40 / 62
転機~⑥
しおりを挟む
まずは国内リーグの強豪チームからゴールを奪うための、まさしく武器となる技術の習得に二人は励んでいたのである。
一つは千夏に対するスローイングだ。千夏が無音のパスを習得したように、巧も音の出ない、それでいてボールスピードの速いスローイング方法を毎日のように練習していた。
キーパースローは、ハーフウェイラインまでに一度バウンドさせなければならない。だが成功すれば、大きな武器となる。
相手選手が千夏のトラップによりボールの位置を把握したり、相手監督による指示によって反応されたりする前に、フリーで受けてゴール前に上がることができるからだ。しかも守備陣が整う前に、有意な態勢でシュートを打つことも可能となる。
またこの練習には、千夏の持つ武器を生かすためにも大きな意味を持っていた。彼女は無音のパスを味方選手がどう受けとめられるかを、巧による音の出ないスローを受けることで自らが体験できたからだ。
そのコツを他の選手に伝えられるようになった点は大きい。今までは無音のパスを出すことばかりを練習してきたが、味方がそれを受ける練習は八千草のチーム内でもできていなかった。
それは千夏自身が受け手ではなかったため、他の選手に教えることができなかった為だ。しかし例え八千草のチームでこのパスのやり取りが成功したとしても、受け手が代表選手でなければ国際試合で使うことはできない。
その為現在は、千夏が習得しつつある武器の一つをほぼ使えないでいた。それでもこの練習にはかなりの時間を費やした。
これまでの練習により、千夏は巧の投げる速いスローイングのトラップを高い確率で成功していた。後は何度も打ってシュートの精度を上げるだけ、というところまで来ている。そこに今度は無音のパス、サイレンスパスを受ける練習が加わると、一気に難易度が高まった。
巧も最初の頃は当然、無音のスローイング習得には苦労した。だから何度も千夏の出すサイレンスパスをキャッチングして確認した。
さらにカメラを置いて彼女のキックの様子を撮影し、後で動画を繰り返し再生することでボールの回転を見たりもしたのだ。千夏のキックがボールのどの辺りを捉えているか注視し、様々な工夫もしてみた。
そうした努力の甲斐もあり、何度かに一回はサイレンススローを成功させることができた。しかし今度は、千夏がそのボールをトラップできるとは限らない。
サイレンススローが毎回成功する訳でもないので、千夏は繰り返しトラップしてコツを掴むことができないでいた。それでも何度も繰り返すことで、巧も千夏も体で覚えていくしかない。まさしく練習あるのみだ。
その他に、日常生活において巧は新たに取り組んだことがある。それは正男さんが持っている多くの蔵書を借り、本を読む習慣を身につけることだった。
これは視覚障害者である千夏の同行時に痛感したのだが、巧自身が余りにも無知で、想像力が足りないという大きな欠点に気づいたからだ。そのことを正男さんに相談したところ、まずは本を読むことだと教わった。
読書は知識と知恵の習得と想像力の構築に最適だという。そこで読書家で特に退職後は様々な本を読んできた正男さんの持っている本を、毎日少しずつでも借りて読むようにした。
知識や知恵はともかく、想像力を養うことはブラサカの競技にとても重要な要素である。よって巧は日々の練習と同じく、読書という習慣を自分に課したのだ。
そんな中、八千草のブラサカチームにおける選手の動員も整い、十月開催の西日本リーグへの参加が決まった。それだけでなく記念すべき第一戦の開催場所が、地元八千草で行われることになったのだ。
巧達はようやく練習の成果を出す場を与えられたことになる。また国内リーグ戦が開催される前に、リオパラリンピックが開催された。
その大会で行われた数々の試合を動画により観戦したことで、巧と千夏は大いに刺激を受けた。特に優勝したブラジル選手のプレーを自分の目で見た巧は、そのドリブルシュートの凄まじさに興奮させられた。千夏も視覚障害者用に実況を入れられた解説の声を聞きながら感動していた。
そこで東京大会は無理でも、次の大会では女子ブラサカもパラリンピックの種目になるかもしれない。だからその時には絶対出場して、ブラジルのようなレベルの高い選手達と対決するんだと息巻いていた。
巧も早く日本代表に選ばれてブラジルの選手達と戦い、そのシュートを止めてみたいと強く思ったのだ。
その後西日本リーグが開幕し、四チームによる総当たり戦で行われるリーグ第一戦で巧は何度かサイレンススローを成功させた。それをトラップした千夏も、敵の選手を翻弄し見事にシュートを決めたのである。
またサイレントにはならなくても、スローからのトラップと振り向きざまのシュートを、彼女は二本決めたのだ。圧巻だったのは彼女のドリブルだ。
ブラサカの場合、まず選手同士の細かいパス交換が難しい。その為試合の流れの中で、四人のFPの内一人が攻撃し、残り三人が守備について相手からボールを奪う戦法がどうしても多くなってしまう。
ただそうなると、得点源になる一人の攻撃選手能力が高くないと点は取れない。それが巧達のチームの構成には幸いしたのだ。
絶対的な攻撃能力を持った千夏は、後ろ向きのドリブルからのシュートもさることながら、普通のドリブルでも相手ディフェンスの間をするすると抜けだした。さらに相手選手を右へ左へと揺さぶる。
時にはサイレンスパスの要領で、ボールを浮かして音を消すドリブルを交えた。すると大きな体をした男子選手の守備をもろともせず、彼女は面白いほど抜き去った。しかも普段から巧を相手に練習しているシュートの成果が出たのか、見事な得点を何度も決めることができたのだ。
結果西日本リーグに参加して初めての年に、なんと巧達のチームは三戦全勝で優勝することができた。さらに千夏はリーグ最多の八得点をマークし、得点王にも輝いた。
また優勝したことで、他のリーグでの上位チーム同士と対戦するKF杯という日本一のチームを決めるトーナメント戦への出場も決定したのだ。
しかも二〇十七年三月末に開催されるその大会には、あのブラジル代表のチームも参加するとの連絡があったから驚きである。
協会はKF杯直前の三月二十日に、日本代表と国際親善試合を組んでいたブラジル代表と交渉し、日本一決定戦への参加も打診して承諾を得たようだ。
昨年はそこに韓国代表を招くなど、ここ数年海外チームを招待しているとは聞いていた。だが今年はパラリンピック四連覇中で世界ランク一位である、あのブラジル代表と戦える可能性が出てきたのだ。
そのニュースを聞いて、巧達はまた一つ自分達が持っていた大きな夢が実現するかもしれないと心躍らせた。
だがそのブラジル代表と八千草のチームが対戦するには、当然ながらKF杯におけるトーナメント戦を勝ち上がらなければならない。例年開かれている国内リーグの日本一決定戦では、圧倒的に強い東日本リーグの優勝チームが最大の敵だ。
なぜなら西日本リーグでは参加チームが例年三から五チームであるのに対し、東日本リーグでは七チームから八チームが常に争っていて、選手層も厚くレベルが高いからである。また当然ながら東日本のチームには、日本代表に選ばれている選手達が数多くいる。
その後巧はその大会前である、二〇一七年一月開催の日本代表合宿に招集された。それまでに二〇一六年六月開催の日本代表選手育成合宿に参加してはいたが、その後の八月に行われた合宿や十一月のドイツ遠征に向けた代表合宿には呼ばれなかった。
だが西日本リーグでチームが優勝してその活躍が認められたのか、ようやく本格的に日本代表候補として声をかけられるようになったのだ。
また次の二月には再び代表合宿が行われ、そこで三月のブラジル代表と闘う日本代表最終メンバーを絞り込んで発表するらしい。そこで選ばれた選手達だけが、二十日のブラジル戦直前の三月十八,十九日の代表合宿に参加できるとのスケジュールになっていた。
千夏の周りでも大きな動きがあった。いよいよ五月にはオーストリアで開催される国際試合に、女子日本代表の初参加が決定したのだ。そのため一月から三月まで毎月二日間の日程で代表選手育成合宿が組まれ、そこへ千夏も召集された。とうとう長年の夢であった女子日本代表が誕生し、代表候補として召集されるまでになったのである。
巧は日本代表に入りブラジルと対戦すること、千夏は五月の初の女子日本代表国際試合に出場することが当面の目標となった。また二人の共通目標は、八千草のチームで日本一を決めるトーナメント戦を勝ち上がり、二人でブラジル代表と闘うことだ。
どんどんと夢が現実に近づき、巧達は胸を躍らせながらさらに日々練習を重ねることとなった。
一つは千夏に対するスローイングだ。千夏が無音のパスを習得したように、巧も音の出ない、それでいてボールスピードの速いスローイング方法を毎日のように練習していた。
キーパースローは、ハーフウェイラインまでに一度バウンドさせなければならない。だが成功すれば、大きな武器となる。
相手選手が千夏のトラップによりボールの位置を把握したり、相手監督による指示によって反応されたりする前に、フリーで受けてゴール前に上がることができるからだ。しかも守備陣が整う前に、有意な態勢でシュートを打つことも可能となる。
またこの練習には、千夏の持つ武器を生かすためにも大きな意味を持っていた。彼女は無音のパスを味方選手がどう受けとめられるかを、巧による音の出ないスローを受けることで自らが体験できたからだ。
そのコツを他の選手に伝えられるようになった点は大きい。今までは無音のパスを出すことばかりを練習してきたが、味方がそれを受ける練習は八千草のチーム内でもできていなかった。
それは千夏自身が受け手ではなかったため、他の選手に教えることができなかった為だ。しかし例え八千草のチームでこのパスのやり取りが成功したとしても、受け手が代表選手でなければ国際試合で使うことはできない。
その為現在は、千夏が習得しつつある武器の一つをほぼ使えないでいた。それでもこの練習にはかなりの時間を費やした。
これまでの練習により、千夏は巧の投げる速いスローイングのトラップを高い確率で成功していた。後は何度も打ってシュートの精度を上げるだけ、というところまで来ている。そこに今度は無音のパス、サイレンスパスを受ける練習が加わると、一気に難易度が高まった。
巧も最初の頃は当然、無音のスローイング習得には苦労した。だから何度も千夏の出すサイレンスパスをキャッチングして確認した。
さらにカメラを置いて彼女のキックの様子を撮影し、後で動画を繰り返し再生することでボールの回転を見たりもしたのだ。千夏のキックがボールのどの辺りを捉えているか注視し、様々な工夫もしてみた。
そうした努力の甲斐もあり、何度かに一回はサイレンススローを成功させることができた。しかし今度は、千夏がそのボールをトラップできるとは限らない。
サイレンススローが毎回成功する訳でもないので、千夏は繰り返しトラップしてコツを掴むことができないでいた。それでも何度も繰り返すことで、巧も千夏も体で覚えていくしかない。まさしく練習あるのみだ。
その他に、日常生活において巧は新たに取り組んだことがある。それは正男さんが持っている多くの蔵書を借り、本を読む習慣を身につけることだった。
これは視覚障害者である千夏の同行時に痛感したのだが、巧自身が余りにも無知で、想像力が足りないという大きな欠点に気づいたからだ。そのことを正男さんに相談したところ、まずは本を読むことだと教わった。
読書は知識と知恵の習得と想像力の構築に最適だという。そこで読書家で特に退職後は様々な本を読んできた正男さんの持っている本を、毎日少しずつでも借りて読むようにした。
知識や知恵はともかく、想像力を養うことはブラサカの競技にとても重要な要素である。よって巧は日々の練習と同じく、読書という習慣を自分に課したのだ。
そんな中、八千草のブラサカチームにおける選手の動員も整い、十月開催の西日本リーグへの参加が決まった。それだけでなく記念すべき第一戦の開催場所が、地元八千草で行われることになったのだ。
巧達はようやく練習の成果を出す場を与えられたことになる。また国内リーグ戦が開催される前に、リオパラリンピックが開催された。
その大会で行われた数々の試合を動画により観戦したことで、巧と千夏は大いに刺激を受けた。特に優勝したブラジル選手のプレーを自分の目で見た巧は、そのドリブルシュートの凄まじさに興奮させられた。千夏も視覚障害者用に実況を入れられた解説の声を聞きながら感動していた。
そこで東京大会は無理でも、次の大会では女子ブラサカもパラリンピックの種目になるかもしれない。だからその時には絶対出場して、ブラジルのようなレベルの高い選手達と対決するんだと息巻いていた。
巧も早く日本代表に選ばれてブラジルの選手達と戦い、そのシュートを止めてみたいと強く思ったのだ。
その後西日本リーグが開幕し、四チームによる総当たり戦で行われるリーグ第一戦で巧は何度かサイレンススローを成功させた。それをトラップした千夏も、敵の選手を翻弄し見事にシュートを決めたのである。
またサイレントにはならなくても、スローからのトラップと振り向きざまのシュートを、彼女は二本決めたのだ。圧巻だったのは彼女のドリブルだ。
ブラサカの場合、まず選手同士の細かいパス交換が難しい。その為試合の流れの中で、四人のFPの内一人が攻撃し、残り三人が守備について相手からボールを奪う戦法がどうしても多くなってしまう。
ただそうなると、得点源になる一人の攻撃選手能力が高くないと点は取れない。それが巧達のチームの構成には幸いしたのだ。
絶対的な攻撃能力を持った千夏は、後ろ向きのドリブルからのシュートもさることながら、普通のドリブルでも相手ディフェンスの間をするすると抜けだした。さらに相手選手を右へ左へと揺さぶる。
時にはサイレンスパスの要領で、ボールを浮かして音を消すドリブルを交えた。すると大きな体をした男子選手の守備をもろともせず、彼女は面白いほど抜き去った。しかも普段から巧を相手に練習しているシュートの成果が出たのか、見事な得点を何度も決めることができたのだ。
結果西日本リーグに参加して初めての年に、なんと巧達のチームは三戦全勝で優勝することができた。さらに千夏はリーグ最多の八得点をマークし、得点王にも輝いた。
また優勝したことで、他のリーグでの上位チーム同士と対戦するKF杯という日本一のチームを決めるトーナメント戦への出場も決定したのだ。
しかも二〇十七年三月末に開催されるその大会には、あのブラジル代表のチームも参加するとの連絡があったから驚きである。
協会はKF杯直前の三月二十日に、日本代表と国際親善試合を組んでいたブラジル代表と交渉し、日本一決定戦への参加も打診して承諾を得たようだ。
昨年はそこに韓国代表を招くなど、ここ数年海外チームを招待しているとは聞いていた。だが今年はパラリンピック四連覇中で世界ランク一位である、あのブラジル代表と戦える可能性が出てきたのだ。
そのニュースを聞いて、巧達はまた一つ自分達が持っていた大きな夢が実現するかもしれないと心躍らせた。
だがそのブラジル代表と八千草のチームが対戦するには、当然ながらKF杯におけるトーナメント戦を勝ち上がらなければならない。例年開かれている国内リーグの日本一決定戦では、圧倒的に強い東日本リーグの優勝チームが最大の敵だ。
なぜなら西日本リーグでは参加チームが例年三から五チームであるのに対し、東日本リーグでは七チームから八チームが常に争っていて、選手層も厚くレベルが高いからである。また当然ながら東日本のチームには、日本代表に選ばれている選手達が数多くいる。
その後巧はその大会前である、二〇一七年一月開催の日本代表合宿に招集された。それまでに二〇一六年六月開催の日本代表選手育成合宿に参加してはいたが、その後の八月に行われた合宿や十一月のドイツ遠征に向けた代表合宿には呼ばれなかった。
だが西日本リーグでチームが優勝してその活躍が認められたのか、ようやく本格的に日本代表候補として声をかけられるようになったのだ。
また次の二月には再び代表合宿が行われ、そこで三月のブラジル代表と闘う日本代表最終メンバーを絞り込んで発表するらしい。そこで選ばれた選手達だけが、二十日のブラジル戦直前の三月十八,十九日の代表合宿に参加できるとのスケジュールになっていた。
千夏の周りでも大きな動きがあった。いよいよ五月にはオーストリアで開催される国際試合に、女子日本代表の初参加が決定したのだ。そのため一月から三月まで毎月二日間の日程で代表選手育成合宿が組まれ、そこへ千夏も召集された。とうとう長年の夢であった女子日本代表が誕生し、代表候補として召集されるまでになったのである。
巧は日本代表に入りブラジルと対戦すること、千夏は五月の初の女子日本代表国際試合に出場することが当面の目標となった。また二人の共通目標は、八千草のチームで日本一を決めるトーナメント戦を勝ち上がり、二人でブラジル代表と闘うことだ。
どんどんと夢が現実に近づき、巧達は胸を躍らせながらさらに日々練習を重ねることとなった。
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる