最後の魔法使いはただ幸せになりたい

Hkei

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第2章 16歳

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戦いが開始されてから3ヶ月がたっていた。もっと早くに結果が出るかと思われたが、相手の反撃も激しく時間がかかったがやっと降伏し一応の平和を取り戻した。兵士たちは徐々に帰還し王都ではお祝いがはじまる。


リリーナも国王から明日行われる祝賀会には出席するようにと言われている。

──師匠…もうすぐ…





その日の昼過ぎ、最後の兵士たちは帰ってきた。無傷な兵士は1人としていなかったが、晴れ晴れとした顔で王都の通りを行進して王宮に入っていった。

迎えた国王は

「よくやった!!我が国の誇りである。今日は身体を休めるように」

オーと兵士たちは歓声をあげる。


◇◆◇

祝賀会は昼から始まる。まずは士官ばかりでの食事会で国王自ら労りの言葉をかけ、功績を残した兵士に褒美を与える。夜は兵士の家族も加わりダンスや立食でのパーティーが行われる。

昼の食事会に参加するため準備するリリーナ。ドレスを着る訳ではなく質素なワンピースにいつものローブを羽織るだけなのでさほど時間はかからない。さあ会場に向かおうとすると、ジェイドが入ってくる。兵服ではなく第1王子に相応しい礼服でとても華やかであった。

「リリ!準備できたか?ってなんでそれ…?俺ドレス送ったはず…」

「何も届いてませんし、私はこれで充分ですから」

ジェイドは眉を寄せ少し考えたが

「…リリがいいなら…今日発表することがあるから楽しみにしててくれ」

嬉しそうに話すジェイドを見て、知ってますとも言えず、はいと答えるしかなかった。

会場までエスコートすると言うジェイドを頑なに断り、先に移動魔法で送りリリーナは遅れて1人会場に入った。

ジェイドがすぐに気づき向かってこようとするのをイーリアが止めている。こちらをすごい形相で見ているのを軽く流すと末席だろう自分の席を探すが、席がない。

──今回も出席するだけで立ってろって事か…

なるべく目立たないように壁際に移動する。



──なんだろ…今日はなんだか…

違和感を覚えて顔を上げ周りを見る。ドクンと心臓がなる。

──なに…?

後少しで分かりそうと思った時、引き戻されるように腕をつかまれ目の前にジェイド立っていた。

「今…また意識飛ばそうとしてたか?」

「え?いえ別に…」

ジェイドの低い声に、もしかすると無意識でやってたかもと少し焦りながらも落ち着いて答える。

「まあいい。リリの席はこっちだ」

軽く手を取りジェイドの隣の席に案内される。何かの間違いではと声を出そうとすると号令がなり国王陛下、王妃が入ってきた。

わぁっと歓声と拍手がなり国王が手をあげるとより一層大きな歓声があがる。 

「諸君本当によくやってくれた!」

国王が祝辞を述べ食事会は始まる。

「まずこの勝利とともにみなに知らせがある。ジェイド前に…」

「我が息子ジェイドを正式に王太子とし、今後任せていくつもりである。みなもそのつもりで」

「それにともない、魔法使いの占有権もジェイドに渡すことにした。リリーナは今後ジェイドに仕えるように」

「以上、続いて…」

「まっ…待ってください陛下!!私との結婚は…」

国王の発言を遮るようにイーリアが叫び父親であるベルジック公爵が慌ててとめる。

「お父様!これは…おかしいですわ!!またあの…」
「やめないか!イーリア!!」

娘を制しすぐ国王に頭をさげる。

「申し訳ございません。後ほど改めて…今は式典を続けてください」

と叫び続けるイーリアを引きずるように会場から出ていった。

では、と功績を残した士官の名前を呼び出したところでジェイドが席に戻ってきた。

「驚いただろ?これでリリは…」

「ジェイド様、あの…イーリア様とのご結婚と言う話ではなかったのですか?」

「まさか。婚約なんてだいぶ前にこちらから破棄してる」

「それより…ほら俺と一緒だった部隊が呼ばれる。リリにも後で紹介したい」

ジェイドが指した方を見ると、オットー団長が呼ばれて続けて…







ドクン…







リリーナの視界には周り誰もいない真っ白な空間が広がる。






その空間の中、1人だけこちらを見てる…








ドクンドクン…心臓が痛いほど速く鼓動する









カタンと音を立てリリーナは立ち上がる

「…リリ?」

ジェイドはリリーナを不安そうに見て、視線の先を確かめる。







赤髪青い瞳の兵士がまっすぐにリリーナを見て

「…」

名前を呼ぶように『 リル 』と口が動く。











「…ルーク…」


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