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「クレアおかえり」
「ドナルドさん。ただいまです」
「クレアさんもう体大丈夫?」
「ありがとうジョン。大丈夫よ」
一通り挨拶をしたところでエドガーが話し始める。
「2人とも、もう奥様なんですよ。今までみたいに接するのはダメです」
「「「 えー 」」」
クレア、ドナルド、ジョンがエドガーを見て文句を言う。
同時に言われうっと上体を後ろに反らすエドガー。
「どうして奥様まで文句言われるのか分かりませんが、ご主人様と結婚されたのですから今までと一緒では困ります」
頑として主張を曲げないエドガーに対しドナルドが
「でもな、多分普段通り動くと思うぞ…奥様は」
と腕組みしながら顔だけクレアを見て言う。
「エドガーさん見てないところで掃除とか始めそう…奥様は」
クレアの後ろからエドガーを見ながらジョンが言う。
「この屋敷にいると元のように動きたくなります…私が」
クレアがエドガーを見上げて言うとレオンがプッと吹き出し
「エドガー少しは折れたらどうだ?」
「え?私が悪いみたいに言わないで下さいよ。さすがに前みたいにはダメですよ…少しくらいならいいですけど」
「ありがとうございます!じゃあ掃除はしてもいいですか?」
「…人もいませんし掃除だけなら」
「良かったなクレア」
「はい!」
「名前はダメです!呼び方は変えてください!」
エドガーがドナルドに詰め寄って指を鼻先に指して言う。
──私はいいけど…
くるっと向きを変え今度はクレアの前まで来て
「別にいいとか思わないでくださいね。あなたが良くても、そう呼ばせているご主人様が変に思われるのは、困るでしょ」
「それは困ります!」
「分かったよ。じゃあ奥様でいいのか?」
「それだけは徹底してください」
「奥様…荷物はどうしたらいい?」
「あっそうね。屋根裏には入らないかな」
「屋根裏部屋はダメだ」
ここまで笑って見守っていたレオンがそこは口を出した。
「奥様…まさか屋根裏部屋に戻るつもりじゃないですよね?ちゃんとお部屋用意してありますのでそちらにお願いいたします」
エドガーの顔は笑ってはいたが態度は怒りに満ちていた。
「はい…」
その後ジョンに部屋まで運んでもらい時間も遅いので休むことにした。部屋まで案内してくれているエドガーにクレアは文句を言う。
「エドガーさん厳しいです。この屋敷の中だけなら良くないですか?」
「絶対何かの時に出る時があるんです。困るの奥様ですよ」
「そうですけど…」
「ご主人様の奥様って自覚してくださいね」
こちらがそうですと案内されたのはレオンの部屋の隣で中にも扉があるので廊下に出なくても行き来ができる。
荷物を少し片付けトントンとレオンの部屋に入る。
「レオン様?」
「片付いたのか」
「後はもう明日やります。レオン様もおつかれでしょゆっくり休んでください」
「クレアこっちに…」
レオンが少し怒ってる様だったのでソファーに座ってるレオンの前まで行くと両手を取られお腹にコツンと頭をつけるように引き寄せられた。
「レオン様?」
「クレアはエドガー達と話をしてると楽しそうだな」
「え?」
顔は見えないが明らかに拗ねてる声である。腰に回ってる手を取りクレアはしゃがみこむ。
「レオン様?」
「私と話す時より砕けて話してた…」
「それはここで働いてる時からの関係もありますから…拗ねてらっしゃるんですか?レオン様」
「拗ねてなどいない」
首を横に向け言ってはいるが明らかに拗ねている。クレアはふふっと笑いレオンの首に腕を回し
「レオン様ごめんなさい。もうご主人様ではなく私の旦那様でしたね」
「クレア」
顔をあげたレオンはクレアと目を合わせ軽くキスをした後、横抱きに抱えあげそのままベッドまで運んだ。
いつもと同じ時間に起きると目の前にレオンがいてまだ寝ていた。
起こさないように着替えの為隣の部屋に移動する。
──メイド服は…ダメかな。動きやすいから気に入ってるのにな…
エドガーに怒られるのは怖いから、動きやすそうなワンピースを着てまたレオンの部屋に移動する。
「レオン様、お時間ですよ。起きてください」
ベッドで寝ているレオンに声をかけるとすっと起きたが座った姿勢のまま目を閉じている。顔を洗うための水やタオルを用意していたクレアがベッドまで戻ってきて声をかけると目を開けクレアを見つめた。
「おはようございます。レオン様」
「おはよう。クレア」
ベッドから降りクレアの頬にキスをして顔を洗う。用意している洋服に素早く着替え特にクレアが手伝うところはなかった。
計ったかのようにエドガーが部屋をノックして朝食の準備が整ったと知らせる。今日のレオンの予定を確認し、クレアの予定も確認する。
「私は掃除して洗濯して…」
「洗濯はノラに任せてください!!掃除も程々に」
「わかりました…」
食堂に行くと既に準備は終わっており、椅子に座るとエドガーがお茶を入れてくれた。
「レオン様、イザベラ様にお会いするのっていつぐらいになるんでしょうか?」
「また連絡あると思うが、今日確認してくる」
「よろしくお願いします」
──お勤めはしないと早めに言わないとね。
食事を終えてレオンを見送り、クレアは久しぶりに思い切って掃除ができると喜んでいたら、エドガーが呼びに来た。
「ドナルドさん。ただいまです」
「クレアさんもう体大丈夫?」
「ありがとうジョン。大丈夫よ」
一通り挨拶をしたところでエドガーが話し始める。
「2人とも、もう奥様なんですよ。今までみたいに接するのはダメです」
「「「 えー 」」」
クレア、ドナルド、ジョンがエドガーを見て文句を言う。
同時に言われうっと上体を後ろに反らすエドガー。
「どうして奥様まで文句言われるのか分かりませんが、ご主人様と結婚されたのですから今までと一緒では困ります」
頑として主張を曲げないエドガーに対しドナルドが
「でもな、多分普段通り動くと思うぞ…奥様は」
と腕組みしながら顔だけクレアを見て言う。
「エドガーさん見てないところで掃除とか始めそう…奥様は」
クレアの後ろからエドガーを見ながらジョンが言う。
「この屋敷にいると元のように動きたくなります…私が」
クレアがエドガーを見上げて言うとレオンがプッと吹き出し
「エドガー少しは折れたらどうだ?」
「え?私が悪いみたいに言わないで下さいよ。さすがに前みたいにはダメですよ…少しくらいならいいですけど」
「ありがとうございます!じゃあ掃除はしてもいいですか?」
「…人もいませんし掃除だけなら」
「良かったなクレア」
「はい!」
「名前はダメです!呼び方は変えてください!」
エドガーがドナルドに詰め寄って指を鼻先に指して言う。
──私はいいけど…
くるっと向きを変え今度はクレアの前まで来て
「別にいいとか思わないでくださいね。あなたが良くても、そう呼ばせているご主人様が変に思われるのは、困るでしょ」
「それは困ります!」
「分かったよ。じゃあ奥様でいいのか?」
「それだけは徹底してください」
「奥様…荷物はどうしたらいい?」
「あっそうね。屋根裏には入らないかな」
「屋根裏部屋はダメだ」
ここまで笑って見守っていたレオンがそこは口を出した。
「奥様…まさか屋根裏部屋に戻るつもりじゃないですよね?ちゃんとお部屋用意してありますのでそちらにお願いいたします」
エドガーの顔は笑ってはいたが態度は怒りに満ちていた。
「はい…」
その後ジョンに部屋まで運んでもらい時間も遅いので休むことにした。部屋まで案内してくれているエドガーにクレアは文句を言う。
「エドガーさん厳しいです。この屋敷の中だけなら良くないですか?」
「絶対何かの時に出る時があるんです。困るの奥様ですよ」
「そうですけど…」
「ご主人様の奥様って自覚してくださいね」
こちらがそうですと案内されたのはレオンの部屋の隣で中にも扉があるので廊下に出なくても行き来ができる。
荷物を少し片付けトントンとレオンの部屋に入る。
「レオン様?」
「片付いたのか」
「後はもう明日やります。レオン様もおつかれでしょゆっくり休んでください」
「クレアこっちに…」
レオンが少し怒ってる様だったのでソファーに座ってるレオンの前まで行くと両手を取られお腹にコツンと頭をつけるように引き寄せられた。
「レオン様?」
「クレアはエドガー達と話をしてると楽しそうだな」
「え?」
顔は見えないが明らかに拗ねてる声である。腰に回ってる手を取りクレアはしゃがみこむ。
「レオン様?」
「私と話す時より砕けて話してた…」
「それはここで働いてる時からの関係もありますから…拗ねてらっしゃるんですか?レオン様」
「拗ねてなどいない」
首を横に向け言ってはいるが明らかに拗ねている。クレアはふふっと笑いレオンの首に腕を回し
「レオン様ごめんなさい。もうご主人様ではなく私の旦那様でしたね」
「クレア」
顔をあげたレオンはクレアと目を合わせ軽くキスをした後、横抱きに抱えあげそのままベッドまで運んだ。
いつもと同じ時間に起きると目の前にレオンがいてまだ寝ていた。
起こさないように着替えの為隣の部屋に移動する。
──メイド服は…ダメかな。動きやすいから気に入ってるのにな…
エドガーに怒られるのは怖いから、動きやすそうなワンピースを着てまたレオンの部屋に移動する。
「レオン様、お時間ですよ。起きてください」
ベッドで寝ているレオンに声をかけるとすっと起きたが座った姿勢のまま目を閉じている。顔を洗うための水やタオルを用意していたクレアがベッドまで戻ってきて声をかけると目を開けクレアを見つめた。
「おはようございます。レオン様」
「おはよう。クレア」
ベッドから降りクレアの頬にキスをして顔を洗う。用意している洋服に素早く着替え特にクレアが手伝うところはなかった。
計ったかのようにエドガーが部屋をノックして朝食の準備が整ったと知らせる。今日のレオンの予定を確認し、クレアの予定も確認する。
「私は掃除して洗濯して…」
「洗濯はノラに任せてください!!掃除も程々に」
「わかりました…」
食堂に行くと既に準備は終わっており、椅子に座るとエドガーがお茶を入れてくれた。
「レオン様、イザベラ様にお会いするのっていつぐらいになるんでしょうか?」
「また連絡あると思うが、今日確認してくる」
「よろしくお願いします」
──お勤めはしないと早めに言わないとね。
食事を終えてレオンを見送り、クレアは久しぶりに思い切って掃除ができると喜んでいたら、エドガーが呼びに来た。
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