃げようとしていた学生に声を掛けるのだ。
「202教室の二番目の窓から、スリッピーの頭を落としてもらっていい?」
「は、はあ」
「ルミイ、お願いして」
「あ、はい! お願いしますね!」
ルミイが学生の手をギュッと握った。
学生がハッとする。
そして顔が緩んだ。
「わかったよ!」
素直な学生は大好きだよ。
これで、全ての準備は整った。
NTRのタクルの最期が始まるのである。
「あいつを革命すれば女子たちと特別合宿だ!」
「うおおー!!」
男子学生たちが突っ込んでくるぞ。
革命どうでもいいんじゃないかお前ら……?
学生たちは見境がないので、いきなりマジックボトルを投げつけたりしてくる。
俺はこいつをキャッチして、テーブルの上に置いた。
瓶が割れなければ全く威力を発揮しないのだ。
「マジックボトルをたくさんの学生がいる食堂で使うだと……!? もう許せん!!」
ドンデーン教授が立ち上がった。
ジャケットを脱ぎ捨てると、ムキムキの体がワイシャツの下からあらわになる。
サスペンダーをネクタイを外し、襟のボタンも外す。
そして、サスペンダーをぱちんと鳴らすと、ネクタイをぐるりと拳に巻き付けた。
輝き始めるネクタイ。
「うわっ、かっこいい。それなに?」
「自衛用ネクタイだよ。私の開発したものでね。振り回せば剣になり、拳に巻けば相手を傷つけぬためのバンテージになる! 後で進呈しよう」
「やった!」
俺、こういうアイテム好き。
ということで、駆け寄ってくる学生たちとのバトルになるわけだ。
例によって俺はチュートリアル。
やって来たチュートリアル時空で、探すのはNTRのタクルだ。
絶対にあいつはこちらを視認できる場所にいる。
そして、ルミイとカオルンに投げキッスをしてくるだろう。
俺は冷静にカレーの皿を手に取った。
戦闘は教授に任せる。
おお、ネクタイが光り輝きながら学生の顎を砕く。
ネクタイを纏った拳が学生の肋を数本まとめて砕く。
ネクタイに包まれたナックルが学生の群れを連打で制圧していく。
傷つけぬためのバンテージ……?
これが魔法使いの戦い方……?
いかんいかん!
教授に注目している場合ではない。
この辺りに、絶対タクルの姿が……。
「いた!」
柱の陰から現れて、タクルが高速で投げキッスをしてきた。
「うおおおお!! やらせはせんぞ!!」
俺は投げキッスの軌道を見抜き、カレーの皿で受け止める。
皿に軽い衝撃があった。
物理的な威力を伴っているか。
これで撃ち抜かれると、ちょっとのけぞったりしそうだな。
ムカつく。
タクルが柱の間を駆け抜けながら、こちらに向けて連続投げキッスだ。
全てが、ルミイとカオルンを狙っている。
これを防ぐ、防ぐ、防ぐ!
恐ろしい敵だ。
一瞬たりとも気を抜くことはできない。
「な、何が起きているのだなー!?」
「ルミイとカオルンが当たったら一撃で永久に戦闘不能になる不可視の攻撃を連発されている」
「めちゃくちゃじゃないですかー!」
そう、異世界召喚者とはめちゃくちゃなものなのだ。
なにせ、タクルは能力のタネが割れていても、とんでもなく恐ろしい存在なのだ。
おっと、武装した学生みたいなのが走ってきた。
学生自治隊みたいな感じかな?
その先頭に女子学生がいるのだが……。
ズキュウゥゥゥゥゥン! と効果音が響いた。
投げキッスに撃ち抜かれたか!
女子学生が崩れ落ちる。
そして立ち上がり、敵となって攻撃してきた!
厄介な能力だなあ。
だが、彼女をベア・ナックルで粉砕する教授。
容赦ないな!!
俺も学生のスネを蹴り上げたりしながら援護だ。
だんだんタクルの攻撃にも慣れてきた。
向こうも連続で能力を使っていると、息が上がってくるようだな。
チャンス!
俺はカレー皿を投擲した。
回転する皿が、タクルの投げキッスを弾きながら飛来。
やつの頭部に激突して砕け散った。
「ウグワーッ!!」
タクルの悲鳴が響く。
全力で逃げ出すタクル。
判断が速い!
俺は後を追うが……。
タクルの虜になった女子たちが立ちふさがった。
邪魔過ぎる……!!
「カオルン、これは排除して!」
「分かったのだ!」
「この教授を敵に回したくないので、不殺でな」
「めんどうくさいのだー」
カオルンがぶうぶう言った。
だが、女子の壁を確実に排除していく。
俺はタクルを追跡だ。
走っていくヤツの背中を見る。
何かに連絡を入れてるな。
「ヘルプ機能」
『異世界召喚者タクルを援護するために軍からの攻撃が来ます』
「いやあ、本当にたちが悪い」
そして、タクルは己が持つ能力を完全に把握し、使いこなした上で成長もさせている。
これこそが本格的な能力者バトルだろう。
結局、このチャレンジではタクルを捕らえられなかった。
走って追いかけたのでは遅い。
食堂を飛び出す前に、威力のある飛び道具を手にしてくる必要がある。
皿か?
フォークか?
マジックボトルでしょ。
そして何度か繰り返して通過ルートを完全に把握する。
敵を知り、己を知り、戦場を知り、偶発的要素を知れば百戦して危うからず。
俺はチュートリアルを終え、戻ってくる。
そして、バトルが始まる寸前。
近くから逃げようとしていた学生に声を掛けるのだ。
「202教室の二番目の窓から、スリッピーの頭を落としてもらっていい?」
「は、はあ」
「ルミイ、お願いして」
「あ、はい! お願いしますね!」
ルミイが学生の手をギュッと握った。
学生がハッとする。
そして顔が緩んだ。
「わかったよ!」
素直な学生は大好きだよ。
これで、全ての準備は整った。
NTRのタクルの最期が始まるのである。
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