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第三章:結びの章 〜ルートの行方〜
第三十八話 人間ドック
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二和向台駅前のお店も、赤や緑、たくさんの光に包まれていた。
朝晩は気温が下がるが、平年より気温は高かった。コートを着ている人は数えられる程だった。
駅前の飾り付けが進んでいた。
ゆっくりと起き上がり、パンダさんは、寂しそうな顔に見えた。
「おはよう」と美野里も起き上がる。「着替えましょう」と促されるが、少し考え込んでしまい「行ったことにすれば良いのでは……」と策を巡らせたが、つい声に出てしまった。
ギロリと睨まれた。
アルファードのハンドルを美野里が握り、「ほら、突っ立てないで早くのってよ」と催促した。アルファードは諦めろと言っているように思えた。
***
ゆっくりと車が走り出すと、あちらこちらで飾り付けをしているのが目についた。「お茶買っていこうか?」と言うと「ダメ、飲食禁止って書いてあったでしょう、まったく」
「運転変わろうか?」と尋ねるが、手を振られた。「今日どうするの? ほら、一人になるよ、戻ろうか」と顔を覗き込むと「大丈夫、加奈さん、早苗ちゃんがお泊りに来てくれるの」
高速道路を降りると、すぐに病院だった。
一緒に向かうが、足が重かった。「ほら、もっとはやく」と手招きされた。
入口につくと、「では、お昼に迎えに来るからね」「え、いっちゃうの? ……」
「あたりまえでしょうに、いってらっしゃい」美野里は手を振っていた。
***
渋々受付を済ませ、入り口を見ると、美野里の姿は無かった。
部屋に案内された。個室だった。看護師さんがやってきて「何も食べていませんよね、飲み物も」と確認があった。
――俺は、風邪一つ、引いたことがないし、お腹を壊したこともないのに、検査なんて。病院は独特の匂いがする。
看護師さんに呼ばれて検査が始まった。「はい、指を折ってグーを作ってくださいね」いよいよだった。
悪魔であろうか光り輝く、一本の鋭さ。目を背けた。
「はい、少しチクッとしますね」来る、来るぞ、額には汗が出てきた感じがした。
この時間が長い、待たせないでくれ……。すでに一時間はたったのか、顔が引きつった。
「グサァッ! 刺された!」と声が出てしまった。クスクス笑う「はい、おしまい」
ふーうと深い息を吐いた。やり遂げた。次の研究課題を見つけた気がした。
その後も、言われるがままに検査が進み、お腹空いたな。「せめて、お茶くらいはだめですかね」にっこりと看護師さん「ダメです」即答だった、完全な敗北だった。
長い検査が終わり、やっと部屋に戻ると、一気に疲れが押し寄せる……。
研究室にいた時には感じたことは微塵もない、疲労感。
お腹を空かせていたはずなのに、運ばれてきた食事に、お箸をつける速度が、ものすごく遅かった。
美野里が居てくれれば、「はい、あーん」等してくれたのだろうな。
パクリ、「味薄い」なんだこれ。
「美野里のいない食事は、砂を噛んでいるみたいだ」一口ごとに彼女への愛しさが募り、同時に、なぜ自分がここに一人でいるのかという漠然とした不安がよぎった。
これほどまでに、お箸の速度が遅いのは、初めてなのかもしれない。
食べ終わるのに、大きい針は一周していた。
疲れた。もう、寝よう――。
***
一方の美野里は買い物を済ませ、飾り付けをしていた。
「我ながら、完璧」ちょうどその時、インターフォンがなり、早苗ちゃんと、加奈さんががお泊りにきてくれた。
おじゃましまーす、と大量のワイン、日本酒を持ってきてくれた。ピザを温めて、テーブルに並べて乾杯
「私ワイン、一気飲みして歩けなくなった事があるのですよ、ワインは美味しいですが、怖いですよね」
「わかる、私も」
「チーズもっとあるかしら、ジャーキー等も、落花生は当然よね?」もちろんとお皿に並べて、「乾杯!」
「きれいね、キラキラしていて、ボタン押すと変わるのね、すごーい」
「それで、どうするのかしら?」と加奈が詰め寄ってきて、私は作戦を告げると「えー! 凄い、いつ予約したの?」「未来と再会した日に勝手にカードで予約しちゃた」と早苗ちゃんも、加奈さんも大笑い
「凄い行動力ね、計画済みなのね」
「羨ましい、あーあー、未来先輩わたし好きだったのに、今は一馬君が居てくれるから良いけどね」
「わたしもよ知的な未来君、あの人の子供を産みたいの、二番目じゃダメ?」と鋭い目で、冗談なのか本気なのかわからない発言をした。
「皆さん、未来をほめてくれるのはうれしいですが、ダメです」
「冗談よ、冗談」と大笑いし、また「乾杯」
「大変だったのね、新穂先生といれば、医学界、最先端技術で日本で知らぬものはいないし、世界的にみても、有名なのよ」加奈がスマートフォンで早苗ちゃんに見せてあげている。
「美野里ちゃん、忘れないでね、新穂君にお友達を紹介してもらえる件」クスっと美野里も笑い
「はい、もちろんです」
「美野里ちゃん、この間行ったお寿司屋さんに行きたい」
「それも良いわね」と加奈が同意。
一通りお皿は見事と言わんばかりにきれいになったので
「行きましょう」
「美野里ちゃんいらっしゃーい、三人の美人さん、未来は捨ててきたのかな」大将が冗談をまぜて「カウンターで」と「今おうちでワインとピザ等を食べてきました」
「あいよ、それではお口直しに、光物からね」
「美味しい!」
***
食事が終わり帰宅。お風呂を順番に済ませた。
「床暖房あったかい」
「夜と朝は気温がさがってきたよね」加奈と早苗ちゃんはその場に横になった。
私は毛布等を出して「これをつかってください」
「寝る前の乾杯が必要よね」三人で乾杯。
「お風呂上りのビール最高」
「そうですよね、最高ですよね」笑い話が絶えなかった。
三人で横になり、静かになった。
――すると、「私、思う事があるの、言っていいかしら」
「はい、なんでしょう」
「私ね、話を分析したのだけどね、どうしても、ピースが合わないの。キツイ事聞くけど、良い」
私は、毛布をギュッと力を入れて握っていた「はい」
「新穂君、たまに会話が成立しない点、実家に行こう等誘わない点。実は、どこか記憶が欠落しているのでは、あるいは特定の重要なピースだけが、意図的に抜き取られているような不自然さがあるの」
「あー確かに、美野里ちゃんの実家に行こうとか、地元の友達に合わせたり、さすが加奈先輩」
私の疑問を、的確に指摘された。その通りだった。
「実は私も思っていました。この部屋にも未来の学生の写真などないし、話そうともしない、もしかしたらと」
「つまり、美野里さんが、復活した事、その経緯などをを知らないのではなく、覚えていないという事」
話は続きながら、それぞれの推理は一つの答えにたどり着いた。
いつの間にか眠ってしまった。
目が覚めると、それぞれがバラバラの場所で、お腹は出ているわ、胸ははだけているわ
私はパンダさんを下敷きにしているのは私、早苗ちゃんは、加奈さんの足を枕に
寝相悪い、世界ランキングの上位独占は確実だった。
朝晩は気温が下がるが、平年より気温は高かった。コートを着ている人は数えられる程だった。
駅前の飾り付けが進んでいた。
ゆっくりと起き上がり、パンダさんは、寂しそうな顔に見えた。
「おはよう」と美野里も起き上がる。「着替えましょう」と促されるが、少し考え込んでしまい「行ったことにすれば良いのでは……」と策を巡らせたが、つい声に出てしまった。
ギロリと睨まれた。
アルファードのハンドルを美野里が握り、「ほら、突っ立てないで早くのってよ」と催促した。アルファードは諦めろと言っているように思えた。
***
ゆっくりと車が走り出すと、あちらこちらで飾り付けをしているのが目についた。「お茶買っていこうか?」と言うと「ダメ、飲食禁止って書いてあったでしょう、まったく」
「運転変わろうか?」と尋ねるが、手を振られた。「今日どうするの? ほら、一人になるよ、戻ろうか」と顔を覗き込むと「大丈夫、加奈さん、早苗ちゃんがお泊りに来てくれるの」
高速道路を降りると、すぐに病院だった。
一緒に向かうが、足が重かった。「ほら、もっとはやく」と手招きされた。
入口につくと、「では、お昼に迎えに来るからね」「え、いっちゃうの? ……」
「あたりまえでしょうに、いってらっしゃい」美野里は手を振っていた。
***
渋々受付を済ませ、入り口を見ると、美野里の姿は無かった。
部屋に案内された。個室だった。看護師さんがやってきて「何も食べていませんよね、飲み物も」と確認があった。
――俺は、風邪一つ、引いたことがないし、お腹を壊したこともないのに、検査なんて。病院は独特の匂いがする。
看護師さんに呼ばれて検査が始まった。「はい、指を折ってグーを作ってくださいね」いよいよだった。
悪魔であろうか光り輝く、一本の鋭さ。目を背けた。
「はい、少しチクッとしますね」来る、来るぞ、額には汗が出てきた感じがした。
この時間が長い、待たせないでくれ……。すでに一時間はたったのか、顔が引きつった。
「グサァッ! 刺された!」と声が出てしまった。クスクス笑う「はい、おしまい」
ふーうと深い息を吐いた。やり遂げた。次の研究課題を見つけた気がした。
その後も、言われるがままに検査が進み、お腹空いたな。「せめて、お茶くらいはだめですかね」にっこりと看護師さん「ダメです」即答だった、完全な敗北だった。
長い検査が終わり、やっと部屋に戻ると、一気に疲れが押し寄せる……。
研究室にいた時には感じたことは微塵もない、疲労感。
お腹を空かせていたはずなのに、運ばれてきた食事に、お箸をつける速度が、ものすごく遅かった。
美野里が居てくれれば、「はい、あーん」等してくれたのだろうな。
パクリ、「味薄い」なんだこれ。
「美野里のいない食事は、砂を噛んでいるみたいだ」一口ごとに彼女への愛しさが募り、同時に、なぜ自分がここに一人でいるのかという漠然とした不安がよぎった。
これほどまでに、お箸の速度が遅いのは、初めてなのかもしれない。
食べ終わるのに、大きい針は一周していた。
疲れた。もう、寝よう――。
***
一方の美野里は買い物を済ませ、飾り付けをしていた。
「我ながら、完璧」ちょうどその時、インターフォンがなり、早苗ちゃんと、加奈さんががお泊りにきてくれた。
おじゃましまーす、と大量のワイン、日本酒を持ってきてくれた。ピザを温めて、テーブルに並べて乾杯
「私ワイン、一気飲みして歩けなくなった事があるのですよ、ワインは美味しいですが、怖いですよね」
「わかる、私も」
「チーズもっとあるかしら、ジャーキー等も、落花生は当然よね?」もちろんとお皿に並べて、「乾杯!」
「きれいね、キラキラしていて、ボタン押すと変わるのね、すごーい」
「それで、どうするのかしら?」と加奈が詰め寄ってきて、私は作戦を告げると「えー! 凄い、いつ予約したの?」「未来と再会した日に勝手にカードで予約しちゃた」と早苗ちゃんも、加奈さんも大笑い
「凄い行動力ね、計画済みなのね」
「羨ましい、あーあー、未来先輩わたし好きだったのに、今は一馬君が居てくれるから良いけどね」
「わたしもよ知的な未来君、あの人の子供を産みたいの、二番目じゃダメ?」と鋭い目で、冗談なのか本気なのかわからない発言をした。
「皆さん、未来をほめてくれるのはうれしいですが、ダメです」
「冗談よ、冗談」と大笑いし、また「乾杯」
「大変だったのね、新穂先生といれば、医学界、最先端技術で日本で知らぬものはいないし、世界的にみても、有名なのよ」加奈がスマートフォンで早苗ちゃんに見せてあげている。
「美野里ちゃん、忘れないでね、新穂君にお友達を紹介してもらえる件」クスっと美野里も笑い
「はい、もちろんです」
「美野里ちゃん、この間行ったお寿司屋さんに行きたい」
「それも良いわね」と加奈が同意。
一通りお皿は見事と言わんばかりにきれいになったので
「行きましょう」
「美野里ちゃんいらっしゃーい、三人の美人さん、未来は捨ててきたのかな」大将が冗談をまぜて「カウンターで」と「今おうちでワインとピザ等を食べてきました」
「あいよ、それではお口直しに、光物からね」
「美味しい!」
***
食事が終わり帰宅。お風呂を順番に済ませた。
「床暖房あったかい」
「夜と朝は気温がさがってきたよね」加奈と早苗ちゃんはその場に横になった。
私は毛布等を出して「これをつかってください」
「寝る前の乾杯が必要よね」三人で乾杯。
「お風呂上りのビール最高」
「そうですよね、最高ですよね」笑い話が絶えなかった。
三人で横になり、静かになった。
――すると、「私、思う事があるの、言っていいかしら」
「はい、なんでしょう」
「私ね、話を分析したのだけどね、どうしても、ピースが合わないの。キツイ事聞くけど、良い」
私は、毛布をギュッと力を入れて握っていた「はい」
「新穂君、たまに会話が成立しない点、実家に行こう等誘わない点。実は、どこか記憶が欠落しているのでは、あるいは特定の重要なピースだけが、意図的に抜き取られているような不自然さがあるの」
「あー確かに、美野里ちゃんの実家に行こうとか、地元の友達に合わせたり、さすが加奈先輩」
私の疑問を、的確に指摘された。その通りだった。
「実は私も思っていました。この部屋にも未来の学生の写真などないし、話そうともしない、もしかしたらと」
「つまり、美野里さんが、復活した事、その経緯などをを知らないのではなく、覚えていないという事」
話は続きながら、それぞれの推理は一つの答えにたどり着いた。
いつの間にか眠ってしまった。
目が覚めると、それぞれがバラバラの場所で、お腹は出ているわ、胸ははだけているわ
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