戯契

竹村龍女

文字の大きさ
3 / 4
本編

1-2

しおりを挟む




 長い時間をかけた女王の成人の儀の終焉を、



 空に浮かぶ深紅の月が告げる。




 地上では、女王を迎える為の宴も準備に追われていた。


 

 黄金の繭は全て砕け散り砂塵となった。

 その間も女王はストレッチを続けている。



 あぐらをかいた全裸の女が、繭のあった場所に座っていた。

 青みがかった象牙の肌に、腰まで滑り落ちる漆黒の長い髪。




 切れ長の目つきの悪い悪女的であるが、蠱惑的でもあった。

  
 
 そっと開い朱金の瞳は、威圧的でまさしく王の威厳に満ちている。




 成人の儀の証として、


 女王の頭髪から二本の朱金の角が生えていた。



 女王はもう一度背伸びをすると、正面の扉に目を向けた。

 この部屋は、王城の地下の洞窟であり、

 その洞窟の最奥に祭壇があり、この部屋の出入り口である、扉との間には地底湖が存在している。

 女王は、水面に足を下ろした。
 水に浸かる事なく、


 ひたひたと、水面を歩き出した。


 その間も、全裸のまま身を隠さずに女王は堂々としている。

 女王が扉に手をかざすと、

 扉が光輝き、押し開かれた。
 


 メイド服を着たロリータ系のメイドが一人立っていた。

「成人の儀、おめでとうございます。女王陛下」

 メイドは深々とお辞儀しながら祝いの言葉を申し上げ、女王にガウンを差し出した。

 女王はコクリとうなづくと、



「湯浴みの支度も整えております。
 どうぞ、こちらへ」
 メイドは、さらに奥の扉を押し開いて湯殿へ女王を導いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

彼の過ちと彼女の選択

浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。 そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。 一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた

しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。 すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。 早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。 この案に王太子の返事は?   王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

処理中です...