6 / 7
vs異世界帰還者
しおりを挟む
「小野くん!あいつが今回倒して欲しい敵です!」
「あの人か、……強そうだなぁぁ。」
おいおい、大丈夫かこれ。あの小野とかいうオタクくんが矢野に勝てる可能性など1%も無いぞ。例えるなら恐竜対蟻。ぱっと見そのくらいの階級差だ。
「おい、俺は弱いものいじめをする趣味なんてねぇぞ。」
それは嘘だろ
「はぁ……ったく。仕方ねえな。来いよ。」
ダンッ
小野くんは地面を蹴った。率直に言おう。めちゃくちゃ速かった。
「なっ!?……ちっ……!!」
矢野は右のパンチで迎え撃つ。そのパンチを嘲笑うように小野くんは華麗にかわし、矢野の右頬に拳を入れた。矢野の身体は吹き飛ぶ。
嘘だろ…………
「……ってぇ。なんだてめぇ。…………てめぇも異世界から帰ってきたってか?」
「へぇ。パトリシアのこと知ってるんだ。」
やはり。こいつも異世界帰還者か。しかもこの身体強化魔法(オグメンテーション)。おそらく出力は2倍ほどだろう。俺の魔法よりも質が上だ。
「火炎魔法(フィアーマ)」
!?おいおい待て待て!火炎魔法(フィアーマ)なんて一般人に撃ったら下手したら死ぬぞ!と、止める暇もなく小野くんは矢野に向かって火炎弾を発射した。
「水弾魔法(アークア)!」
バシャッジュワァァアア
俺の水魔法でなんとか矢野に向かう火炎弾を掻き消すことができた。
「へぇ。君も異世界帰還者(リターンズ)か……」
「リターンズ??君も……ってことは他にもいるのか?」
「異世界転移者は1000人を超えている。そして原因は不明だが、おそらくほとんどの転移者が現実世界へ帰還しているだろう。君だけが特別なわけじゃないのさ。」
「…………なるほどね。まぁそれはともかく……火炎魔法(フィアーマ)を一般人に向けて撃つなんてどういうつもりだ?下手したら死んでいたぞ。」
「ふふ。。リターンズは今裏社会では需要があるんだ。高額な依頼料でさまざまな依頼を受けている。殺しの依頼なんかもな。」
「殺しの依頼だと……?そんなことをしていたら直ぐに警察が動くはずだ。長く続けれると思っているのか……?」
「お前バカか?こっちは魔法が使えるんだ。警察などに手に負えるはずがないだろ。組織的にも、既に警察では対処できない規模なんだよ。」
確かに……魔法を使えるリターンズに一般人の警察が太刀打ちできる訳もないか。
「で……今回のお前の依頼は矢野を殺すことだってことか。」
「ご名答。ちなみに報酬は500万。ちょっと少ないけど、一般人を殺すだけでこれだけ貰えるなら充分だよね。でも……リターンズがいるんじゃ話は変わってくるよ。吉川くん?」
「え、ええ!勿論!報酬はその倍を支払います!」
「オッケー。じゃ、まずは君から殺させてもらうよ。……」
小野くんは再び地面を蹴る。2倍の強化。対してこちらは1.5倍……。身体能力で勝てないのは明白だが。
ガッ!
小野くんの拳をガードする。
「つぅっっ……。ってぇ。」
「君の強化率……1.5倍ってところか。僕も別に向こうで強かったわけではないけど、君はそれ以上にモブだったみたいだね。」
「…………うるさい。」
このままだと殺されるな。何か手を打たないといけないが。異世界では基本的に獣相手で人と戦うことなんか無かったからな。勝手がわからない。
「火炎魔法(フィアーマ)!」
「水弾魔法(アクーア)!」
バシュッ
「……ちっ。君は水属性の魔法が得意ってことか。僕の火炎魔法とは相性が悪い……」
俺は広く浅く色んな魔法が使えるだけだが、、これは対人戦においては大きなアドバンテージだ。次はこちらから仕掛ける。
「水弾魔法(アクーア)!」
小野くんは右によける。やっぱり早いな。2倍は。だがそっちは壁だぞ。
「水弾魔法(アクーア)!」
小野くんは立ち位置的に前に逃げるしかない。
「今だ!矢野!」
バキッッ!
前に飛んだ小野くんの顔面を、矢野の強烈なパンチが捉えた。的確に顎にヒットし、流石の小野くんも立ち上がることは不可能だった。
「ふぅ。不意打ちってのは気に入らねえが。そうも言ってる相手でもなかったからな。そっちは20人以上で待ち伏せしてたんだ。許せよ。」
「ねぇちょっと!カッコつけてるところ悪いんだけど……カズマくん、今のってもしかして魔法ってやつ!?」
「あっ……いや……ト、トリックですよ」
「いや、騙されないよ!流石に!」
「ですよね。」
俺は全てをお姉様にお話しした。
「なるほどねぇ。異世界かぁ。私も行ってみたいなぁ。あ、でも痛いのは嫌だ……」
「相変わらずデリカシーのねぇ姉貴だな。ったく。」
デリカシーのないお姉様。そんな所も素敵です。
「まぁとりあえずこいつを警察まで運ぼうぜ。ことの顛末は警察には話さない方がいいか?」
「いや、話そう。小野くんの言ってたことが本当なら、魔法が使える俺や今回の件で関わってしまった矢野はまた狙われる可能性が高い。」
「なるほどな。こいつみたいな奴がまた襲ってくるってか。次こそは1人でボコボコにしてやるぜ。」
「本人も言ってたけど、小野くんは異世界じゃそこまで強い方ではない。もっと上がいるんだ。一般人の矢野がリターンズと真正面から戦うのは極力避けた方がいい。」
「随分と生意気言うようになったじゃねえか。……」
「こら聖人!カズマくんは聖人のことを思って言ってんでしょ!」
「わぁったよ。ほら、警察行くぞ」
俺たちは警察に向かう。
「あの人か、……強そうだなぁぁ。」
おいおい、大丈夫かこれ。あの小野とかいうオタクくんが矢野に勝てる可能性など1%も無いぞ。例えるなら恐竜対蟻。ぱっと見そのくらいの階級差だ。
「おい、俺は弱いものいじめをする趣味なんてねぇぞ。」
それは嘘だろ
「はぁ……ったく。仕方ねえな。来いよ。」
ダンッ
小野くんは地面を蹴った。率直に言おう。めちゃくちゃ速かった。
「なっ!?……ちっ……!!」
矢野は右のパンチで迎え撃つ。そのパンチを嘲笑うように小野くんは華麗にかわし、矢野の右頬に拳を入れた。矢野の身体は吹き飛ぶ。
嘘だろ…………
「……ってぇ。なんだてめぇ。…………てめぇも異世界から帰ってきたってか?」
「へぇ。パトリシアのこと知ってるんだ。」
やはり。こいつも異世界帰還者か。しかもこの身体強化魔法(オグメンテーション)。おそらく出力は2倍ほどだろう。俺の魔法よりも質が上だ。
「火炎魔法(フィアーマ)」
!?おいおい待て待て!火炎魔法(フィアーマ)なんて一般人に撃ったら下手したら死ぬぞ!と、止める暇もなく小野くんは矢野に向かって火炎弾を発射した。
「水弾魔法(アークア)!」
バシャッジュワァァアア
俺の水魔法でなんとか矢野に向かう火炎弾を掻き消すことができた。
「へぇ。君も異世界帰還者(リターンズ)か……」
「リターンズ??君も……ってことは他にもいるのか?」
「異世界転移者は1000人を超えている。そして原因は不明だが、おそらくほとんどの転移者が現実世界へ帰還しているだろう。君だけが特別なわけじゃないのさ。」
「…………なるほどね。まぁそれはともかく……火炎魔法(フィアーマ)を一般人に向けて撃つなんてどういうつもりだ?下手したら死んでいたぞ。」
「ふふ。。リターンズは今裏社会では需要があるんだ。高額な依頼料でさまざまな依頼を受けている。殺しの依頼なんかもな。」
「殺しの依頼だと……?そんなことをしていたら直ぐに警察が動くはずだ。長く続けれると思っているのか……?」
「お前バカか?こっちは魔法が使えるんだ。警察などに手に負えるはずがないだろ。組織的にも、既に警察では対処できない規模なんだよ。」
確かに……魔法を使えるリターンズに一般人の警察が太刀打ちできる訳もないか。
「で……今回のお前の依頼は矢野を殺すことだってことか。」
「ご名答。ちなみに報酬は500万。ちょっと少ないけど、一般人を殺すだけでこれだけ貰えるなら充分だよね。でも……リターンズがいるんじゃ話は変わってくるよ。吉川くん?」
「え、ええ!勿論!報酬はその倍を支払います!」
「オッケー。じゃ、まずは君から殺させてもらうよ。……」
小野くんは再び地面を蹴る。2倍の強化。対してこちらは1.5倍……。身体能力で勝てないのは明白だが。
ガッ!
小野くんの拳をガードする。
「つぅっっ……。ってぇ。」
「君の強化率……1.5倍ってところか。僕も別に向こうで強かったわけではないけど、君はそれ以上にモブだったみたいだね。」
「…………うるさい。」
このままだと殺されるな。何か手を打たないといけないが。異世界では基本的に獣相手で人と戦うことなんか無かったからな。勝手がわからない。
「火炎魔法(フィアーマ)!」
「水弾魔法(アクーア)!」
バシュッ
「……ちっ。君は水属性の魔法が得意ってことか。僕の火炎魔法とは相性が悪い……」
俺は広く浅く色んな魔法が使えるだけだが、、これは対人戦においては大きなアドバンテージだ。次はこちらから仕掛ける。
「水弾魔法(アクーア)!」
小野くんは右によける。やっぱり早いな。2倍は。だがそっちは壁だぞ。
「水弾魔法(アクーア)!」
小野くんは立ち位置的に前に逃げるしかない。
「今だ!矢野!」
バキッッ!
前に飛んだ小野くんの顔面を、矢野の強烈なパンチが捉えた。的確に顎にヒットし、流石の小野くんも立ち上がることは不可能だった。
「ふぅ。不意打ちってのは気に入らねえが。そうも言ってる相手でもなかったからな。そっちは20人以上で待ち伏せしてたんだ。許せよ。」
「ねぇちょっと!カッコつけてるところ悪いんだけど……カズマくん、今のってもしかして魔法ってやつ!?」
「あっ……いや……ト、トリックですよ」
「いや、騙されないよ!流石に!」
「ですよね。」
俺は全てをお姉様にお話しした。
「なるほどねぇ。異世界かぁ。私も行ってみたいなぁ。あ、でも痛いのは嫌だ……」
「相変わらずデリカシーのねぇ姉貴だな。ったく。」
デリカシーのないお姉様。そんな所も素敵です。
「まぁとりあえずこいつを警察まで運ぼうぜ。ことの顛末は警察には話さない方がいいか?」
「いや、話そう。小野くんの言ってたことが本当なら、魔法が使える俺や今回の件で関わってしまった矢野はまた狙われる可能性が高い。」
「なるほどな。こいつみたいな奴がまた襲ってくるってか。次こそは1人でボコボコにしてやるぜ。」
「本人も言ってたけど、小野くんは異世界じゃそこまで強い方ではない。もっと上がいるんだ。一般人の矢野がリターンズと真正面から戦うのは極力避けた方がいい。」
「随分と生意気言うようになったじゃねえか。……」
「こら聖人!カズマくんは聖人のことを思って言ってんでしょ!」
「わぁったよ。ほら、警察行くぞ」
俺たちは警察に向かう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる