上 下
22 / 38

打ち明け

しおりを挟む
「ポチ、ちょっといいかな。」

「ん。お兄ちゃんどしたの?」

ポチがてこてこと走ってくる。犬耳は無くなって、今は普通の人間の姿だ。

「昨日、その…ポチが発情したじゃん…?」

「っ…!ひょっとしてぼく何かしちゃった…?」

「いや、ポチは何もしてないよ。ほんとに。1回目と違ってなんか…かわ…じゃなくて、いい子?だった。」

かわ?とポチが首を傾げるが、それならよかった!と笑う。この笑顔をずっと守りたい。だけど昨日思った事を今言ったらポチはどう思うだろう。
でもこのまま黙り続けていたら、なんでも素直に俺に話してくれるポチに失礼な気がする。

「えっとね、その…昨日のね、へたって大人しくて甘えてくるポチが…その…すっごく可愛くて…俺おかしいのかなって…」

本当に昨日は疲れていたのかわからないが、あの甘えてくるポチを見ていたらなんだかドキドキした。

「お兄ちゃん!それ、恋ってやつ、かな!?」

「はえ?」

「ドキドキして、恥ずかしくておかしくなっちゃいそう…?」

「は…はい…」

恋だー!!とポチはニコニコする。あれが恋?多分違うと思うが…ポチに嫌われなくて良かった。

「お兄ちゃん顔真っ赤だー!可愛い!」

「あ、えっや、やめてよポチ、からかわないで…」

「お兄ちゃんがぼくに恋…!えへ、両思い!」

両思い、か。確かにポチのことは好きだけど、それはこれまでは家族としてだった。あの時の気持ちは…ポチの事が一人の男として好きって事か?
いや、男の子に限らず男性に恋心なんか抱いたことはないが…これが恋なのか。とりあえずポチの言う恋を信じてみることにした。

「そう…だね。俺、ポチに恋してるのかも。」

「やったぁー!!じゃあぼくのこともっと好きになってもらわなきゃ!」

ポチは俺に身体を擦り付ける。時折お兄ちゃん…と甘えた声で言う。またあの感情だ。ドキドキして、新しい扉を開くような…

「俺はショタコンじゃない…ポチは恋人…そうだよ…ね…」

「しょたこん?よく分かんないけどお兄ちゃんはお嫁さん!だからぼくの匂いいっぱいつける!」

ぎゅうっとポチが抱きつく。すりすりされて少しくすぐったい。しかし、ポチが小さい声で「もうすぐ…中もぼくの匂いつけてあげるね。」と言ったのは聞き逃さなかった。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

僕の調教監禁生活。

BL / 完結 24h.ポイント:227pt お気に入り:235

魔王さんのガチペット

BL / 連載中 24h.ポイント:631pt お気に入り:3,367

上の階のおにいちゃん

BL / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:472

【完結】社畜が満員電車で「溺愛」されて救われる話

BL / 完結 24h.ポイント:411pt お気に入り:2,377

伯爵と甥

BL / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:166

可愛い男の子が快楽堕ちする話集

BL / 連載中 24h.ポイント:1,165pt お気に入り:29

枕営業のはずが、重すぎるほど溺愛(執着)される話

BL / 連載中 24h.ポイント:12,085pt お気に入り:1,198

叔父さんと一緒♡

BL / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:147

処理中です...