貴重な男の中で一番優しいのは俺らしい

クローバー

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高校生になったらしい

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テーレレ テレーレレ テレーレレ テレレー』

「…んんっ!」

高校の時からアラームに設定してある某けいおん部のアニメの天使に触れそうな曲が大音量で流れ、朝だと気付き、スマホを探す。

「んー!朝か…。…面倒だけど仕事行かないとだ」

枕の横に置いてあったスマホを握りしめ、伸びをする。
寝ぼけ眼ではあるが、スマホの画面をスライドさせてアラームを止める。

「あれ?スマホの待ち受け、変えたっけ?」

アラームを止めた後、いつものようにメッセージが入っていないか確認しようとした時、異変に気付いた。
普段は仕事のスケジュール表を待ち受け画面にしてあるはずだが、何故か見たことのないイケメンと小学生くらいの女の子のツーショットだった。
…誰だろう。こんな知り合いいたっけな?

(昨日、酔ってたから勝手に変えたのかな?)

そんな事を思いながらベッドから立ち上がり、とりあえず顔を洗おうと洗面台にあくびをしながら向かった。
そして、鏡に写った自分を見たとき、俺は固まった。

「うわ!…ゆ、幽霊!?…いや、俺か!?」

一瞬、誰だか分からない顔が現れたので、鏡に幽霊でも写ったのかと思った。
だが、どうやら俺が動くと、鏡の中の人も動くので自分だと気付いた。
スマホの待ち受けで見た顔と同じだった。

「えーっと…どういう状況だ!?若返ったのか俺!?いや、俺の若いときよりも顔つきがかっこよくなってるし。そういえば、身長も伸びてるかも…」

俺はしばらく自分の顔をペタペタ触ったり、鏡に向かってポーズをとったりしてみた。

少しタレ目で、真面目そうで優しそうな見た目の顔が鏡に写っていた。
髪は少し短く鼻筋はスラッと通っていて、女性と遊んでいそうな雰囲気の一切ない、パッと見はかなりの好青年だった。
いつも見ていた背の低い平凡な顔つきとは大違いだ。
身長の割にはガッシリとした筋肉質の理想的な体型にもなっていた。

しばらく唖然していたが、

「ヤバい、もうこんな時間だ!遅刻する!」

急いで準備しないと時間が無いことに気付き、歯を磨き髪をセットして洗面台を離れる。

「えっと、あとはスーツと鞄を…あれ!?」

そしてまたまた、異変に気付いた。
スーツと仕事の鞄が見つからない。
そして、何故かあるのは高校生のらしき制服と学生鞄らしき鞄だけ。

「嘘だろ!?何で無いんだ?会社に遅刻するって連絡しないと!ってかそもそも制服なんであるんだよ!」

朝から本当に訳が分からないと思いつつ、スマホで連絡先一覧を開いた。
そこで異変に気付いた。
…あれ?なぜ、連絡先が三件しかないんだ?

「もう!昨日の俺、酔って連絡先まで消したのかよ。何してんだよ!しかも、なんで連絡先が母親、妹、担任の三件なんだよ。しかも妹って誰だよ、担任っていつのだよ!もう、今日は朝から色々わけわかんないよ!」

一通り自分にツッコミを入れた後、番号を打ち込んで会社に連絡したが「松本修史という社員は当社にはおりません」って言われてしまった。
さりに、上司の番号思い出して電話したら「誰ですか?だ、男性!?」って言われて切られてしまった。
…なにか本格的におかしいぞ。

「大丈夫、とりあえず落ち着いて一つ一つだ。まず、状況を整理しよう。お前ならできるはずだぞ、松本修史!」

そう自分に言い聞かせ、俺は昨日と今日の出来事を振り替えった。


ー 30分後 ー

結論が出た。
俺、高校生になったわ。
色々と変化して。

どんなとち狂った考えだ?と自分でも思うが、ほっぺたつねったら痛いから夢ではない。
隠しカメラ探したけれど無かったからモ○タリングでもない。
朝起きて姿形が変わるのは可能性としてほぼゼロに近い。
さらに何故か七月、西暦は俺の高校生の時だった十年前に…。
つまり、辻褄を合わせるにはその結論しか出ないわけだ。

「なんで高校生に…。もしかして、昨日の流れ星のせいかな?」

そう言って色々考えているとき、
ピコン!
と、スマホが鳴ったので、画面を見る。

すると『メッセージがあります』との表示があったので確認をする。
スマホは中身が変わっただけで健在だ。
…あれ?機種こんなんだっけ?
…まあいいや。

「あ、担任からだ。なになに?『今日は我が校に編入の予定でしたが、学校に来られて無いようですが今日は欠席でしょうか?どうかなさいましたか?』か…。…ええ!?」

…やっぱり、俺、高校生の頃に戻ったのか!?←実はそんな訳がないと思っていた

まて、その前に編入ってなんだ!?
俺は確認のために慌てて担任にメッセージ、いや、急ぎなので電話をかける。

プルル…プルル… 「…もしもし!松本君、どうしたの?」

女性が電話に出たので、俺は色々と質問をする。

「本当にすみません。実は色々と困惑しておりまして…。」
「どうしたの!?何かあったの!?大丈夫!?」
「怪我とかそう言うのでは無いんですが…僕って学生でしたっけ?」
「…はいぃ!?」

すっとんきょうな声をあげた担任に俺は色々と確認をした。

結果、中学を卒業して三ヶ月ほど通った高校から、別の高校に編入するのが今日のはずだったらしい。

「前の高校でのことは先生、知っているから辛いかも知れないけれど、先生はいつでも貴方の相談に乗るから、明日こそ勇気だして来てね。」などと訳の分からないことを申しており、お手上げ状態になってしまった。

ーー

取り敢えず、担任には学校を休むと伝えてから、少し疲れたのでベッドに横になる。

「やっぱり、昨日流れ星にお願いをしたからだよな、この状況。…確か、モテたい、働きたくない、変わりたいだったよな、願い事は」

働きたくない=高校生に?
モテたい=ルックス?
劇的に変わりたい=色々?

おおむね願い通りになっている…と言って良いのだろうか?
まだ、家から出てないから詳しい変化はよく分からない。
それでも多分願いが通じたのであろう。

「よくは分からないが、まさか、本当に願い事が叶うとはな。…正直、嬉しいな」

俺よりも救われたほうがいい人は多くいると思う。
元より俺は、自業自得であのような社会的ポジションになってしまった訳だし。
…でも、それでも、心の底から嬉しかった。

「…神様?かなぁ。分からないけど新しい人生ありがとう。俺、頑張るよ!そして彼女を作ったり青春を謳歌して、この人生を全力で楽しんでやる!」

俺はそう意気込んだ。
せっかくのチャンスを生かして、飛びっきりいい人生にしてやろうと。
人生のやり直しだ!!


ー その日の夜 ー

編入の荷物の確認や頭の整理などが一段落して、少し暇になった。

「ふう、一段落したしテレビでも見るか」

テレビ番組が気になったので、お風呂や夕食を適当に済ませた後、テレビをつけてベッドに横になる。
すると、たまたま見たニュース番組の内容に俺は目を丸くした。

「次のニュースです。男性と女性とのバランスについて様々な議論を続けているなか、遂に我が国の男女比率が男性1に対し女性10になりました。更に政府の調べで男性の同性愛者率が50%越えました。これに対し政府は更なる男性の出生率低下を危惧し、早急に対策を述べるとの見解を示しました」

…ん!?えっ!?

まって、それはしらない。
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