最後の魔法使いはただ幸せになりたい

Hkei

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第1章 幼少期

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 次の日、再度詳しい話を聞こうとジャンは朝から街に行く予定だ。

「お父さん絶対言うこと聞くし僕も連れてって」

「ダメだ。お母さんとここにいてくれ」

「ルークに会うだけだから!お願い!!」

「ジャン、まだもう少し先の話なのよね?今日は連れて行ってあげて」

絶対力も使わない!!絶対の絶対!!と何度もお願いして今日が最後だと言う約束で一緒に行けることになった。

孤児院の入口から入るとシスターや他の子たちはいるけどルークがいない。
今おつかいで出ていると聞いて待ってることにした。

──早く…ルークに会いたい

膝を抱え丸くなる。



「リル?どうしたの?」

優しい聞き覚えのある声を聞いてガバっと顔をあげる。ルークと名前を呼んだつもりだったが声は出ておらず涙が溢れ出てくる。

「リル!!大丈夫?」

リルが泣いたところなど見たことがなかったからびっくりするも、落ち着かせようと背中をさする。

「もう、ルークに会えなくなる…」

「え?なんで?」

「嫌だよ!僕ルークに会えなくなるなんて嫌だよ!!」

また泣きながらルークに抱きつく。







「落ち着いた?」

「……うん」

説明してと言われ少し迷ったが全部話すことにした。

「僕…本当は女の子…なんだ」

「あっうんそれは分かってた」

「え?」

孤児院のように子供が多い中で育ったから、だいたいわかるよとルークは笑う。

「リルは可愛いしね」

ぽんぽんと頭に手をおきルークはまた笑う。

可愛いと言われたことがなく、なんだかむず痒い感覚が全身に走る。しかしその先の事実を口にするのが怖くなりしばらく黙る。

「僕…人に言っちゃダメな…が」

口の中が一気に乾いて上手く喋れない。

「僕…魔法が使えるんだ」






「騎士団来るのっていつ頃になるんだ?」

「さて俺が話を聞いた時にはもう王都は出てたはずだから、後3・4日って感じかな」

「そうか…野営するなら野菜売り込めるかな」

「おっそれいいな!」

たわいない話をしながらも、それほど時間はないな…と今後のことを考えていた。




「リル!帰るぞ時間がない!!」

「リル!!」

迎えに行った孤児院にリルとルークはいなかった。どこに!!
急いで外に出て走り出す。
あたりを見渡して孤児院近くの店から出てくる2人を見つける。

「リル!!」

「あっお父さん」

「何をやってる!外に出るなって言っただろ!心配した…」

「…ごめんなさい」

ギュッとリルを抱きしめる。


「僕がどうしてもって連れ出したの。本当にごめんなさい」

ルークがジャンに謝るが、すまないが時間がないとリルを抱っこして帰ろうとする。
その時通りのあたりから歓声が聞こえる。

そこには王都騎士団の1部が既に到着していて、村人が騒いでいた。早くこの場から去らないと!ジャンがそのまま踵を返して走り出す。

「お父さん待って!ルーク!!」

「今はダメだ!!」

ジャンはスピードを緩めず人混みから逃げる。




「リル!!後で行くから!」

ルークが叫んでいたが2人には聞こえていない。
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