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「ひさびさに名前を呼んでくれたのと、笑わせてくれたお礼。本当に、嬉しかったんだ」
その表情から、それがなんの気負いもない心からのものだとわかる。
しかしディーオはそれにそっけなく答える。
「──願いなど、思いつかないな」
ディーオは古代龍の王だ。
大抵のことなら自分でなんとかなってしまうし、動けないことで不便を感じることはあるがそれも使い魔がなんとかしてくれる。
たまたま会っただけの人間に、頼むことなどなかったのだ。
「思いついたときでいいよ。ここにいる口実にもなるし」
リューイはディーオのそっけない言葉を気にしたふうもなくそう言った。
ディーオは聞こえてきたその言葉に、リューイをいぶかしげに見る。
「また来る気か」
「ダメ? いろいろお世話するからさ、ね?」
「駄目というわけではないが……酔狂なやつだな」
「あ、やつって言った! しっかり名前で呼んでよぉ」
リューイはそういって、拗ねた顔をしてディーオのことを不満そうに見る。
それにしかたないと返事をして名前を呼べば、リューイはころっと態度を変えて嬉しそうに笑った。
ディーオはそれにどこかくすぐったい気持ちを感じて、長く感じていなかったその感情に複雑な気分で黙っていたが、暗くなってきたまわりに気づいてリューイに話しかける。
「リューイ。今、使い魔に火と寝具を用意させた。今日はここで暖かくして寝ろ」
「ふぃー」
「あ、ありがとう」
リューイは使い魔にうながされて、火のそばに用意された寝袋のような寝具に身体を横たわらせた。
そうすれば、思ったよりも疲れていたのかすぐに睡魔が襲ってくる。
「それじゃあ……おやすみディーオ、使い魔さん」
「……」
「ふぃ~」
リューイは眠そうにそう言ったあと、まるで気を失うようにスッと深い眠りについた。
****
「ふぃー、ふぃーっ」
「んっ……な、に? 朝……?」
ふいに聞こえてきたなにかの鳴き声に、眠っていたリューイの意識が浮上してくる。
そうして目を覚ませば鳴き声は思ったよりも近くて、すぐにそれが目の前で飛び回るディーオの使い魔のものだと気づいた。
「起こしてくれたのか? ありがとう」
「ふぃ~」
身体を起こしてお礼を言えば、使い魔は嬉しそうにリューイへ擦りよった。
甘えるようにされるそれがくすぐったくて小さく笑っていると、ディーオがまったくとでも言うように話しかけてきた。
「意外に寝汚いのだな、朝ではなくもう昼だ。私の世話をするのではなかったのか?」
「──昼!?」
リューイは聞かされた事実に驚いて声を上げる。
「俺、そんなに寝てた?」
いつもは眠りが浅いのに……と茫然としながらもリューイはごめんとあやまった。
それにディーオは表情も変えずに首を振る。
「いい、疲れていたのだろう。気にするな」
最初は変わらない表情に怒っているのかと思ったが、眠れたのならいいと続けられた言葉にリューイはホッとすると同時に嬉しくなってつい微笑む。
その瞬間、リューイは気がついた。
あんなにぐっすり眠れたのはきっとディーオたちがいたからだ、と。
そう気づいてしまったリューイは恥ずかしくなり、それをごまかすように元気に喋りだす。
「あ、ありがと! でも言った以上はしっかりやるからねっ!」
ごまかそうとしたのに気づいたのか、それとも元気なリューイが微笑ましかったのか、ディーオは知らぬうちにかすかに笑っていた。
その表情から、それがなんの気負いもない心からのものだとわかる。
しかしディーオはそれにそっけなく答える。
「──願いなど、思いつかないな」
ディーオは古代龍の王だ。
大抵のことなら自分でなんとかなってしまうし、動けないことで不便を感じることはあるがそれも使い魔がなんとかしてくれる。
たまたま会っただけの人間に、頼むことなどなかったのだ。
「思いついたときでいいよ。ここにいる口実にもなるし」
リューイはディーオのそっけない言葉を気にしたふうもなくそう言った。
ディーオは聞こえてきたその言葉に、リューイをいぶかしげに見る。
「また来る気か」
「ダメ? いろいろお世話するからさ、ね?」
「駄目というわけではないが……酔狂なやつだな」
「あ、やつって言った! しっかり名前で呼んでよぉ」
リューイはそういって、拗ねた顔をしてディーオのことを不満そうに見る。
それにしかたないと返事をして名前を呼べば、リューイはころっと態度を変えて嬉しそうに笑った。
ディーオはそれにどこかくすぐったい気持ちを感じて、長く感じていなかったその感情に複雑な気分で黙っていたが、暗くなってきたまわりに気づいてリューイに話しかける。
「リューイ。今、使い魔に火と寝具を用意させた。今日はここで暖かくして寝ろ」
「ふぃー」
「あ、ありがとう」
リューイは使い魔にうながされて、火のそばに用意された寝袋のような寝具に身体を横たわらせた。
そうすれば、思ったよりも疲れていたのかすぐに睡魔が襲ってくる。
「それじゃあ……おやすみディーオ、使い魔さん」
「……」
「ふぃ~」
リューイは眠そうにそう言ったあと、まるで気を失うようにスッと深い眠りについた。
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「ふぃー、ふぃーっ」
「んっ……な、に? 朝……?」
ふいに聞こえてきたなにかの鳴き声に、眠っていたリューイの意識が浮上してくる。
そうして目を覚ませば鳴き声は思ったよりも近くて、すぐにそれが目の前で飛び回るディーオの使い魔のものだと気づいた。
「起こしてくれたのか? ありがとう」
「ふぃ~」
身体を起こしてお礼を言えば、使い魔は嬉しそうにリューイへ擦りよった。
甘えるようにされるそれがくすぐったくて小さく笑っていると、ディーオがまったくとでも言うように話しかけてきた。
「意外に寝汚いのだな、朝ではなくもう昼だ。私の世話をするのではなかったのか?」
「──昼!?」
リューイは聞かされた事実に驚いて声を上げる。
「俺、そんなに寝てた?」
いつもは眠りが浅いのに……と茫然としながらもリューイはごめんとあやまった。
それにディーオは表情も変えずに首を振る。
「いい、疲れていたのだろう。気にするな」
最初は変わらない表情に怒っているのかと思ったが、眠れたのならいいと続けられた言葉にリューイはホッとすると同時に嬉しくなってつい微笑む。
その瞬間、リューイは気がついた。
あんなにぐっすり眠れたのはきっとディーオたちがいたからだ、と。
そう気づいてしまったリューイは恥ずかしくなり、それをごまかすように元気に喋りだす。
「あ、ありがと! でも言った以上はしっかりやるからねっ!」
ごまかそうとしたのに気づいたのか、それとも元気なリューイが微笑ましかったのか、ディーオは知らぬうちにかすかに笑っていた。
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