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ヤンデレ…?な男の子

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 俺には悩みがある。その原因は、春という俺の弟だ。
 中学生に入ったというのに俺にベッタリで…いや、それだけならまだ良い。なんというか、好きのレベルがおかしいような、そんな弟だ。

「ただいま…っうおっ!?」

 玄関のドアを開けた瞬間、春がいた。にこにこしながら俺を見つめてくる春の目は猛禽類のそれで、油断したら襲われそうだ。

「おかえりなさい。お兄ちゃん、今日はいつもより5分遅かったよ。なにしてたの?…まさか…告白でもされた?断ったよねぇ?ね?」

 俗に言うメンヘラ…と言うやつなのだろうか…それともヤンデレなのか…俺には分からない。けど、春の将来が兄としてとても心配だ。
 俺がこう考えている間も春は俺の服をすんすんと嗅いでいた。

「告白なんかされてないし…春が好きそうなお菓子見つけたから買ってただけ。ほら。」

「…ふぇっ…!?お…お兄ちゃん…ありがとう…!」

 買ってきたシュークリームを渡すと、春はぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。ここだけ見れば普通の可愛い弟なのに…
 春とゆっくり話すのは後にして、とりあえず風呂に入る事にした。

「あ、僕も一緒に…」

「春はもう入っただろ、寝間着じゃん!……ええっと…もう寒いし、身体冷やすと風邪ひくから…待っててくれるか?」

「…うん!お兄ちゃん早く一緒に遊ぼ!」

 1つ1つの発言が、いつ春の地雷を踏み抜くか分かったものじゃない。だから気をつけるようにしていた。
 風呂に入り、温まってから出ると、脱衣所で春が俺の服を嗅いでいた。

「ふぁぁ…お兄ちゃんいい匂い……お兄ちゃん好き…結婚したい…」

「…春。」

 話しかけた瞬間、春はゴキブリのような素早さでリビングの方へ逃げていった。さっき俺が脱いだ下着を持って。
 母が言うには、春はまだまだ甘えたい年頃らしい…が。これは異常だろう。
 …いや、1回限界まで甘やかしてみるか。そしたら満足するかもしれない。

 ✱✱✱✱✱✱

 土曜日、俺はそれを決行することにした。両親の結婚記念日、俺の給料をお祝いに使い、1泊楽しんできてもらう。その間、俺は春を甘やかす。

「お兄ちゃん、今日は2人きりだね…」

 さっそく、春は嬉しそうにもじもじと俺の前でそう言った。今日は引かない。
 そもそも俺は春が嫌いな訳じゃない。ただ少し俺への好きがおかしいなぁ、ってだけだ。

「そうだな。おいで春、俺達も散歩でもしよう。」

 春と近所の公園まで歩いた。春が喜ぶようにわざわざ恋人繋ぎまでして。恥ずかしいのか嬉しいのか、頬を赤らめてうつむく春。まんざらでもなさそうだ。
 家に帰り俺が昼食を作ると、春は美味しそうにそれを食べた。

「お兄ちゃんのご飯美味しい!毎日…1時間に1回食べたいなぁ…なんちゃって!えへへ…」

「1時間に1回なんて、太っちゃうぞ?春、確か運動部だろ?体型キープしないと。」

「む…お兄ちゃん以外どうでもいいよ…タイムなんか縮まらなくても…」

 …もしかして、学校で何かあったのかもしれない。少し心配になって春の頭を撫でると、俯いていた春はあっと言う間に幸せそうな顔をした。

「春、あのさ…俺…春の事好きだよ。俺は春の味方だから…」

「お…おに、おに…ちゃ……」

 春は驚いたように口をぱくぱくさせた。言葉には喜びの感情が溢れている。
 俺は春が悩んでいるんじゃないかと思っていた。だけど、この様子じゃ悩みごとはあまりなさそうだ。むしろ悩んでいるのは俺の方だったのかもしれない。

 そうやって、春が喜びそうなことをたくさんやった。ドロドロした春の甘ったるい感情を解消するために。
 でも、俺が何かするたびに春は喜んでくれて。その表情は子供が純粋に嬉しがっているそれと同じで……俺は、春がヤンデレっぽいのは気のせいなんじゃないかと思い始めた。
 ただただ兄が好きな弟…それなんじゃないかと。

 でも。そんな考えは一瞬にして砕け散る。

 2人で風呂に入り、寝ようとしたときの事だ。おもむろに春は着ていたものを脱ぎ、俺の前に座った。

「お兄ちゃん。僕、お兄ちゃんの事が好き。これはおかしいことって分かってる。でも、僕はそれでもお兄ちゃんの事が好きで好きで仕方なくて…だから…僕としてください。」

 背筋が、寒くなった。目の前にいるのは確かに弟のはず。でも、弟は今までに見せたことのないほど真剣な眼差しで俺を見つめている。

「あのな…春、兄弟で恋人関係になってもな、するのは…その…」

「僕、お兄ちゃんにどんなに乱暴にされても嬉しい。たとえこの1回で僕が泣くほど酷いことされても、僕は嬉しいから…だから…お願いします!!お兄ちゃん…!」

 裸で土下座をする春を見ていられなくて、俺は承諾してしまった。その時の春の心の底から嬉しそうな顔を、俺は一生忘れないだろう。

「ずっと、んっ…♡夢だったの…お兄ちゃんとっ…♡あははぁ…♡」

「そうなんだ…これしたら…いや、なんでもない。」

 目の前で後孔を慣らす春。くちゅくちゅと卑猥な音が響き、自然と興奮してくる。春の、男にしては長い髪の毛、大きくて可愛らしい目…それらも興奮材料になってしまっているのかもしれない。
 ベッドの上で四つ這いになり、腰を揺らしている春にごめんな、とだけ言って、俺はひくついているその穴に自分のそれを挿入した。

「んあぁっ♡お…お兄ちゃ…♡」

「んっ…締まり強っ…」

 ぐちゅぐちゅと音を立てながら抽挿を繰り返すと、春はビクビクしながら何度も絶頂した。
 初めてのはずなのにこれだけ感度がいいのは、きっと妄想の中で俺と何回も身体を重ねていたんだろう。

「ん゙っ…♡そこ、もっとぐりぐりっ…♡きもちいいっ…♡」

 きゅうきゅうと締め付けてくる春に耐えられず、俺は春の中に吐精してしまった。
 息を切らせながら春も嬉しそうに俺を見てくる。春は精液も潮も吹いていたが、俺に迷惑をかけたくなかったのか、全部手で受け止めていたおかげでベッドは汚れていなかった。

「春…」

「お兄ちゃんに…僕のこと好きでいてほしいなって…気持ち悪いよね、こんな弟…ごめんねお兄ちゃん…」

 少し寂しそうな顔をする春を、思わず抱きしめてしまった。中学校に入りたての春が、こんなに複雑な感情と戦っていたなんて。

「春、もういいんだよ。我慢しなくても。俺は春の期待に答えられるかわからないけど…春、大好きだ。」

「お兄ちゃん…嬉しい…!これからもよろしくね…!」

 この日から、春が異常なほど俺に執着する事はなくなった。きっと、俺が春を愛しているという確信が持てて安心したんだろう。
 ただ、1つ悩みが増えたといえば…あの日以来、春が夜這いに来るようになったことだ。




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