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終末の王編
第178話 帰還からのまったり殲滅
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魔導王を撃退した俺であるが。
「行きの事は考えていたが、帰りの事は考えてなかったな。どうしたもんだろう」
目の前に広がるのは、一面の凍りついた景色。
海まで凍り、この上を歩いていくのは難しくは無かろう。
だが……。
時間が掛かる。
俺たちがスリッピー帝国に戻る前に決戦が始まってしまいそうだ。
参ったなあ。
「マスターはちょいちょいノープランで動きますからね」
「そりゃあそうだろう。熟考して間に合わなくなるよりは、まずは動いて結果を出す方がいい」
これには達人も頷いた。
「俺は強いやつがいると聞いたら会いに行くくらいだが、生きることは日々決断だ」
女性関係からは逃げ続けてるけどな。
ここで、戻る手段の検討を開始した。
「フリズドライは飛べる?」
『飛べはしない。だが空中に氷の道を作り、滑ることで飛ぶように移動することが可能だ』
「オッケーオッケー。で、こっちはカオルンが飛べる」
「飛べるのだー!」
「飛べないのは、俺と達人とアカネルかあ。さて、どうしたものか」
抱えて運んでもらうにしても、一人多い。
誰一人として欠けてはいけないから、これをどうにか解決せねば。
「マスター、お忘れのようですが、当機能はこのように」
ポンッと音がして、アカネルがSDで小さい姿になった。
「マスコットモードになれるのです」
「そうだった!」
小さいアカネルをつまみ上げ、ポケットに突っ込んだ。
アカネルが顔をちょこんと出す形になる。
「解決した」
「お前のところの頭がいい女は、UFOキャッチャーの景品みたいな姿になるのか……」
「言い方あ」
こうして、俺たちはそれぞれ女子に抱えられて空を飛び帰還するのである。
オクタゴンが鉄板を投げたよりはゆっくりと、戻っていく。
海をようやく超えたところで、休憩にした。
ここは、山を一つ挟んでワンザブロー帝国跡というところ。
ワンザブロー帝国跡が魔導王の拠点になってた気がするから、ツーブロッカー帝国方面から帰ったほうが安全であろう。
まあ、あの神出鬼没な魔導王のこと。
いつやって来るとも限らないが……。
「さっき、魔導王に恐怖を刻みつけてやったからな。ああいうタイプは、案外慎重なんだ。理解できない戦い方をする俺を警戒して、しばらく本人が出てくることはなくなるぞ」
「マスター、よく分析されてますねえ」
「性格が捻じ曲がった俺みたいなやつだからなあ」
どこか似たところがある奴の考えることは、分かり易いのだ。
なので、魔導王はここから世界中に対して侵攻をスタートすると俺は睨んでいる。
自分がビビったということを悟られたくなくて、むしろ攻撃的になるってやつだ。
だが、本人が出てこないならばそこまで恐ろしくはない。
質より量で攻めてくるだろう。
それぞれの軍勢が対抗できる程度の強さの軍勢があちこちにばらまかれる事だろう。
魔導王、知性を持つ相手を信用してないきらいがあるから、全部ゴーレムではないのか。
休憩の後、ツーブロッカー帝国まで移動する。
すると、眼下をのしのし移動するゴーレム軍団が見えた。
もう軍勢を生産したのか。
数はそこそこ。
数百体というところか?
「おー! 誰もいないところを歩いていくのだ!」
「頭のいいバーバリアンは、戦わずに家畜だけ奪って逃げたらしいからな。それにゴーレムに勝っても得るものは何もない。放置するか、ギリギリまでは逃げ回るのがいいだろうな」
「でもカオルンは戦いたいのだなー。さっきは全然やれなかったのだ」
「そっかそっか。じゃあちょっとゴーレム片して行こうか」
そういうことになった。
ゴーレム軍団の直前に降りて、カオルンとフリズドライが立ちふさがる。
「やるのだ!」
『やるとするか』
「なんだ、ボーナスステージか?」
達人まで行ってしまった。
そこから先は、一方的な破壊劇である。
飛び回るカオルンが、ゴーレムを次々に切断する。
周辺一帯のゴーレムを凍結させて停止させるフリズドライ。
楽しそうにゴーレムをコンボで破壊する達人。
色々なコンボを試してやがるな。
勝負にならない。
多分、そこそこ強いゴーレムだろうし、中には魔法金属で作られたものも混じってると思うんだが……。
こいつらの前だと、土の体だろうが石だろうが鉄だろうが魔法金属だろうが、全部豆腐でできてるのと変わらない。
どんどんゴーレムが削れていった。
二分ほどしたら、ゴーレム軍団は全滅した。
スッキリした顔で三名が戻ってくる。
「面白かった?」
「たまには無機物をひたすら殴るのも、無心になっていいもんだ。格闘家が巻藁を突くのもよく分かるな……」
達人、格闘家の気持ちを理解したか。
お前、格闘技みたいなファイトスタイルだけど本人はゲーマーだもんなあ。
そして魔導王が生み出した殺戮機械のゴーレム軍団が巻藁扱いである。
「まあまあスッキリしたのだ! 帰ったら達人、手合わせするのだ!」
「おっ!! いいぞいいぞ!! やろうやろう!」
めちゃくちゃ嬉しそうな達人である。
フリズドライもハッとした。
そういうのもいいのか、という顔である。
『我とも手合わせをせよ。お前が我を下した戦い方、必ずや己のものとしてくれよう!』
「いいぞいいぞ! 俺は師匠となってお前に最強の戦い方というものを伝授してやる……! ともにサイキョーを目指そうではないか」
師弟みたいになってる。
達人がツヤツヤしてきたので、どうやら達人が思う理想の世界はこんな感じらしい。
こうしてツーブロッカー帝国を突破した俺たち。
フォーホース帝国にて、魔法使いから移動魔法の支援を受け、スリッピーの帝都へと帰還を急ぐのである。
「行きの事は考えていたが、帰りの事は考えてなかったな。どうしたもんだろう」
目の前に広がるのは、一面の凍りついた景色。
海まで凍り、この上を歩いていくのは難しくは無かろう。
だが……。
時間が掛かる。
俺たちがスリッピー帝国に戻る前に決戦が始まってしまいそうだ。
参ったなあ。
「マスターはちょいちょいノープランで動きますからね」
「そりゃあそうだろう。熟考して間に合わなくなるよりは、まずは動いて結果を出す方がいい」
これには達人も頷いた。
「俺は強いやつがいると聞いたら会いに行くくらいだが、生きることは日々決断だ」
女性関係からは逃げ続けてるけどな。
ここで、戻る手段の検討を開始した。
「フリズドライは飛べる?」
『飛べはしない。だが空中に氷の道を作り、滑ることで飛ぶように移動することが可能だ』
「オッケーオッケー。で、こっちはカオルンが飛べる」
「飛べるのだー!」
「飛べないのは、俺と達人とアカネルかあ。さて、どうしたものか」
抱えて運んでもらうにしても、一人多い。
誰一人として欠けてはいけないから、これをどうにか解決せねば。
「マスター、お忘れのようですが、当機能はこのように」
ポンッと音がして、アカネルがSDで小さい姿になった。
「マスコットモードになれるのです」
「そうだった!」
小さいアカネルをつまみ上げ、ポケットに突っ込んだ。
アカネルが顔をちょこんと出す形になる。
「解決した」
「お前のところの頭がいい女は、UFOキャッチャーの景品みたいな姿になるのか……」
「言い方あ」
こうして、俺たちはそれぞれ女子に抱えられて空を飛び帰還するのである。
オクタゴンが鉄板を投げたよりはゆっくりと、戻っていく。
海をようやく超えたところで、休憩にした。
ここは、山を一つ挟んでワンザブロー帝国跡というところ。
ワンザブロー帝国跡が魔導王の拠点になってた気がするから、ツーブロッカー帝国方面から帰ったほうが安全であろう。
まあ、あの神出鬼没な魔導王のこと。
いつやって来るとも限らないが……。
「さっき、魔導王に恐怖を刻みつけてやったからな。ああいうタイプは、案外慎重なんだ。理解できない戦い方をする俺を警戒して、しばらく本人が出てくることはなくなるぞ」
「マスター、よく分析されてますねえ」
「性格が捻じ曲がった俺みたいなやつだからなあ」
どこか似たところがある奴の考えることは、分かり易いのだ。
なので、魔導王はここから世界中に対して侵攻をスタートすると俺は睨んでいる。
自分がビビったということを悟られたくなくて、むしろ攻撃的になるってやつだ。
だが、本人が出てこないならばそこまで恐ろしくはない。
質より量で攻めてくるだろう。
それぞれの軍勢が対抗できる程度の強さの軍勢があちこちにばらまかれる事だろう。
魔導王、知性を持つ相手を信用してないきらいがあるから、全部ゴーレムではないのか。
休憩の後、ツーブロッカー帝国まで移動する。
すると、眼下をのしのし移動するゴーレム軍団が見えた。
もう軍勢を生産したのか。
数はそこそこ。
数百体というところか?
「おー! 誰もいないところを歩いていくのだ!」
「頭のいいバーバリアンは、戦わずに家畜だけ奪って逃げたらしいからな。それにゴーレムに勝っても得るものは何もない。放置するか、ギリギリまでは逃げ回るのがいいだろうな」
「でもカオルンは戦いたいのだなー。さっきは全然やれなかったのだ」
「そっかそっか。じゃあちょっとゴーレム片して行こうか」
そういうことになった。
ゴーレム軍団の直前に降りて、カオルンとフリズドライが立ちふさがる。
「やるのだ!」
『やるとするか』
「なんだ、ボーナスステージか?」
達人まで行ってしまった。
そこから先は、一方的な破壊劇である。
飛び回るカオルンが、ゴーレムを次々に切断する。
周辺一帯のゴーレムを凍結させて停止させるフリズドライ。
楽しそうにゴーレムをコンボで破壊する達人。
色々なコンボを試してやがるな。
勝負にならない。
多分、そこそこ強いゴーレムだろうし、中には魔法金属で作られたものも混じってると思うんだが……。
こいつらの前だと、土の体だろうが石だろうが鉄だろうが魔法金属だろうが、全部豆腐でできてるのと変わらない。
どんどんゴーレムが削れていった。
二分ほどしたら、ゴーレム軍団は全滅した。
スッキリした顔で三名が戻ってくる。
「面白かった?」
「たまには無機物をひたすら殴るのも、無心になっていいもんだ。格闘家が巻藁を突くのもよく分かるな……」
達人、格闘家の気持ちを理解したか。
お前、格闘技みたいなファイトスタイルだけど本人はゲーマーだもんなあ。
そして魔導王が生み出した殺戮機械のゴーレム軍団が巻藁扱いである。
「まあまあスッキリしたのだ! 帰ったら達人、手合わせするのだ!」
「おっ!! いいぞいいぞ!! やろうやろう!」
めちゃくちゃ嬉しそうな達人である。
フリズドライもハッとした。
そういうのもいいのか、という顔である。
『我とも手合わせをせよ。お前が我を下した戦い方、必ずや己のものとしてくれよう!』
「いいぞいいぞ! 俺は師匠となってお前に最強の戦い方というものを伝授してやる……! ともにサイキョーを目指そうではないか」
師弟みたいになってる。
達人がツヤツヤしてきたので、どうやら達人が思う理想の世界はこんな感じらしい。
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