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異世界帰還者特別捜査本部
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――警察署
俺たちは全てを話した。異世界のこと。リターンズのこと。
「何をいっているんだこの子達は」という顔を隠しきれない若い警察官の後ろから、偉く風格のある男が現れた。
「佐野。いい。下がってろ。……すまないが君たち。あちらの部屋へ来てもらおう。」
おそらくリターンズのことについて知っているのだろう。私は全てを把握している、と言わんばかりの顔で別室へと案内された。
「俺は異世界帰還者特別捜査本部長の日地野だ。よろしく。」
「異世界帰還者特別捜査本部長…………なぜそのような人物がこんな地方の警察署にいらっしゃるのですか?」
「リターンズの事件は全国で起きている。が、とは言えリターンズの人数はそこまで多くないからな。一度に複数の事件が起きる、ということは滅多にない。ベルセルクという不良少年グループがリターンズに依頼をした、という情報が入ってきたのでこの警察署に身を置き捜査をしていたんだ。」
なるほど。人数は多くない……か……。確かに1000人程度なら、その力を使って犯罪に手を染めようなんて愚か者は極小数なんだろうな。
「4ヶ月ほど前からリターンズの事件は発生し始めた。常識では考えらない特異な力。警察も対策しようと特別捜査部隊を立ち上げたが、一般人の力ではとても対抗できなくてな。そこで、桜田くん。君の力を借りたい。」
「俺の力、、でも、他のリターンズと比べたら俺の魔法なんて。……とてもじゃないけど力になれるとは思いません。」
「桜田くん。リターンズにはこちらの世界の常識が通用しない。君が力になれない、なんてことはないさ。それにな、一定の犯罪を犯したリターンズには懸賞金が掛けられている。君にとっても悪い話じゃないだろう?」
「懸賞金??」
日地野さんは犯罪を犯したリターンズの懸賞金リストを見せてくれた。見たこともない額が並んでいる。
「もはやこれは社会問題だ。しかも一般人だとほぼ確実に命を落とす危険な案件。自ずと検証金額も跳ね上がる。」
「よお桜田。面白えじゃねえか。別に金なんてどうでもいいけどよ。つええ奴と戦えるんだろ?乗ろうぜ。この話。」
こいつは自分のことをサイヤ人か何かと勘違いしているのではないか?とツッコミを入れたくなるも、なるほど、この仕事なら異世界から帰ってきた俺しかできないし、金も稼げるな。もちろん危険はつきものだが……
「分かりました。日地野さん。どこまで力になれるか分かりませんが、僕でよければ協力させてください。」
「そうか。ありがとう。助かるよ。協力して欲しい捜査があれば連絡させてもらう。」
ここまで危険な捜査の協力を割とあっさり受け入れれたのは、3年間の異世界での生活が大きいだろう。普通の人間なら、死と隣り合わせの事件に二つ返事で協力の承諾などできるわけがない。
――帰り道
時間は23時を過ぎていた
「なーんか、大変なことになっちゃったねぇ。」
「そうですね……」
「辛気臭ぇなぁ桜田。ワクワクするだろ。」
「そんな戦闘民族思考でもないからな。俺は。でも、確かにワクワクはしてるかも。魔法を使えるようになるまで俺はただの引きこもりとして生きていた。こうして誰かの役に立てるかもしれない。……いや、そんな立派な心意気じゃないか。……ただ単に刺激を求めてるのかもな。」
「刺激って……カズマくんもサイヤ人じゃん笑」
「姉ちゃんには分かんねぇよ。女にはな。」
「ふーん。……で、明日はカズマくん学校休み??」
「え、?休み……ですけど……」
「ほんとー?明日一緒に遊ぼうよ!」
「あ!?おい姉ちゃん!何弟のツレ誘ってんだよ!」
「あ、あの、僕行けます。」
「おい!桜田!」
マジか……。この世界に生を受けて17年。遂に女性とデートという一大ビッグイベントが発生してしまうのか。
「桜田ぁ……お前姉ちゃんになんかしたら分かってるな?」
矢野がなにかゴニョゴニョ言っていたが、明日のことで頭いっぱいな俺の耳には右から左に通り抜けて行くだけだった。
――翌日
「あ!カズマくん!こっちこっち!」
俺はお姉様と駅の前で街合わせしていた。
「すみません。待ちましたか?」
「んーん!待ってないよー!私も今来たところ!」
性格まで美しいなんて神ですか?このお姉様の弟があんな化け物とは未だに信じられない……。
「私、どうしても食べたいパンケーキがあるんだよねぇ。それを今日カズマくんと食べたくて誘っちゃったんだ!」
「へぇ。どんなパンケーキなんですか?」
「ブリュレパンケーキ!……ふふっ。映えそうでしょ?」
ブリュレパンケーキ。なんとも胃袋を唆るネーミングだが。なるほど、映えか。最近の若者は写真で撮影した時にどれだけ映えるか、どれだけいいねを貰えるか、というのを行動の指針にしているらしい。お姉様。貴方がいるだけでどんな場所でもどんな物でも映えますよ……。
俺たちは全てを話した。異世界のこと。リターンズのこと。
「何をいっているんだこの子達は」という顔を隠しきれない若い警察官の後ろから、偉く風格のある男が現れた。
「佐野。いい。下がってろ。……すまないが君たち。あちらの部屋へ来てもらおう。」
おそらくリターンズのことについて知っているのだろう。私は全てを把握している、と言わんばかりの顔で別室へと案内された。
「俺は異世界帰還者特別捜査本部長の日地野だ。よろしく。」
「異世界帰還者特別捜査本部長…………なぜそのような人物がこんな地方の警察署にいらっしゃるのですか?」
「リターンズの事件は全国で起きている。が、とは言えリターンズの人数はそこまで多くないからな。一度に複数の事件が起きる、ということは滅多にない。ベルセルクという不良少年グループがリターンズに依頼をした、という情報が入ってきたのでこの警察署に身を置き捜査をしていたんだ。」
なるほど。人数は多くない……か……。確かに1000人程度なら、その力を使って犯罪に手を染めようなんて愚か者は極小数なんだろうな。
「4ヶ月ほど前からリターンズの事件は発生し始めた。常識では考えらない特異な力。警察も対策しようと特別捜査部隊を立ち上げたが、一般人の力ではとても対抗できなくてな。そこで、桜田くん。君の力を借りたい。」
「俺の力、、でも、他のリターンズと比べたら俺の魔法なんて。……とてもじゃないけど力になれるとは思いません。」
「桜田くん。リターンズにはこちらの世界の常識が通用しない。君が力になれない、なんてことはないさ。それにな、一定の犯罪を犯したリターンズには懸賞金が掛けられている。君にとっても悪い話じゃないだろう?」
「懸賞金??」
日地野さんは犯罪を犯したリターンズの懸賞金リストを見せてくれた。見たこともない額が並んでいる。
「もはやこれは社会問題だ。しかも一般人だとほぼ確実に命を落とす危険な案件。自ずと検証金額も跳ね上がる。」
「よお桜田。面白えじゃねえか。別に金なんてどうでもいいけどよ。つええ奴と戦えるんだろ?乗ろうぜ。この話。」
こいつは自分のことをサイヤ人か何かと勘違いしているのではないか?とツッコミを入れたくなるも、なるほど、この仕事なら異世界から帰ってきた俺しかできないし、金も稼げるな。もちろん危険はつきものだが……
「分かりました。日地野さん。どこまで力になれるか分かりませんが、僕でよければ協力させてください。」
「そうか。ありがとう。助かるよ。協力して欲しい捜査があれば連絡させてもらう。」
ここまで危険な捜査の協力を割とあっさり受け入れれたのは、3年間の異世界での生活が大きいだろう。普通の人間なら、死と隣り合わせの事件に二つ返事で協力の承諾などできるわけがない。
――帰り道
時間は23時を過ぎていた
「なーんか、大変なことになっちゃったねぇ。」
「そうですね……」
「辛気臭ぇなぁ桜田。ワクワクするだろ。」
「そんな戦闘民族思考でもないからな。俺は。でも、確かにワクワクはしてるかも。魔法を使えるようになるまで俺はただの引きこもりとして生きていた。こうして誰かの役に立てるかもしれない。……いや、そんな立派な心意気じゃないか。……ただ単に刺激を求めてるのかもな。」
「刺激って……カズマくんもサイヤ人じゃん笑」
「姉ちゃんには分かんねぇよ。女にはな。」
「ふーん。……で、明日はカズマくん学校休み??」
「え、?休み……ですけど……」
「ほんとー?明日一緒に遊ぼうよ!」
「あ!?おい姉ちゃん!何弟のツレ誘ってんだよ!」
「あ、あの、僕行けます。」
「おい!桜田!」
マジか……。この世界に生を受けて17年。遂に女性とデートという一大ビッグイベントが発生してしまうのか。
「桜田ぁ……お前姉ちゃんになんかしたら分かってるな?」
矢野がなにかゴニョゴニョ言っていたが、明日のことで頭いっぱいな俺の耳には右から左に通り抜けて行くだけだった。
――翌日
「あ!カズマくん!こっちこっち!」
俺はお姉様と駅の前で街合わせしていた。
「すみません。待ちましたか?」
「んーん!待ってないよー!私も今来たところ!」
性格まで美しいなんて神ですか?このお姉様の弟があんな化け物とは未だに信じられない……。
「私、どうしても食べたいパンケーキがあるんだよねぇ。それを今日カズマくんと食べたくて誘っちゃったんだ!」
「へぇ。どんなパンケーキなんですか?」
「ブリュレパンケーキ!……ふふっ。映えそうでしょ?」
ブリュレパンケーキ。なんとも胃袋を唆るネーミングだが。なるほど、映えか。最近の若者は写真で撮影した時にどれだけ映えるか、どれだけいいねを貰えるか、というのを行動の指針にしているらしい。お姉様。貴方がいるだけでどんな場所でもどんな物でも映えますよ……。
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