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第2章 16歳
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フォークランドとの溝は埋まることはなかった。戦いの火蓋が切られるのは時間の問題だった。
国王から魔法を込めた魔石つくりを急がされていた。魔法を使えなくてもその石を投げるだけで中の魔法を使える。その為戦いになると大量に必要になるのだ。
──簡単に作れって言うけどね…
攻撃として使えそうな魔法と閉じ込める魔法とを同時に使い安定させないと、使い物にならない。非常に魔力を使い集中力を必要とするのでリリーナの消耗も半端ない。
ふぅと息を吐く…後ちょっと…
もう1度最初からと魔法を使おうとした時意識を失う。
ふわぁっと身体が浮いてる感じがする。あー気持ちいい…
「…リリ?」
「目が覚めたか?良かった」
「ジェイド…様?」
起きようとしても、身体が鉛のように重い。無理に起きようとするとみぞおちが痛む。どっと疲れがのしかかる様な感覚に
──使いすぎた…配分間違えたな…
「無理に起きるな!」
「魔法石もこれでいいからしばらく休め」
すみませんとまた目を閉じる。早く回復させないと。
──私いつベッドに入ったかな…まあいいか
◇◆◇
「ジェイド様」
「何か用か?イーリア」
呼び止められるが、目線を合わせるでもなく、優しい声でもなく、興味がないが無視は出来ずにジェイドが答える。
「あっ…あの者に近づくのはもうおやめください!」
「私はジェイド様の婚約者としてジェイド様のために言っております」
「アレは同情する価値もございません」
「同情ではないと言ったら?」
イーリアは目を見開きプルプルとふるえている。持っていた扇で口元を隠してはいるが、きっと歪めているだろう…
これ以上話すつもりもなくイーリアの前から去る。
──忌々しい。
◇◆◇
魔法石を持たないフォークランド国は戦いを有利にすすめようと、奇襲をかけてきた。
「あちらから仕掛けてくるとわな」
「父上この機会に完全に制圧してしまいましょう。お任せください」
「我が国の力見せつけてやれ」
オーと兵士たちの士気が一気にあがる。
準備はすすめていたので出立は明日に決まった。
「明日と聞きました。ご武運お祈りしております」
「お祈りだけ?」
「は?」
いいよと顔を見に来ただけだからと戻っていくジェイド。
「お部屋まで送りましょうか」
と移動魔法をかけようと近づくと、くるっと向きを変え、ジェイドがリリーナを抱きしめる。
「殿下!!」
「ちょっとだけ…」
ジェイドはさらに力を込めて抱きしめる。
「俺のために祈ってて」
リリーナの耳元で囁き、おやすみと行って出ていった。
──何が…したいの…
ドンと壁に寄りかかり目を閉じる。今回は国境付近での戦い…リリーナが住んでたあたりである。感情が揺らぎそうになる…腕を抱きもたれたまま座り込んで小さくなる…
◇◆◇
ジェイドが率いて先発部隊は華やかな音楽に送られ出立して行った。リリーナは出立式には出なかった。遠くから微かに聞こえていた歓声が消えいつもの静かさが戻った頃予告なしに入ってきた人物がいた。
「ここは王族しか入れないはずですが」
「虫のくせに…お前こそ誰に口を聞いているの!!」
今リリーナに何をしても効かないのは分かっているので、イーリアは手は出してこないが威圧する声で続ける。
「この戦いが終われば、ジェイド様と私は結婚するの。出立前に国王様に申し出てくれたの。だから私はもう王族なのよ。お前は一生ここで朽ち果てるまで1人でいればいいわ」
「結婚式には来てもいいわよ。お前の立場を嫌ってほど分からせてあげてよ」
「ジェイド様は私を選ぶの!お前なんて…」
「ジェイド様がお優しくて情けかけていただいてる事に感謝して、今後は顔も見せないで!!」
はじめは笑いながら余裕ある口調だったが、話しながら感情が昂って最後はただの怒鳴ってるだけになっていた。
リリーナが反論しないのを確かめて、ドタドタと帰っていく。
──ジェイド様が…結婚…ついにか…
国王から魔法を込めた魔石つくりを急がされていた。魔法を使えなくてもその石を投げるだけで中の魔法を使える。その為戦いになると大量に必要になるのだ。
──簡単に作れって言うけどね…
攻撃として使えそうな魔法と閉じ込める魔法とを同時に使い安定させないと、使い物にならない。非常に魔力を使い集中力を必要とするのでリリーナの消耗も半端ない。
ふぅと息を吐く…後ちょっと…
もう1度最初からと魔法を使おうとした時意識を失う。
ふわぁっと身体が浮いてる感じがする。あー気持ちいい…
「…リリ?」
「目が覚めたか?良かった」
「ジェイド…様?」
起きようとしても、身体が鉛のように重い。無理に起きようとするとみぞおちが痛む。どっと疲れがのしかかる様な感覚に
──使いすぎた…配分間違えたな…
「無理に起きるな!」
「魔法石もこれでいいからしばらく休め」
すみませんとまた目を閉じる。早く回復させないと。
──私いつベッドに入ったかな…まあいいか
◇◆◇
「ジェイド様」
「何か用か?イーリア」
呼び止められるが、目線を合わせるでもなく、優しい声でもなく、興味がないが無視は出来ずにジェイドが答える。
「あっ…あの者に近づくのはもうおやめください!」
「私はジェイド様の婚約者としてジェイド様のために言っております」
「アレは同情する価値もございません」
「同情ではないと言ったら?」
イーリアは目を見開きプルプルとふるえている。持っていた扇で口元を隠してはいるが、きっと歪めているだろう…
これ以上話すつもりもなくイーリアの前から去る。
──忌々しい。
◇◆◇
魔法石を持たないフォークランド国は戦いを有利にすすめようと、奇襲をかけてきた。
「あちらから仕掛けてくるとわな」
「父上この機会に完全に制圧してしまいましょう。お任せください」
「我が国の力見せつけてやれ」
オーと兵士たちの士気が一気にあがる。
準備はすすめていたので出立は明日に決まった。
「明日と聞きました。ご武運お祈りしております」
「お祈りだけ?」
「は?」
いいよと顔を見に来ただけだからと戻っていくジェイド。
「お部屋まで送りましょうか」
と移動魔法をかけようと近づくと、くるっと向きを変え、ジェイドがリリーナを抱きしめる。
「殿下!!」
「ちょっとだけ…」
ジェイドはさらに力を込めて抱きしめる。
「俺のために祈ってて」
リリーナの耳元で囁き、おやすみと行って出ていった。
──何が…したいの…
ドンと壁に寄りかかり目を閉じる。今回は国境付近での戦い…リリーナが住んでたあたりである。感情が揺らぎそうになる…腕を抱きもたれたまま座り込んで小さくなる…
◇◆◇
ジェイドが率いて先発部隊は華やかな音楽に送られ出立して行った。リリーナは出立式には出なかった。遠くから微かに聞こえていた歓声が消えいつもの静かさが戻った頃予告なしに入ってきた人物がいた。
「ここは王族しか入れないはずですが」
「虫のくせに…お前こそ誰に口を聞いているの!!」
今リリーナに何をしても効かないのは分かっているので、イーリアは手は出してこないが威圧する声で続ける。
「この戦いが終われば、ジェイド様と私は結婚するの。出立前に国王様に申し出てくれたの。だから私はもう王族なのよ。お前は一生ここで朽ち果てるまで1人でいればいいわ」
「結婚式には来てもいいわよ。お前の立場を嫌ってほど分からせてあげてよ」
「ジェイド様は私を選ぶの!お前なんて…」
「ジェイド様がお優しくて情けかけていただいてる事に感謝して、今後は顔も見せないで!!」
はじめは笑いながら余裕ある口調だったが、話しながら感情が昂って最後はただの怒鳴ってるだけになっていた。
リリーナが反論しないのを確かめて、ドタドタと帰っていく。
──ジェイド様が…結婚…ついにか…
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