新しいルートでご案内致します。目的地は、君の隣(きみとな)

masuta

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第三章:結びの章 〜ルートの行方〜

第三十五話 わくわく初の体験

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 未来は帰ってきた。自信に満ち溢れた瞳を見ればわかった。
「どうしても、行きたかった会社に、良いことがあったの?」ガッツポーズで返してきた。

 私は未来に飛びついて、抱きしめた。
 最近どことなく、暗い顔を少しだけ見せていたのだから、瞳が全然違った。
 安心して胸の中に飛び込んだ。
 髪を撫でてくれ、ただいまと口づけをし、お祝いに大黒鮨に行くことにした。

    ***

「美野里ちゃん、いらっしゃーい!」と、いつもの力強い声が響いた。
「おまかせーでえー」とあいよとカウンターに座った。

 未来が笑顔だと、私も嬉しかった。
「乾杯!」完璧すぎるほど、どのように説明すれば良いのか……。完成したと。

「ウニー」未来が大きい声で言った。声が踊っている。もう一度乾杯。

 美野里ちゃん、美味しいお酒を出してあげるよと、大将がグラスを渡してくれた。一口飲むと、ふわーと香りと飲みやすさ。「おいしい」

 それは、船橋の梨で焼酎をね。「凄い、大将、これ、美味しいです。未来も飲んでみて」
 うまい。飲みやすいと大絶賛した。
 大将に聞いてみたいことがあった。
 前から思っていたので聞いてみることにした。「大将、そこにたくさんの色紙があるのだけれど、ゴルフですか?」
「そうだよ」と。「はい、いくら、ウニね」
「ねー未来、ゴルフやったことある?」ないな。「やってみようよ」

 大将にショップを教えてもらい、明日行ってみることにした。
「ごちそうさまでした。ありがとう大将、明日いってきまーす」

   ***

 未来はお風呂に入り、私はパソコンで大将から教わったお店を調べ、ゴルフを調べた。
 先に入ったよと、未来が出てきた。パソコンを覗き込んでいる。「私も入ってくるね」

 白衣一枚で出てきて、再度パソコンの前に座った。
 なるほど……。集中して調べている。ビールを飲みながら。

 なんといっても二人で初めてやる事が見つかったのだ。
 それが嬉しくて、溜まらなかった。
「うれしい!」唐突に心の声が漏れてしまい、未来は頭にはてなマークが出来ているようだった。

 楽しくなってきた。「未来、寝ようー」明日行こうね。
 今日はアニメを見ないで、寝ることにした。パンダさんゴルフやったことある? 

   ***

 朝ごはんを終えて、アルファードの前に来ると、ゴルフはこの車に合うからな、そんなことを言っているように感じた。
 ナビをセットして出発した。
 トラックが多く走っていたが、特に渋滞などに捕まることもなく、駐車場も空いていた。
 広い店内に。お客さんは、数える程度だった。

 調べてあったものを、店員さんにアドバイスを受けた。

 ゴルフは初めてですか。「はい、二人とも初めてです」
 未来は何か店内の動画をずっと見ていた。その後クラブをじっくりと見ていて、違いを比べていた。

 よろしければ、こちらで試打ができるのである。「未来、がんばれ」本と動画の内容を把握し、

 パーン
 的の赤いところに、直撃した。

 うそでしょ? ……アドバイスをした店員さんが驚いていた。
 家から近い打ちっぱなしを紹介してもらい、説明を受けて、二人分クラブ、バッグやらウェア等一式を購入した。

 目的地を設定し、出発した。帰り道は車は少なく、予定時刻より早く、打ちっぱなしに到着した。

 駐車場は空いていた。フロントに行き、初心者であることを伝えると、説明を受け、コーチが手が空いているとのことだった。

 お金を払いお願いした。
 レッスンコーチにアドバイスを受ける。前傾姿勢から……。

 私は構えて、ボールを見つめ、言われた通りに、クラブを振り下ろした。
 ボールに当たりもせず、風圧でボールが下に落ちた。コーチがアドバイスをしてくれた。
 頭にクラブを載せられて、これが動かないようにだそうだ。

 ずっと本と動画を見ていた、未来がようやく腰をあげて打席にはいった。

 パーン
 コーチは驚いて、はじめてなのだよね? 

 はじめてです。むずかしいですね。生体的に理解はできていても、思うように体はついてこないですね。

 軸がぶれるのがわかるので、少し動画等を見ていてよいですか。
 なるほど、ここだな。「未来、凄い、凄い」

 いっぽうで、扇風機のように風を送っているのは私だった。
 もう一度、セットし、打った。「あたったよー、あたったー見た、見た、未来」

 うん、飛んだね。その調子、その調子と乾いた拍手が。「いいの、初めてなんだから」
 レッスンコーチも初めてなのに、当たるだけでも凄いよと、持ち上げてくれた。

 一方、未来はドライバーに持ち替え、何度もセットを繰り返し、軸はまったくぶれず、一番遠いネットに直撃した。

 レッスンコーチも驚いて、いやいや、初ラウンドで百切りで回れそうだよ。
 ラフ、風、アプローチ、バンカーなど実践が必要だけど。

 奥様は一生懸命やりましょうね。まず、落ち着いて。また、空振りしてしまった。

 未来は、的確に狙った位置に落とせる。なるほど、これでスピンがかかるのか

「未来凄い! え?」「はい! 奥様、まずは落ち着いて!」
 コーチも週一回位通ってみては、コースレッスンも別途料金だけれどできるからねと。

「ありがとうございました」二人で同じスタート位置のはずが、ずっと先にいる未来。
 かっこいい。「本当に今日初めてなの?」頷く未来だった。

   ***

 帰宅した。たのしい、たのしい。「また行こうね」微笑みながら、未来はお風呂に入った。

 私はビールを開け、クラブを見つめていた。またやりたい。
 一緒にできることが見つかったのがうれしい。

 未来が出てきてビールを飲み、私はお風呂へ。
 白衣一枚で、再度クラブをみつめた。未来が頼んであるピザを取ってきてくれた。

 乾杯! 打ちっぱなしの話で盛り上がり、部屋でパターマットをネットで購入した。

 それから週に二回、三回と打ちっぱなしに通う事になり、私も少しだけ上手になった気がした。

 パンダさん、こうやって構えるとね、ビューンって飛んでいくんだよーと。未来と一緒にできる事が嬉しくて、嬉しくて。
 未来大好き。
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