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声
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「祐希くん、こいつの声いつから聞こえるようになったの?」
ご主人様はよしよし…と僕をあやしながらそう言った。僕は赤ちゃんじゃないし、ご主人様にあやされて喜ぶほど馬鹿じゃない。
「や…やめてよご主人様…」
「んぇー?」
じろりと睨まれ、蛇に睨まれたカエルみたいに動けなくなる。そうだ、優しくされるとすぐ安心してしまう。ご主人様に逆らうととんでもない事になるのに。
「祐希くん反抗期かなー?いやいやしないでねー。」
「は…はぃ…ごめんなさい…でした…」
僕が謝るとご主人様はすぐににっこりと笑い撫でてくれた。撫でられるのは嬉しいけど、ご主人様が怖い。また逃げたい。でも逃げたら今度は確実に殺されるか再起不能にされる。
「…で、いつから?」
「ぅあ、えと…ご主人様に無視されて、それからです…」
「ふーん…じゃあ今なんて言ってる?」
ご主人様はぬいぐるみの頭と胴体を持ち、雑巾を絞るように捻った。
『うわぁぁぁー!わ、綿が偏る!!やめて!』
「……綿が偏るからやめてって…言ってます…」
「ふーん…なるほどねぇ」
ご主人様はぬいぐるみを僕の上に置いた。無理やり絞られてしわしわになったぬいぐるみが可哀想に見えて少し悲しくなった。
「大丈夫…?」
『うー…ひどいなぁ…僕はただのぬいぐるみなのにぃ…』
「ぬいぐるみに対してはやけに優しいじゃん。これどこで買ったんだっけなぁ…なんか霊的な物でも…そんなわけないか。」
ご主人様は不満そうにしていたが、ぬいぐるみとご主人様では認識が違う。ご主人様はご主人様だし、ぬいぐるみは友達だ。それにご主人様は怖いし。
「うーん。あ、そろそろ寝かせてあげるね。前みたいに寝かしつけしてあげる。」
「えっ…」
僕は嬉しくなってしまった。前はご主人様の寝かしつけが嬉しくて仕方がなかった。誰かに優しくしてもらったのは初めてで、甘えられるのがたまらなく嬉しかったから。
それは今でも変わらない。
「ご主人様…ぎゅってしていいですか…?」
「?別にいいけど。…よかった。まだ俺の事嫌いじゃないんだ。」
「嫌いじゃない…ですよ…買ってもらった時からずっと好きです…」
ご主人様は怖い。でも、不思議と好きという気持ちは変わらない。嫌いになりかけても、心の隅ではご主人様の事が大好きだった。
ご主人様も僕の事を大切に思っていてくれたらいいなと願っていた。
ご主人様はよしよし…と僕をあやしながらそう言った。僕は赤ちゃんじゃないし、ご主人様にあやされて喜ぶほど馬鹿じゃない。
「や…やめてよご主人様…」
「んぇー?」
じろりと睨まれ、蛇に睨まれたカエルみたいに動けなくなる。そうだ、優しくされるとすぐ安心してしまう。ご主人様に逆らうととんでもない事になるのに。
「祐希くん反抗期かなー?いやいやしないでねー。」
「は…はぃ…ごめんなさい…でした…」
僕が謝るとご主人様はすぐににっこりと笑い撫でてくれた。撫でられるのは嬉しいけど、ご主人様が怖い。また逃げたい。でも逃げたら今度は確実に殺されるか再起不能にされる。
「…で、いつから?」
「ぅあ、えと…ご主人様に無視されて、それからです…」
「ふーん…じゃあ今なんて言ってる?」
ご主人様はぬいぐるみの頭と胴体を持ち、雑巾を絞るように捻った。
『うわぁぁぁー!わ、綿が偏る!!やめて!』
「……綿が偏るからやめてって…言ってます…」
「ふーん…なるほどねぇ」
ご主人様はぬいぐるみを僕の上に置いた。無理やり絞られてしわしわになったぬいぐるみが可哀想に見えて少し悲しくなった。
「大丈夫…?」
『うー…ひどいなぁ…僕はただのぬいぐるみなのにぃ…』
「ぬいぐるみに対してはやけに優しいじゃん。これどこで買ったんだっけなぁ…なんか霊的な物でも…そんなわけないか。」
ご主人様は不満そうにしていたが、ぬいぐるみとご主人様では認識が違う。ご主人様はご主人様だし、ぬいぐるみは友達だ。それにご主人様は怖いし。
「うーん。あ、そろそろ寝かせてあげるね。前みたいに寝かしつけしてあげる。」
「えっ…」
僕は嬉しくなってしまった。前はご主人様の寝かしつけが嬉しくて仕方がなかった。誰かに優しくしてもらったのは初めてで、甘えられるのがたまらなく嬉しかったから。
それは今でも変わらない。
「ご主人様…ぎゅってしていいですか…?」
「?別にいいけど。…よかった。まだ俺の事嫌いじゃないんだ。」
「嫌いじゃない…ですよ…買ってもらった時からずっと好きです…」
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