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「お姉様、伯爵帰るみたいだから」
ルイスが呼びに来たのはちょうどその頃だった。レオンとともに急いで向かうとホール入口のところでマシューと一緒にまっていた。
「すまないね。我々は先に失礼させて貰うよ…改めてレオン殿、私の姪をよろしく頼むよ」
「はい。お身体ご自愛くださいますように」
「ありがとうございました。ヘンリー様」
アドルフも何か言いかけていたが、クレアの顔を見て目を閉じそのまま背を向けゆっくりと帰って行った。
夜会は穏やかに時間がすぎていた。ドミニクとベアトリスは全ての招待客と話をしながら隅々まで気を配り、アントニーとエリザベッタはその補助をしながらダンスをしたり、友人と話をしたり楽しんでいた。ウォルターは次々と申し込まれるダンスを断るのでベアトリスに睨まれているがお構い無しである。
ある程度時間がたった頃、アーサーとイザベラが帰ると言うので全員で見送る。
「クレアさん、本当に1度王宮まで来てくださいな」
「はい」
「話するだけですよ」
レオンが重ねて言うのでしつこいと文句を言いながらも楽しかったと帰って行った。それが合図だった様にパラパラと招待客が帰って行く。
レオンとクレアはたくさんの人から声をかけられ笑顔で答えだいぶ疲れが出てきた頃、最後の招待客も帰り夜会は無事終了した。
アントニーとエリザベッタも帰り、ドミニクも部屋に戻って行った。
残ったベアトリスはレオンとクレアの前に歩いてきてクレアを軽く抱きしめる。
「クレアお疲れ様。イザベラ様のお相手ありがとう。気に入る人にはとてもしつこいの。後無事に、顔見せも出来て良かったわ」
「ベアトリス様…私の為に色々本当にありがとうございます」
身体を離して手を握る。
「ふふっ。あれだけ強力な味方はいないでしょ。私もこれで安心だわ」
にっこりと微笑んで、横にいるレオンの手も取って重ねる。
「私ができるのはここまでよ。後はレオンに任せるからしっかりね」
「はい」
「それよりも…ウォルター」
くるっと向きをかえウォルターに詰め寄るベアトリスと逃げ回るウォルターを笑いながら見ていると、いつの間にか横にいたルイスが
「お姉様、僕たち明日帰るよ。さすがにこれ以上領地離れてるのもね」
「そう」
「まぁ甥か姪が出来たらまた来るよ」
「ルイス!」
クレアが真っ赤になってルイスを見るとスっと抱きついて
「幸せになってね。お姉様」
「ありがとう」
「僕もいるの忘れないでね」
マシューが2人を抱きしめて寂しそうに言うのでクレアは笑って父親の顔を見る。
マシューは力を込めて2人を抱きしめた後、レオンの前まで周りよろしく頼むと言ってルイスと一緒にホールを出た。
ベアトリスとウォルターもまた明日と部屋に戻って行ったのでホールにはレオンとクレアだけになった。
「今日は疲れた?」
「はい…やはりすごい方たちばかりでしたので」
「クレア、もう1度踊ろう」
「え?」
手を引き寄せられそのままホールドされるとレオンのリードに合わせ足を運ぶ。
踏まないように気をつけて下ばかり見ているとまた名前を呼ばれ顔をあげる。
「今日はあまり私の出番はなかったな」
「ベアトリス様がかなり固めてくれてましたから」
「クレアの無自覚のキラーとやらは発揮されずで良かった」
「なんですか?それは」
レオンの手の動きでクレアは1周回る。レオンの正面に来た時レオンが動きを止めて静かに声を出す。
「クレアが幸せなら私も幸せだから」
「2人でこれからも…」
照れてその先が言えないレオンを見てくすっと笑いクレアが答える。
「レオン様のお側にいさせてください」
踊り終えると軽く抱きしめクレアの頬にキスをする。
ルイスが呼びに来たのはちょうどその頃だった。レオンとともに急いで向かうとホール入口のところでマシューと一緒にまっていた。
「すまないね。我々は先に失礼させて貰うよ…改めてレオン殿、私の姪をよろしく頼むよ」
「はい。お身体ご自愛くださいますように」
「ありがとうございました。ヘンリー様」
アドルフも何か言いかけていたが、クレアの顔を見て目を閉じそのまま背を向けゆっくりと帰って行った。
夜会は穏やかに時間がすぎていた。ドミニクとベアトリスは全ての招待客と話をしながら隅々まで気を配り、アントニーとエリザベッタはその補助をしながらダンスをしたり、友人と話をしたり楽しんでいた。ウォルターは次々と申し込まれるダンスを断るのでベアトリスに睨まれているがお構い無しである。
ある程度時間がたった頃、アーサーとイザベラが帰ると言うので全員で見送る。
「クレアさん、本当に1度王宮まで来てくださいな」
「はい」
「話するだけですよ」
レオンが重ねて言うのでしつこいと文句を言いながらも楽しかったと帰って行った。それが合図だった様にパラパラと招待客が帰って行く。
レオンとクレアはたくさんの人から声をかけられ笑顔で答えだいぶ疲れが出てきた頃、最後の招待客も帰り夜会は無事終了した。
アントニーとエリザベッタも帰り、ドミニクも部屋に戻って行った。
残ったベアトリスはレオンとクレアの前に歩いてきてクレアを軽く抱きしめる。
「クレアお疲れ様。イザベラ様のお相手ありがとう。気に入る人にはとてもしつこいの。後無事に、顔見せも出来て良かったわ」
「ベアトリス様…私の為に色々本当にありがとうございます」
身体を離して手を握る。
「ふふっ。あれだけ強力な味方はいないでしょ。私もこれで安心だわ」
にっこりと微笑んで、横にいるレオンの手も取って重ねる。
「私ができるのはここまでよ。後はレオンに任せるからしっかりね」
「はい」
「それよりも…ウォルター」
くるっと向きをかえウォルターに詰め寄るベアトリスと逃げ回るウォルターを笑いながら見ていると、いつの間にか横にいたルイスが
「お姉様、僕たち明日帰るよ。さすがにこれ以上領地離れてるのもね」
「そう」
「まぁ甥か姪が出来たらまた来るよ」
「ルイス!」
クレアが真っ赤になってルイスを見るとスっと抱きついて
「幸せになってね。お姉様」
「ありがとう」
「僕もいるの忘れないでね」
マシューが2人を抱きしめて寂しそうに言うのでクレアは笑って父親の顔を見る。
マシューは力を込めて2人を抱きしめた後、レオンの前まで周りよろしく頼むと言ってルイスと一緒にホールを出た。
ベアトリスとウォルターもまた明日と部屋に戻って行ったのでホールにはレオンとクレアだけになった。
「今日は疲れた?」
「はい…やはりすごい方たちばかりでしたので」
「クレア、もう1度踊ろう」
「え?」
手を引き寄せられそのままホールドされるとレオンのリードに合わせ足を運ぶ。
踏まないように気をつけて下ばかり見ているとまた名前を呼ばれ顔をあげる。
「今日はあまり私の出番はなかったな」
「ベアトリス様がかなり固めてくれてましたから」
「クレアの無自覚のキラーとやらは発揮されずで良かった」
「なんですか?それは」
レオンの手の動きでクレアは1周回る。レオンの正面に来た時レオンが動きを止めて静かに声を出す。
「クレアが幸せなら私も幸せだから」
「2人でこれからも…」
照れてその先が言えないレオンを見てくすっと笑いクレアが答える。
「レオン様のお側にいさせてください」
踊り終えると軽く抱きしめクレアの頬にキスをする。
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