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74・カレーである!!!!
第222話 カレーが生まれつつある
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岩のような姿をしたカレーコ。
これをいかにして料理するのか?
そこについて知識神は教えてはくれなかった。
『己の目と手で確かめてみろ! 実学を通じて見つける知もまた素晴らしき知なり!!』
なんだそうだ。
知識欲が高じて、無茶苦茶に肉体を鍛えているような神だ。
シルエットだけでも超マッチョだったもんな。
脳みそにも筋肉がついているらしい。
なので、ここからは砂漠の王国の料理人と協力し、カレーコを分析していくぞ。
「これがカレーコ……。いや、お恥ずかしながら、俺はレシピが完成されているメニューばかりを作っていた。新しい冒険を食において行う理由がなかったんだ。だが……。あなたが紹介してくれたレシピどおりのメニューを作ってみたら美味かった。しかも、拒絶感がなかったんだ。これは革命だった」
その人は、ターバンを被った髭面のむくつけき男性であり、どうも若いっぽい。
肌の色は僕に近いな。
だから、彼も僕に親近感を抱いているらしい。
僕の姿は、砂漠の王国とファイブショーナンの人によく似ているのであろう。
「アビダブだ。よろしく」
「ナザルだ。ご存知だと思うけど」
「当然」
握手をした後、彼と二人でカレーコを解体していくことにした。
外側は堅い。
完全に岩だ。
恐らくこれは、植物の外皮が硬化したものだろう……多分。メイビー。
「こいつはとんでもないな。ハンマーで叩いたんだが腕が痺れた! 大人しくこの金色の部分を削っていくのがいいんだろうな」
アブダビが肩をすくめた。
そりゃあそうでしょう。
ということで、二人でナイフを使い、金色の部分を削り落としていく。
ここはなんというか、思った以上に水分を含んでいて、言うなればココナッツの実のような感触だ。
そして……。
削るほどに、濃厚なカレーの香りがこの空間中に広がっていく。
「なんて……なんて凄い香りだ! これがカレーコだって言うのか!?」
「うん、言うなればこれは……僕の地元なら大多数がイメージする、最大公約数のカレーの香りという感じだな。これにマサラガラムを混ぜたら、なるほど、複雑玄妙なカレーの味を再現できることだろう……」
「あんたほどの人がそういうなら、そうなんだろうな……。いやあ、楽しみだ! どれどれ……?」
アブダビは削り取ったカレーコを、なんとパクっとくわえた!
その直後、彼の褐色の顔が地黒からも分かるくらい真っ赤になった。
「うほおおおおおおお!! かっ、かっ、辛い!! からぁーいっ!!」
「なるほど、味は激辛か……」
ちょっと削って舐めてみたら、なるほどなるほど。
生前通っていたカレーチェーン店の三辛くらいだ。
これはビリビリ来るな。
唐辛子の辛さとは違って、スパイスの香味と合わさって鼻と口内を一気に攻めてくるタイプの辛さだからな。
アブダビがハヒーハヒー言いながら、ミルクを飲んでいる。
正しい。
辛いものにはミルクがいい。
なお、この国のミルクはラクダやヤギだね。
「これをどうやって調理するって言うんだ……?」
「発酵させたミルクがあるだろ? あれにカレーコを刻んで混ぜて、そいつを煮てみよう」
「謎の調理法……!!」
アブダビには想像もつかないやり方だったらしい。
鍋にたっぷりと発酵乳とカレーコの切り身を入れ、ぐつぐつ煮る。
そうすると、なんとカレーコがとろ~りと溶け出したのだ!
このカレーコ部分、一体植物で言うどの辺りなんだろうな……。
発酵乳と合わさり、ぐつぐつ音を立てるカレーコ。
鍋の中の液体はどろりとして黄金に輝いている。
カレーコの強い香りが発酵乳と一緒になると、かなり丸くなる。
どーれ?
さじに掬って一口。
「おっ! まろやか!!」
「本当か!? 俺にも一口くれ! ……おおおお! 美味い! こいつは美味いよ! ……だが、一体全体、どうしてこんな組み合わせを考えついたんだ……?」
「まあ、ちょっとな……」
インドカレーってヨーグルトとかがベースになってたりしたよなーと思い出しただけだ。
そうしたらバッチリ上手く行った。
「大成功だな! このスープは美味いよ。画期的だ! これをみんなに発表しよう!」
「それもいい。だが……このままでは一味足りないとは思わないか? カレーコは確かに美味いが、まだだ。まだ、この料理は高みへ行ける。僕はここにピーカラとオブリーオイルを投下する! カレーは油だ! そしてピリッとした辛味!」
「本気か!? そんな色々な食材を加えて、ちゃんと料理ができるってのか!? ……あっ、美味い……」
「カレーは大体何を足しても美味くなるのだ……」
ああ、ライスが欲しい。
今回はマサラガラムを用いず、カレーコのスペックのみを追い求めるものとする。
ひとまずカレースープ(スープと言うにはどろりとしているゾル状)が完成した。
これは炊きたての米に掛けたら絶対美味いやつだ。
レトルトカレーレベルの味の複雑さにはまだ届かないものの、カレーという食べ物の美味さだけはきちんと抽出できたはずだ。
「よし、行くぞアブダビ! こいつをパンかパスタで食う。パンなら浸してカレーを吸わせ、パスタならカレーをまぶして食うぞ!!」
「なんて悪魔的な食べ方を考えつくんだあんたは……!! 恐ろしい男だよナザル……!!」
ということで、実食である。
これをいかにして料理するのか?
そこについて知識神は教えてはくれなかった。
『己の目と手で確かめてみろ! 実学を通じて見つける知もまた素晴らしき知なり!!』
なんだそうだ。
知識欲が高じて、無茶苦茶に肉体を鍛えているような神だ。
シルエットだけでも超マッチョだったもんな。
脳みそにも筋肉がついているらしい。
なので、ここからは砂漠の王国の料理人と協力し、カレーコを分析していくぞ。
「これがカレーコ……。いや、お恥ずかしながら、俺はレシピが完成されているメニューばかりを作っていた。新しい冒険を食において行う理由がなかったんだ。だが……。あなたが紹介してくれたレシピどおりのメニューを作ってみたら美味かった。しかも、拒絶感がなかったんだ。これは革命だった」
その人は、ターバンを被った髭面のむくつけき男性であり、どうも若いっぽい。
肌の色は僕に近いな。
だから、彼も僕に親近感を抱いているらしい。
僕の姿は、砂漠の王国とファイブショーナンの人によく似ているのであろう。
「アビダブだ。よろしく」
「ナザルだ。ご存知だと思うけど」
「当然」
握手をした後、彼と二人でカレーコを解体していくことにした。
外側は堅い。
完全に岩だ。
恐らくこれは、植物の外皮が硬化したものだろう……多分。メイビー。
「こいつはとんでもないな。ハンマーで叩いたんだが腕が痺れた! 大人しくこの金色の部分を削っていくのがいいんだろうな」
アブダビが肩をすくめた。
そりゃあそうでしょう。
ということで、二人でナイフを使い、金色の部分を削り落としていく。
ここはなんというか、思った以上に水分を含んでいて、言うなればココナッツの実のような感触だ。
そして……。
削るほどに、濃厚なカレーの香りがこの空間中に広がっていく。
「なんて……なんて凄い香りだ! これがカレーコだって言うのか!?」
「うん、言うなればこれは……僕の地元なら大多数がイメージする、最大公約数のカレーの香りという感じだな。これにマサラガラムを混ぜたら、なるほど、複雑玄妙なカレーの味を再現できることだろう……」
「あんたほどの人がそういうなら、そうなんだろうな……。いやあ、楽しみだ! どれどれ……?」
アブダビは削り取ったカレーコを、なんとパクっとくわえた!
その直後、彼の褐色の顔が地黒からも分かるくらい真っ赤になった。
「うほおおおおおおお!! かっ、かっ、辛い!! からぁーいっ!!」
「なるほど、味は激辛か……」
ちょっと削って舐めてみたら、なるほどなるほど。
生前通っていたカレーチェーン店の三辛くらいだ。
これはビリビリ来るな。
唐辛子の辛さとは違って、スパイスの香味と合わさって鼻と口内を一気に攻めてくるタイプの辛さだからな。
アブダビがハヒーハヒー言いながら、ミルクを飲んでいる。
正しい。
辛いものにはミルクがいい。
なお、この国のミルクはラクダやヤギだね。
「これをどうやって調理するって言うんだ……?」
「発酵させたミルクがあるだろ? あれにカレーコを刻んで混ぜて、そいつを煮てみよう」
「謎の調理法……!!」
アブダビには想像もつかないやり方だったらしい。
鍋にたっぷりと発酵乳とカレーコの切り身を入れ、ぐつぐつ煮る。
そうすると、なんとカレーコがとろ~りと溶け出したのだ!
このカレーコ部分、一体植物で言うどの辺りなんだろうな……。
発酵乳と合わさり、ぐつぐつ音を立てるカレーコ。
鍋の中の液体はどろりとして黄金に輝いている。
カレーコの強い香りが発酵乳と一緒になると、かなり丸くなる。
どーれ?
さじに掬って一口。
「おっ! まろやか!!」
「本当か!? 俺にも一口くれ! ……おおおお! 美味い! こいつは美味いよ! ……だが、一体全体、どうしてこんな組み合わせを考えついたんだ……?」
「まあ、ちょっとな……」
インドカレーってヨーグルトとかがベースになってたりしたよなーと思い出しただけだ。
そうしたらバッチリ上手く行った。
「大成功だな! このスープは美味いよ。画期的だ! これをみんなに発表しよう!」
「それもいい。だが……このままでは一味足りないとは思わないか? カレーコは確かに美味いが、まだだ。まだ、この料理は高みへ行ける。僕はここにピーカラとオブリーオイルを投下する! カレーは油だ! そしてピリッとした辛味!」
「本気か!? そんな色々な食材を加えて、ちゃんと料理ができるってのか!? ……あっ、美味い……」
「カレーは大体何を足しても美味くなるのだ……」
ああ、ライスが欲しい。
今回はマサラガラムを用いず、カレーコのスペックのみを追い求めるものとする。
ひとまずカレースープ(スープと言うにはどろりとしているゾル状)が完成した。
これは炊きたての米に掛けたら絶対美味いやつだ。
レトルトカレーレベルの味の複雑さにはまだ届かないものの、カレーという食べ物の美味さだけはきちんと抽出できたはずだ。
「よし、行くぞアブダビ! こいつをパンかパスタで食う。パンなら浸してカレーを吸わせ、パスタならカレーをまぶして食うぞ!!」
「なんて悪魔的な食べ方を考えつくんだあんたは……!! 恐ろしい男だよナザル……!!」
ということで、実食である。
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