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第一章:出会いの章 〜導きのルート設定〜
第八話 一人でお留守番
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暇だ! ひま、ひま、ひま、ひま。 えいちあいえむえー。 H・I・M・A。
つまらないよ――。 つまらないよ――。
未来の会社に行っちゃおうかな?
◇
……あれ、私、泣いている。 そうだ、思い出していたのか。 あれから十一年。
ん? 隣……え? 居ない。未来、どこ? どこなのよ。 上を見上げて時計に視線をやる。えっと、今何時? 十一時。
未来が居ない。 未来どこ? どこ? 「みらいーーーーーい!」
十一時。今日から仕事とか言っていたわね。 うーん、お腹すいた。
もう、未来、なんで起こしてくれないのよ。 わたし独りぼっちじゃないの。 仕事だからしょうがないのか。私のやることをしないとね。ムフフ、新妻みたいね。
――洗濯をしとかなくては。お風呂掃除も。 冷蔵庫、どれどれ。そうだ、冷凍パスタがあった。これ食べよう。あとは麦茶。
テレビ、アニメ見よう。一挙放送がある。十二時から。面白そうね。 録画しておこう。 「これを予約」
……うんともすんとも、返事がない。 「この番組を全部予約!」
シーンと静まり返る部屋。 なんで音声で録画されないのよ! 遅れているわね、日本。だから経済後進国なんて言われるようになったのよ!
パソコンで調べるしかないか。リモコンの使い方……なるほど。これで予約、と。 他のアニメも観よう。お菓子、ポテチ最高! ビール飲んじゃおうかな。 最高! 缶ビールにポテチで、アニメ。
幸せ!
三話連続なんだ。 この展開、わかっちゃうじゃないの。そうではなくて、どばっと服脱いで抱き着いちゃえば、こっちのものなのに。 もう、じれったいな。 エッチなアニメはこの時間帯はやっていないのか。それもそうよね、良い子の時間に。 うーん。深夜アニメを予約しなくては。
アニメが終わってしまい、次のアニメは……うーん、これは私の趣味に合わない。時計の針は十三時。 番組表で深夜アニメを予約。このテレビ、色々ボタンがあるのだけれど、後で未来に聞いてみよう。
***
暇だあー。 未来、ひまだよーー! 聞こえるかい? みらーーーーい。
暇なの。出かけようかな? でも、日本の治安がわからないのよね。 困ったな。 暇だし。買い物に行くにも、やはり怖いわよね。 こんな美人さんが一人でうろうろしていたら……。
もう、なんで未来いないの! 帰ってこい! 未来……! 「未来のバーカ!」
着替えて、駅に迎えに行けば良いのだわ。時計を見ると十四時。 着替え、着替え……って、どこにあるの? そうだ、未来がすべて仕舞ったのだ。私のお洋服はどこなのよ?
……クローゼットを開けると、あったー! 私のお洋服。 というか、私のお洋服しかないのだけれど。未来のは、ちょっと、なんなのよ。まだ袋すら開けてないじゃない。スーツは吊るしてあるだけマシだけど。 違う、私のがクローゼットを占有しているからだ。
大笑い。
ひまーーあ。未来を迎えに行こう。 駅、目の前だものね。スマートフォン、スマートフォン……あった。 なんで枕の下にあるのよ。私だ、私が枕の下に入れちゃったのだ。
よし、迎えに行こう。鍵はスマートフォンと言っていたわね。 ドアを開け、左右確認。 バタン。カチャ……。 あれ? 鍵閉まっちゃった。 スマートフォンをかざすと、開いた。もう一度ドアを閉めると、鍵がかかった。
オートロックなのね! やるじゃない、未来! 念のためもう一度。開いた! そして、閉まった。オートロック!
◇
外に出て、左右確認。怪しい人は居ないわね? 私が怪しいのか? あれ?
駅が目の前だから、待っていよう。 二和向台駅、変わってないわね。改札は一つ。
……え? ちょっと待ってよ。 新京成電鉄じゃないの?
なに、この「京成松戸線」って。 スプラッシュマウンテンの新京成電鉄なのよ。京成松戸線なんて、聞いたこともない。 スマートフォンで調べると、そうか、新京成電鉄は吸収合併で無くなっちゃったのね。京成電鉄に。
しかし、遅い、未来。なにやってるのよ! もう二時間も経っている。どんどん知らない人が通り過ぎていく。
遅い。 遅い。 おそーーーーい。
暇。 暇。 ひまーーーー。
そういえば、仕事は十八時までと言っていたわね。 スマートフォンを観ると、今ちょうど、十八時。 わたし、ここで三〇〇億年も立っていた気がするわ。馬鹿みたい。 汗でべとべとだし、日本暑すぎるのよ。これ、気温百二十度くらいあるんじゃないの?
もう、未来帰ってこい。 この電車かな。違う。 これかな。違う。 次なのかな。
居た! あれだ、あれが未来だ。未来が帰ってきた。 間違いない、未来だ。未来が来たー!
私は猛烈な勢いで駆け寄り、未来の目の前で仁王立ちした。 両手をぶんぶんと振り回し、駅前の鳩が飛び上がるほどの声で叫ぶ。
「未来ーーーーーい! 遅い! 遅すぎるわよ! 私、ここで三〇〇億年も待ってたんだからね! 宇宙が誕生してから今まで、ずーっとここにいたのよ。遅ーーーい!」
「……え? あ? ただいま。いつから、ここに」
未来が呆然と時計を見る。実際にはたったの三時間だ。 けれど、今の私の怒れるオーラは、ビッグバン級の熱量を放っているのだ。
「お腹空いた! 責任取って、今すぐ最高のご飯を食べさせなさい!」
***
さて、この二人いったいこれから、どうなっていくのでしょう。 目が離せない、美野里ちゃん。 破天荒な美野里ちゃん。 一切主導権を渡さない、美野里ちゃん。
運命なのか、単なる悪戯なのか。未来にはわからないのである――。
つまらないよ――。 つまらないよ――。
未来の会社に行っちゃおうかな?
◇
……あれ、私、泣いている。 そうだ、思い出していたのか。 あれから十一年。
ん? 隣……え? 居ない。未来、どこ? どこなのよ。 上を見上げて時計に視線をやる。えっと、今何時? 十一時。
未来が居ない。 未来どこ? どこ? 「みらいーーーーーい!」
十一時。今日から仕事とか言っていたわね。 うーん、お腹すいた。
もう、未来、なんで起こしてくれないのよ。 わたし独りぼっちじゃないの。 仕事だからしょうがないのか。私のやることをしないとね。ムフフ、新妻みたいね。
――洗濯をしとかなくては。お風呂掃除も。 冷蔵庫、どれどれ。そうだ、冷凍パスタがあった。これ食べよう。あとは麦茶。
テレビ、アニメ見よう。一挙放送がある。十二時から。面白そうね。 録画しておこう。 「これを予約」
……うんともすんとも、返事がない。 「この番組を全部予約!」
シーンと静まり返る部屋。 なんで音声で録画されないのよ! 遅れているわね、日本。だから経済後進国なんて言われるようになったのよ!
パソコンで調べるしかないか。リモコンの使い方……なるほど。これで予約、と。 他のアニメも観よう。お菓子、ポテチ最高! ビール飲んじゃおうかな。 最高! 缶ビールにポテチで、アニメ。
幸せ!
三話連続なんだ。 この展開、わかっちゃうじゃないの。そうではなくて、どばっと服脱いで抱き着いちゃえば、こっちのものなのに。 もう、じれったいな。 エッチなアニメはこの時間帯はやっていないのか。それもそうよね、良い子の時間に。 うーん。深夜アニメを予約しなくては。
アニメが終わってしまい、次のアニメは……うーん、これは私の趣味に合わない。時計の針は十三時。 番組表で深夜アニメを予約。このテレビ、色々ボタンがあるのだけれど、後で未来に聞いてみよう。
***
暇だあー。 未来、ひまだよーー! 聞こえるかい? みらーーーーい。
暇なの。出かけようかな? でも、日本の治安がわからないのよね。 困ったな。 暇だし。買い物に行くにも、やはり怖いわよね。 こんな美人さんが一人でうろうろしていたら……。
もう、なんで未来いないの! 帰ってこい! 未来……! 「未来のバーカ!」
着替えて、駅に迎えに行けば良いのだわ。時計を見ると十四時。 着替え、着替え……って、どこにあるの? そうだ、未来がすべて仕舞ったのだ。私のお洋服はどこなのよ?
……クローゼットを開けると、あったー! 私のお洋服。 というか、私のお洋服しかないのだけれど。未来のは、ちょっと、なんなのよ。まだ袋すら開けてないじゃない。スーツは吊るしてあるだけマシだけど。 違う、私のがクローゼットを占有しているからだ。
大笑い。
ひまーーあ。未来を迎えに行こう。 駅、目の前だものね。スマートフォン、スマートフォン……あった。 なんで枕の下にあるのよ。私だ、私が枕の下に入れちゃったのだ。
よし、迎えに行こう。鍵はスマートフォンと言っていたわね。 ドアを開け、左右確認。 バタン。カチャ……。 あれ? 鍵閉まっちゃった。 スマートフォンをかざすと、開いた。もう一度ドアを閉めると、鍵がかかった。
オートロックなのね! やるじゃない、未来! 念のためもう一度。開いた! そして、閉まった。オートロック!
◇
外に出て、左右確認。怪しい人は居ないわね? 私が怪しいのか? あれ?
駅が目の前だから、待っていよう。 二和向台駅、変わってないわね。改札は一つ。
……え? ちょっと待ってよ。 新京成電鉄じゃないの?
なに、この「京成松戸線」って。 スプラッシュマウンテンの新京成電鉄なのよ。京成松戸線なんて、聞いたこともない。 スマートフォンで調べると、そうか、新京成電鉄は吸収合併で無くなっちゃったのね。京成電鉄に。
しかし、遅い、未来。なにやってるのよ! もう二時間も経っている。どんどん知らない人が通り過ぎていく。
遅い。 遅い。 おそーーーーい。
暇。 暇。 ひまーーーー。
そういえば、仕事は十八時までと言っていたわね。 スマートフォンを観ると、今ちょうど、十八時。 わたし、ここで三〇〇億年も立っていた気がするわ。馬鹿みたい。 汗でべとべとだし、日本暑すぎるのよ。これ、気温百二十度くらいあるんじゃないの?
もう、未来帰ってこい。 この電車かな。違う。 これかな。違う。 次なのかな。
居た! あれだ、あれが未来だ。未来が帰ってきた。 間違いない、未来だ。未来が来たー!
私は猛烈な勢いで駆け寄り、未来の目の前で仁王立ちした。 両手をぶんぶんと振り回し、駅前の鳩が飛び上がるほどの声で叫ぶ。
「未来ーーーーーい! 遅い! 遅すぎるわよ! 私、ここで三〇〇億年も待ってたんだからね! 宇宙が誕生してから今まで、ずーっとここにいたのよ。遅ーーーい!」
「……え? あ? ただいま。いつから、ここに」
未来が呆然と時計を見る。実際にはたったの三時間だ。 けれど、今の私の怒れるオーラは、ビッグバン級の熱量を放っているのだ。
「お腹空いた! 責任取って、今すぐ最高のご飯を食べさせなさい!」
***
さて、この二人いったいこれから、どうなっていくのでしょう。 目が離せない、美野里ちゃん。 破天荒な美野里ちゃん。 一切主導権を渡さない、美野里ちゃん。
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