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夢幻の旅路十二
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俺達はイシスの町で宮殿の復旧に関わっていた。建築技術は中世レベルらしくひたすらレンガを積み重ねて宮殿を再び作っていく。俺達二人は黙々と熱い日差しの中レンガを運んでいた。
「あつい…嫌になってくるな。」
「そうだね。いつまでこの作業が続くかどうかも分からないし、精神的に辛いな。」
「代わり映えしない単純労働。人々は原子化したと言っていたけど…まさか建築技術も中世レベルとはな。とほほ。」
「諦めて逃げ出すかい?他の町に行けば切った張ったをまた繰り返す生活に戻れるよ。」
「いや止めておこう。闘わないのが一番だ。レンガ運びは辛いものが有るけどな。」
現場監督がこちらにやってきた。
「おい!冒険者!手を止めるな。レンガを運ぶんだ。いつまで経っても宮殿を復旧出来ないぞ!」
「ボソボソ…クソ!好き放題言いやがって…」
「ボソボソ…慎吾。ここで抵抗するのは良くないと思う。暴れてでもみろ。イシスの女王の顔を潰す事になるぞ。大人しく従うんだ。」
「どうした?何か言いたい事でもあるのか?なんだその不満げな顔は?偉大なるイシスの女王から命を受けた俺に逆らうのか?」
レンコが口を開いた。
「いいや。何も文句はない。気を悪くさせてしまったのなら申し訳無かった。さあ行くよ。慎吾。レンガ運びに戻ろう。」
俺達は現場監督から離れると再びレンガ運びに戻った。運ぶ…渡す…運ぶ…渡す…運ぶ…渡す…無限に続くループ。頭がおかしくなりそうになる。いやもう狂っているのかもしれない。こんな単純作業に甘んじているなど…それから何ヵ月経ったんだろう。
俺達はその日もレンガを運んでいた。終わらない悪夢。でも復興を手伝うと誓ったのだ。簡単に諦める事は出来ない。宮殿も大半は直し終えた。だと言うのに。
オモイカネデバイスが伝える。
「宮殿内部に高エネルギー反応!魔界のゲートが一瞬精製されました。魔獣が転移してきます。魔獣名…666のビースト。」
そうオモイカネデバイスが伝えると俺達が直した宮殿が吹き飛んだ。また瓦礫の山に戻る。そして現れる666のビースト。巨大な人型の化物だ。全身毛むくじゃらで目はランランと光っている。
その時確かにレンコがぶちぎれる音を俺は聞いた。レンコが暴れて全てを灰塵に帰す前にやることがある。
人々が逃げ惑う中俺はエクスリボルグを構えた。そして縮地で666のビーストに接近する。奴は俺に気付くと目の前に魔方陣を展開した。中からは槍が姿を表す。
俺は奴の目の前に縮地を終えたと同時に槍をこちらに向けて射出してきた。俺はエクスリボルグで一度は弾いたが槍には必中の呪いが掛かっているらしい。
弾いた槍がグググと角度を変えて俺を後ろから貫いた。俺の足が止まる。そこに666のビーストは魔法を連射して浴びせてきた。
カオスバースト!
アルテマスパーク!
ダークネスライジング!
インパクトレイズ!
……………………………
魔法の連射は止まらない。俺はズタズタに切り裂かれた。五、六回は死んだと思う。
666のビーストが口を開く。
「グガガガガガ…キヒヒ。なるほど貴様は不死者か!神の手先の化物め!このイスワルドは我等魔族の物だ。永遠に朽ち果てるが良い!魔王級呪詛!ルナティックアルティメットワン!塵に帰れ蛆虫!」
極大の月が顕現し、俺を押し潰しに掛かる。俺は自分に刺さってこの場に縫い止めている槍を掴むと引き抜いた。
「グアア…アグア…ハアハア。エクスリボルグ!行くぞ!」
そして月が落ちてくるより先に666のビーストの目の前に躍り出た。
「打ってくるが良い。そんな木の棒で何が出来ると言うのだ!」
「皆さん最初はそう言うんですよ!喰らえ!対星必殺奥義!億劫蓬莱神獄剣!」
どす黒いオーラを纏ったエクスリボルグで袈裟斬りを連続で奴に叩き込む。ただの悪魔に耐えられる道理は無く…
「いてて!いて…ああ。気分が悪い。とても頭がクラクラする。地面が揺れる。何て事だ。木の棒で殴られるだけでこれほどのダメージを受けるとは…無念。ガックリ。」
666のビーストは気絶した。と次の瞬間、レンコの無銘弓の一撃が奴を穿った。究極の霊爆が巻き起こる。666のビーストは即死した。建物はレンコの一撃で更に激しく吹き飛んだ。あちゃー。これが怖かったんだよ。
「レンコ!もう勝負は着いてた!君が宮殿を破壊してどうするんだ。」
「…あんまり神の権能を介入させたくは無かったんだけどね。あたしが自ら破壊した事でもあるし、いつまでもイシスの町に止まって居られない。嫦娥様!時限回復系統のアーティファクトを下さい。」
「レンコか?なんや。今度はどっかを吹っ飛ばした後始末かい。まあええわ。貸したる。アマテラスの杖や。これで破壊された物を以前の状態に戻せるで。使用後は消去されるから安心しい。じゃあの。」
そう嫦娥様が言い終わるとレンコの目の前に虹色に鈍く光る杖が現れた。それを振るうレンコ。破壊され尽くした宮殿は以前の威容を取り戻していた。
宮殿の復旧作業をしていた作業員や現場監督からは拍手喝采が送られてきた。
その中にはイシスの女王も居た。
女王は近くまで来ると口を開いた。
「私や部下の住む宮殿を復旧して頂きありがとうございます。確かに以前の宮殿を復旧して頂きました。このお礼金銭では表しきれません。貴方達の一生の生活を保証します。どうかこれからもイシスの町に居て頂けないでしょうか。」
「それは出来ない。あたし達は人世を護るために旅を続けている。一ヶ所に止まる事は出来ない。今回は自力で立ち直ったのがグチャグチャにされたから助け船を出しただけだ。勘違いしないでほしい。あたし達はイシスの絶対的な味方でもないし、便利屋でも無いんだ。これからは自分達の足で立って生きていけ。」
「女王様。相方の言う通りだ。いつも俺達の助けがあると考えるのもイシスの民に取って良くない。民から軍を立ち上げ魔物や悪神からイシスの町を護れるようにしなくてはならないぞ。頑張ってくれ。俺達は去るのみだ。」
「そこまで言われては引き留める事は叶いませんね。全てを見た人と現人神様を待っている民がこのイスワルドには無数に居るでしょう。さらばです。そしてこれは私からの気持ちです。女官!ゴールドを持ちなさい。」
俺達は女王の女官から五万ゴールドを受け取った。これで所持金は四十八万ゴールドになった。
俺達は歓声を浴びながらイシスの町を去った。砂漠のオアシスよ。さらばだ。次はどの町でどんな困難が待っているのやら。
次の旅に続く
「あつい…嫌になってくるな。」
「そうだね。いつまでこの作業が続くかどうかも分からないし、精神的に辛いな。」
「代わり映えしない単純労働。人々は原子化したと言っていたけど…まさか建築技術も中世レベルとはな。とほほ。」
「諦めて逃げ出すかい?他の町に行けば切った張ったをまた繰り返す生活に戻れるよ。」
「いや止めておこう。闘わないのが一番だ。レンガ運びは辛いものが有るけどな。」
現場監督がこちらにやってきた。
「おい!冒険者!手を止めるな。レンガを運ぶんだ。いつまで経っても宮殿を復旧出来ないぞ!」
「ボソボソ…クソ!好き放題言いやがって…」
「ボソボソ…慎吾。ここで抵抗するのは良くないと思う。暴れてでもみろ。イシスの女王の顔を潰す事になるぞ。大人しく従うんだ。」
「どうした?何か言いたい事でもあるのか?なんだその不満げな顔は?偉大なるイシスの女王から命を受けた俺に逆らうのか?」
レンコが口を開いた。
「いいや。何も文句はない。気を悪くさせてしまったのなら申し訳無かった。さあ行くよ。慎吾。レンガ運びに戻ろう。」
俺達は現場監督から離れると再びレンガ運びに戻った。運ぶ…渡す…運ぶ…渡す…運ぶ…渡す…無限に続くループ。頭がおかしくなりそうになる。いやもう狂っているのかもしれない。こんな単純作業に甘んじているなど…それから何ヵ月経ったんだろう。
俺達はその日もレンガを運んでいた。終わらない悪夢。でも復興を手伝うと誓ったのだ。簡単に諦める事は出来ない。宮殿も大半は直し終えた。だと言うのに。
オモイカネデバイスが伝える。
「宮殿内部に高エネルギー反応!魔界のゲートが一瞬精製されました。魔獣が転移してきます。魔獣名…666のビースト。」
そうオモイカネデバイスが伝えると俺達が直した宮殿が吹き飛んだ。また瓦礫の山に戻る。そして現れる666のビースト。巨大な人型の化物だ。全身毛むくじゃらで目はランランと光っている。
その時確かにレンコがぶちぎれる音を俺は聞いた。レンコが暴れて全てを灰塵に帰す前にやることがある。
人々が逃げ惑う中俺はエクスリボルグを構えた。そして縮地で666のビーストに接近する。奴は俺に気付くと目の前に魔方陣を展開した。中からは槍が姿を表す。
俺は奴の目の前に縮地を終えたと同時に槍をこちらに向けて射出してきた。俺はエクスリボルグで一度は弾いたが槍には必中の呪いが掛かっているらしい。
弾いた槍がグググと角度を変えて俺を後ろから貫いた。俺の足が止まる。そこに666のビーストは魔法を連射して浴びせてきた。
カオスバースト!
アルテマスパーク!
ダークネスライジング!
インパクトレイズ!
……………………………
魔法の連射は止まらない。俺はズタズタに切り裂かれた。五、六回は死んだと思う。
666のビーストが口を開く。
「グガガガガガ…キヒヒ。なるほど貴様は不死者か!神の手先の化物め!このイスワルドは我等魔族の物だ。永遠に朽ち果てるが良い!魔王級呪詛!ルナティックアルティメットワン!塵に帰れ蛆虫!」
極大の月が顕現し、俺を押し潰しに掛かる。俺は自分に刺さってこの場に縫い止めている槍を掴むと引き抜いた。
「グアア…アグア…ハアハア。エクスリボルグ!行くぞ!」
そして月が落ちてくるより先に666のビーストの目の前に躍り出た。
「打ってくるが良い。そんな木の棒で何が出来ると言うのだ!」
「皆さん最初はそう言うんですよ!喰らえ!対星必殺奥義!億劫蓬莱神獄剣!」
どす黒いオーラを纏ったエクスリボルグで袈裟斬りを連続で奴に叩き込む。ただの悪魔に耐えられる道理は無く…
「いてて!いて…ああ。気分が悪い。とても頭がクラクラする。地面が揺れる。何て事だ。木の棒で殴られるだけでこれほどのダメージを受けるとは…無念。ガックリ。」
666のビーストは気絶した。と次の瞬間、レンコの無銘弓の一撃が奴を穿った。究極の霊爆が巻き起こる。666のビーストは即死した。建物はレンコの一撃で更に激しく吹き飛んだ。あちゃー。これが怖かったんだよ。
「レンコ!もう勝負は着いてた!君が宮殿を破壊してどうするんだ。」
「…あんまり神の権能を介入させたくは無かったんだけどね。あたしが自ら破壊した事でもあるし、いつまでもイシスの町に止まって居られない。嫦娥様!時限回復系統のアーティファクトを下さい。」
「レンコか?なんや。今度はどっかを吹っ飛ばした後始末かい。まあええわ。貸したる。アマテラスの杖や。これで破壊された物を以前の状態に戻せるで。使用後は消去されるから安心しい。じゃあの。」
そう嫦娥様が言い終わるとレンコの目の前に虹色に鈍く光る杖が現れた。それを振るうレンコ。破壊され尽くした宮殿は以前の威容を取り戻していた。
宮殿の復旧作業をしていた作業員や現場監督からは拍手喝采が送られてきた。
その中にはイシスの女王も居た。
女王は近くまで来ると口を開いた。
「私や部下の住む宮殿を復旧して頂きありがとうございます。確かに以前の宮殿を復旧して頂きました。このお礼金銭では表しきれません。貴方達の一生の生活を保証します。どうかこれからもイシスの町に居て頂けないでしょうか。」
「それは出来ない。あたし達は人世を護るために旅を続けている。一ヶ所に止まる事は出来ない。今回は自力で立ち直ったのがグチャグチャにされたから助け船を出しただけだ。勘違いしないでほしい。あたし達はイシスの絶対的な味方でもないし、便利屋でも無いんだ。これからは自分達の足で立って生きていけ。」
「女王様。相方の言う通りだ。いつも俺達の助けがあると考えるのもイシスの民に取って良くない。民から軍を立ち上げ魔物や悪神からイシスの町を護れるようにしなくてはならないぞ。頑張ってくれ。俺達は去るのみだ。」
「そこまで言われては引き留める事は叶いませんね。全てを見た人と現人神様を待っている民がこのイスワルドには無数に居るでしょう。さらばです。そしてこれは私からの気持ちです。女官!ゴールドを持ちなさい。」
俺達は女王の女官から五万ゴールドを受け取った。これで所持金は四十八万ゴールドになった。
俺達は歓声を浴びながらイシスの町を去った。砂漠のオアシスよ。さらばだ。次はどの町でどんな困難が待っているのやら。
次の旅に続く
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