最強の能力師は世界平和の為には頑張らない

秋桜

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一学期

15,班対抗戦 ① ~説明回~*

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班対抗戦、個人対抗戦。
そのどちらもが全生徒に向けて中継され、録画も残るのでこの入学直後のテストは結構これからの学校生活において重要だったりする。

そしてそのテストと一学期末試験の結果を基準に二学期に開催されるサリス附属高等学校の評技大会の選手選抜を選ぶ。

班対抗戦の形式は何種類かあり、旗を取り合うフラッグ戦や攻撃側防御側にわかれての基地防衛戦、班全員が純粋に戦い合い最後まで残っていた人の班が勝ちの生存戦、逃げる目標を先に捕獲した方が勝ちの探知捕獲戦、護衛対象を目的地まで護衛する側と攻撃する側にわかれる護衛戦などなど他にも多数ある。

個人対抗戦でも同じで1対1、フラッグ戦、探知捕獲戦などいくつもある。

蘭花達の班の初戦は6班対抗のターゲット戦だ。

ターゲット戦とは…
まず、各班一人づつターゲットリーダーを選ぶ。
そして、そのリーダーをやられたら負け。
最後までリーダーが生きていた班が勝ちという単純なものだ。

対戦ステージは学園側がランダムに決めた広さ直径1kmの範囲だ。
そして自分と同じ班の人以外の生存者がいなくなれば勝利となる。
生存者と死亡者は全員が胸につける直径5cmの丸い機械で判別される。
その機械は、着装者のダメージが一定を超えた時と機械そのものが壊れた時に対戦エリアから外の控え室にとばす機能がある。
対戦ステージ内で負った傷は生きている限り外に出れば回復する。
だが、いくら回復すると言われても痛みは普通に感じるので、暗黙のルールとして[相手に打撲以上の怪我をさせない]というものがあった。

試合の開始時は各班教師に指示された地点から全員揃っての開始となる。
開始地点までは不正が行われないように教師にが連れていく。
開始地点につくと全員の胸につけている丸い機械が動き出し、同時に中継用の空中に浮く超小型のカメラが動き出す。
そのカメラはAIのプログラムで動いている。
さらに能力者によって作られているので戦闘している生徒達には見えないように透明化の機能がついていた。

開始地点に着いた蘭花達はこの班のリーダーを誰にするか多数決で決めていた。

「はーい、じゃあリーダーやって欲しい人をみんな一斉に指名しよっか。」

成人がそう言い合図を出すと蘭花以外のメンバーは全員蘭花を差し、蘭花は自分の手を挙げた。
蘭花が自分で手を挙げたのは仲間を信用していないわけでも、弱いからと馬鹿にしている訳でもない。
能力と作戦の内容的に今回のリーダーは自分が1番最適だと判断したのだ。
まず、前衛である七凪、颯では機械が戦闘中に壊されて終わる可能性がある。
中衛である成人は今回の作戦では敵を能力で制圧する役目だし、後衛の葵依は能力が精神干渉系なので自分の守りに不安が残る。
それにそもそも葵依には、この対抗戦の蘭花達の班の攻撃の要だ。
オーラを見ることによって他人の感情がわかるという能力で敵のリーダーを見分けるという重要な役目を任されていた。
それに引替え、蘭花ならいざとなれば転移で逃げられる上に結界もある。
以上の理由からリーダーは蘭花しか居ないのだ。

「ねぇ…これ、多数決する必要あった?」

私がみんなに言うと…。

「それもそうだね。」
と七凪。

「こういうのはみんなで決めたと明確にしておいた方がいんだよ?その方が後でもめる可能性が少ないから。まあ、今回に限っては後々揉めることは無さそうだけどね。」
と成人。

「俺は多数決やりたくない理由もなかったから止めなくていいかと思ったっていうのと、開始まで時間あって暇だったからな。」
と颯。

「止めても止めなくても結果変わらないなら止めなくていいかなと思ったのよ。」
と葵依。

その様子を見ていた引率の教師がリーダーを設定した。

そして蘭花達がいる周辺のカメラを起動させ胸につけた丸いバッチのモードを戦闘用に切り替えると先生は『開始時刻になったらアナウンス流れるからそれまでここで待機。不正はカメラが見張ってるからしようとするなよ。』と言いエリアの外へと消えていった。

「先生も居なくなったから、作戦の最終確認しよ?」

七凪のその言葉を聞いた私はみんなにアイコンタクトをとって確認しつつ、カメラに内蔵されたマイクに音が拾われないように防音の結界をはる。

「七凪…それにみんなも…。その、作戦の事で…1つ…いい?」

「防音の結界はるってことは俺たち以外には知られたくない話って認識でOK?」

私の無色透明な防音結界に目のいい颯が唯一気づいたようで他のみんなに教える様に言った。

「えっ、結界?待って?試合開始前に能力使ったら不正行為判定されないかしら…。」

それを聞いた葵依が不安そうにカメラを見ながら言った。

「そこは大丈夫!私の勝手な行動でみんなを追試にはしたくなかったから、事前に確認済みです!試合開始前のこの時間に能力使ってカメラを遠ざけるとかは毎年みんながやってる事らしいよ?試合開始前のアナウンスで能力解除すれば問題ないって先生も言ってた。」

蘭花は入学後の為に兄からいろいろ聞いていた。
この"カメラ避け"はその一つである。

得意げな表情をして言った蘭花を見て複雑そうな表情をした成人が蘭花に言った。

「外面モードのままって事は防音だけだよね?口の動きで喋ってることバレない?あんまり意味ないよ?」

成人が口元を右手で隠しながら言った。

「そうね。作戦会議中は今の成君みたいに口元隠しながら話しましょ!」

私は口元を隠しながら言った。

「そんなに聞かれたくないことなら結界に防音以外の効果もつければいいんじゃ…?」

七凪が口元を隠しつつも不思議そうに言った。

「それが出来れば1番いんだけど私の結界は防音以外の効果も付けると結界が視覚化出来てしまうの。いくらみんなやってるからと言って、あからさまなのはあんまり良くないかと思って。で、ここからはさっき私が言いかけてたことにも繋がるんだけどね…―――」

実際は、結界のようなものを張ることの出来るこの能力をまだ班員以外の人間に知られたくないからだ。

そこから試合が始まるまでの数分間私はみんなに私の能力について少しだけ説明した。

**********

お久しぶりです。

ここまで読んでくださった方、
こんな素人の作品を読んでくださって
ありがとうございます。

『○○話○○○の所、意味わかりません』とか『もっとこうした方がいいかも』とかあったら気軽にコメントくださいm(*_ _)m
自分では気づけない所とか教えてくれたら嬉しいです。
作者はお豆腐メンタルなので優しく教えてくれたら嬉しいです←

……ちょっと図々しいですかね?( ̄▽ ̄;)

と、とにかく!  

これからも
リアルのお仕事を頑張りながら
マイペースにやって行きます。

これからも気が向いたら覗きに来てください。


秋桜**
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