封印された魔王を解放してしまいましたが、私が何とかしますので放っといてください〜奇跡の力を持つ1人の女性は、2人の王子から愛を捧げられる〜
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
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本章1 本当の姿
来訪者①
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とりあえず私は、地下室から何十冊にも及ぶ書物を、応接室に持ち込んだ。
テーブルいっぱいに、いくつもの書物を広げながら、10代目当主の書物の大半を読み込んでいる。
「そういうことか……」
いくつもの魔法を確認していると、関連する魔法がそれぞれにあることに気が付いた。
何冊にも分かれて記載されている関連性を、つなぎ合わせながら丁寧に確認しているけど、これはなかなか骨の折れる作業だわ。
初代当主と現当主の中間に位置する書物だけど、それでも約250年の時間が経っている書物だもの、頁をめくるのも気を遣うわ。思っていたより時間がかかってしまう。
領地へ戻ってくる時に感じた魔力は、今は全く感じることはない。
これは私の感覚の問題ではなくて、今、確かに、その魔力の源となるものが近くにないだけ。
父が毎日、あらゆる方面に些細な変化がないかを、所有する情報機関や騎士まで使って情報を集めている。
父自らも、毎日あちこちに出かけ、何かをしている。
****
あの日、私が感情を高ぶらせなければ……。あれから、毎日後悔しかない。
あの日、ジュリアス王子が助けてくれなかったら?
何回も同じことを考えては、かき消している。
王族の事なんて、思いだしたくないのに、そのせいで、嫌でも思い出してしまうジュリアス王子……。
あの方の癒しの力は、とても洗練されていたと思う。
他人に癒しの力をかけられたことは多くはないけど、妃教育の中で、教師たちが使う癒しの力や、カール様が私に教えてくれるために見せてくださった癒しの力は、そこまで洗練されていたものではなかったはず。
そして、あれだけの時間、癒しの力を使い続けられたのも、絶妙なコントロールがあったから。
私が声を出さなければ、あの後も、私に癒しの力を続けていたのだろうか。
教師たち曰く。癒しの力を使うと、体力も消耗するらしい。数分間力を使うと、半刻ほど使えないと言っていた。
そう考えると、ジュリアス王子の才能も、相当なものなのではないだろうか?
一般的な感覚を測るには、私の癒しの力は規格外過ぎて、全く参考には使えないから、よくわからないんだけど。
私が癒しの力を数分もの間、かけ続けなければならないことに、遭遇することはないから。空間に力を充満させるのは、一瞬でできるし、重症の傷を治すのであれば、直接的に癒しの力を使うけど、それでも特に疲労を感じたことはない。
****
その頃……。
父は、領地内にある聖女と魔王の石像を見に来ていた。
父が絶望で項垂れていることなど、想像すらしてなかった。
そして……。
私にとって、会いたくない来訪者が邸の前に立っているとは、想像もつかなかった。
テーブルいっぱいに、いくつもの書物を広げながら、10代目当主の書物の大半を読み込んでいる。
「そういうことか……」
いくつもの魔法を確認していると、関連する魔法がそれぞれにあることに気が付いた。
何冊にも分かれて記載されている関連性を、つなぎ合わせながら丁寧に確認しているけど、これはなかなか骨の折れる作業だわ。
初代当主と現当主の中間に位置する書物だけど、それでも約250年の時間が経っている書物だもの、頁をめくるのも気を遣うわ。思っていたより時間がかかってしまう。
領地へ戻ってくる時に感じた魔力は、今は全く感じることはない。
これは私の感覚の問題ではなくて、今、確かに、その魔力の源となるものが近くにないだけ。
父が毎日、あらゆる方面に些細な変化がないかを、所有する情報機関や騎士まで使って情報を集めている。
父自らも、毎日あちこちに出かけ、何かをしている。
****
あの日、私が感情を高ぶらせなければ……。あれから、毎日後悔しかない。
あの日、ジュリアス王子が助けてくれなかったら?
何回も同じことを考えては、かき消している。
王族の事なんて、思いだしたくないのに、そのせいで、嫌でも思い出してしまうジュリアス王子……。
あの方の癒しの力は、とても洗練されていたと思う。
他人に癒しの力をかけられたことは多くはないけど、妃教育の中で、教師たちが使う癒しの力や、カール様が私に教えてくれるために見せてくださった癒しの力は、そこまで洗練されていたものではなかったはず。
そして、あれだけの時間、癒しの力を使い続けられたのも、絶妙なコントロールがあったから。
私が声を出さなければ、あの後も、私に癒しの力を続けていたのだろうか。
教師たち曰く。癒しの力を使うと、体力も消耗するらしい。数分間力を使うと、半刻ほど使えないと言っていた。
そう考えると、ジュリアス王子の才能も、相当なものなのではないだろうか?
一般的な感覚を測るには、私の癒しの力は規格外過ぎて、全く参考には使えないから、よくわからないんだけど。
私が癒しの力を数分もの間、かけ続けなければならないことに、遭遇することはないから。空間に力を充満させるのは、一瞬でできるし、重症の傷を治すのであれば、直接的に癒しの力を使うけど、それでも特に疲労を感じたことはない。
****
その頃……。
父は、領地内にある聖女と魔王の石像を見に来ていた。
父が絶望で項垂れていることなど、想像すらしてなかった。
そして……。
私にとって、会いたくない来訪者が邸の前に立っているとは、想像もつかなかった。
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