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犬VSポチ

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「お兄ちゃん暇ぁぁーーー…」

ポチが寝っ転がりながら言う。このところあまり遊んでなかったから退屈だったんだろう。

「じゃあ…公園でも行く?」

「え!いいの!?わーい!!」

ポチが起き上がり、近付いてくる。
家の近く…ポチを拾った公園に行く。遊具は少ない方だが、十分な広さだ。

「午前中の公園…久々だなぁ…」

「お兄ちゃん!みてみて泥団子!」

早くもポチは砂まみれで楽しんでいる。洗濯は大変になるだろうけどポチが楽しいならいいか。

「ほんとだ、綺麗に作れたね。」

「うん!お兄ちゃんにあげるね!」

ポチから泥団子を貰った。俺も小さい頃はよく作ったなぁと思いつつ、泥団子を紙にくるんで持ち帰ることにした。

「うぁぁああああお兄ちゃぁぁああ!!!」

「ワン!!」

「ええええどうしたポチ!!?」

ポチが悲鳴をあげながら走ってくる。ポチの後ろからは大型犬が尻尾を振りながら追いかけている。

「怖いよぉおおー!!!」

「ぽ、ポチ落ち着いて!ただの犬だから、!可愛いよ、ね?」

ポチが俺の後ろに隠れるので取りあえず大型犬を受け止める。どこから来た犬だろう。
周りを見ても飼い主は見つからない。こういうときは…交番?

「ゔぅぅ…ぐるるるる…わん!!わんんん!!」

「ん?どうした犬…ってポチか!ちょっと吠えないでポチ!」

ポチが大型犬に向かって威嚇している。必死にわんわん言ってて可愛い…じゃなくて近所迷惑になりそうだ。

「わん!!わんわんわんわん!!」

「ワン!ワンワン!!ワン!」

ポチの鳴き声にテンションが上がってしまったのか大型犬も大喜びで吠えている。まずい。このままだと本当に近所迷惑に…

「2人…2匹…?あ、えっと…ストップ!!こら!」

「あう…」

「ワフ…」

大型犬とポチがしょぼん…とする。罪悪感がすごいが、取りあえず大型犬は交番に届けた。

「犬怖い…お兄ちゃぁ…」

帰り道、ポチが泣きだしてしまった。あの一生懸命鳴いてたのは怖かったからか。

「大丈夫だよ。俺が守るからね。」

「うん…ぐすっ…お兄ちゃん抱っこ…」

はいはい、とポチを抱き上げると、前よりも少し重くなっていた。ポチも成長しているんだなぁ…と思いつつ、家に帰ってポチを風呂に入れる。

「お兄ちゃんと入りたかったぁ…」

「先にこの服洗濯しないとだから…ごめんね、明日は一緒に入ろうね。」

うん、とポチが頷く。すると、玄関のチャイムが鳴った。もう夕方だ。宅配便は頼んでいないはずだが…
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