貴重な男の中で一番優しいのは俺らしい

クローバー

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無垢な女の子と友達になったらしい

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トラウマを克服した俺は、余裕が出てきたので、授業に参加して泳ぐことにした。



「よし、みんなー、残りは自由時間ねー!怪我の無いように!」



先生はそう言うと日陰に置いてある椅子に座った。

残りの時間は自由時間なので、天音さんと早香さんに泳ぎを教えて貰うことにした。

泳ぎ方、忘れちゃった。てへっ!



「松本くん大丈夫?」

「松本くん、寒くない?」

「修史くん、無理しないでね!」



まあ、練習しようと思っても、自由時間になった瞬間、女の子達に囲まれてるから出来ないんだけどね。

さっきの俺の様子を心配してくれてたみたいだ。

本当に、よく見てると思うよ。



「実は新しい環境に慣れないせいか、疲れが溜まってたみたいで……」



適当に理由を作り、大丈夫と皆に伝えておく。



「「心配だよ~!無理しないでね!」」



中には手を握って、胸元に引き寄せて心配(誘惑?)してくれる女の子もいたので嬉しかった。

このクラスの皆、優しくて最高だよ。

まあ、今はロリペド野郎モードになってるから、ナイスおっぱいとしか思わないんだけどね。



皆の相手を丁寧に終わらせて、早香さんと天音さんの元に近付く。



「二人ともー、俺に泳ぎを教えてくれないかな!」

「うん!任せて!運動は得意だから!」



そう言って張り切る早香さん。

改めてスク水から見える引き締まった太ももが美しい。

…いつかさわってみたい(切実)



「私も水泳得意だから、力になるよ!」



そう言って腕を後ろに組む天音さん。

スレンダーな体型でスラッとしている。

早香さんと並ぶと色々と差が分かる。

…なるほど、胸が無いから水圧受けないんだ!



「…何か、すごく失礼なこと考えてない」



ジト目で見られてしまった。

天音さんはかなり感が鋭いから、隠し事とかした時にすぐにばれそうだ。

ポーカーフェイスを貫こう。



「考えてないよ!」



にっこりと笑顔で淡々と嘘をつく。

大丈夫だよ天音さん、とても魅力的だよ!

ナイス!つるぺたボディ!



「ごほん。ま、まあ、取り敢えず教えて!」



泳ぎが二人とも得意というのは好都合なので、早速教えて貰う。



「うん、わかった!えっとね、まずね…」

「…誤魔化された気が。まあいいや、取り敢えずね…」



二人の教え方は丁寧でとても良かった。

おかげで50メートルも泳げるようになった。

水への恐怖心を減らしてくれたお陰で楽しく水泳をすることが出来た。



((松本くんの泳ぐ姿も超かっこいい!…はっ!水中からならもっと良く見えるかも!))



息継ぎの時に、水中で大勢が俺を見ていると気付いたときは、少し怖かったけどね。

ゴフォってなって、思わず水を飲んでしまったよ…。



「二人とも、ありがと!お礼は必ずするからね!何かあったら気軽に言ってね!」



上手く泳げた俺は、そう二人に言っておく。

してもらった事は忘れずに、きちんと恩を返すのが俺のポリシーだ。



(ど、どうしよう、松本くんにして欲しいことか…。お、お姫様抱っことかかなっ!あっ、でも重いって思われたくないし。じゃあ、デート…とか?も、もしそうなったら、な、何すればいいか分からないから無理だよ~!ううっ~。)



早香さんは水に沈んでいった。



(して欲しいことか。妹達のために何かしてもらおうかな。そうすれば、妹達も喜ぶかもしれないし。)



天音さんは沈んでいく早香さんを支えつつ、何やら考えていた。



「む、難しく考え過ぎないでねっ!」

「んっ!分かった」

「ううっ~。分かってるけど~」



早香さんは大丈夫だろうか?

悩み過ぎな気が…。



少し様子を見ていたが、結局、今は何もお願いをされなかった。







授業も残り少しとなり、俺は暇をしていた。

二人から離れ、残り時間は隅っこにプカプカと仰向けに浮いて、授業が終わるのを待つことにした。

体の力を抜き、目を閉じていると、誰かに話しかけられた。



「お、おい。修史…だったか?け、今朝電車にいたのってお前か?」

(うん?何処かで聞いた声だな?…ぐはっ!?よ、幼女だとっ!?)



聞き覚えのある声に話しかけられたので目を開けると、そこには一人の幼女がいた。

プールサイドで膝を抱えてしゃがみ、少し上から俺を見ているその幼女は、今朝電車で俺の息子にクリティカルヒットを食らわせた女の子だった。



しゃがんでいる水着の幼女を下から見ている状況であると、脳が気付いた瞬間、モード変更していた俺の息子が急激に成長してしまった。

一本の線がくっきりと見えて興奮してしまった。



(ま、まずい、反応しちまった!)



俺は急いでくるっと周りうつ伏せになり、立ち上がる。

極力、急所が見えない角度を考えて冷静を装い返事をする。



「き、君は朝の電車の子だね。隣のクラスだったんだね、知らなかったよ」



俺がそう返事をしたが、その女の子の表情は浮かばれないものだった。

女の子は水しぶきをあげないように、ゆっくりとプールに飛び込み、申し訳なさそうに話し出した。



「…今朝はごめんなさい。ほ、本当にわざとじゃないんだ!で、でも怪我を追わせちゃったみたいだな。ち、治療費はちゃんと払うし、治るまで手伝えることがあったらするから。だからっ!…本当にごめんなさい」



ふむ、どういうことだろう?

怪我など一切していないのだが、何をいっているのだろう?



「…怪我なんてしてないよ!全然何ともなってないから!気にしないでいいし、謝る必要なんてないよ!」

「う、嘘をいうな!見たんだ、その…、け、今朝、あたいの手が当たったところが、す、すごく腫れてたじゃねえか!」



………!!?

この状況はかなり気まずいのでは無いだろうか。



今朝、女の子の手の攻撃を食らったのは俺の急所。

女の子を見て、完全体になっていたのも俺の急所。

完全体を作り出したのは、女の子のせいと言えばそうになる。

しかし、怪我で腫れた訳ではなく、単なる生理現象である。



(…この勘違いは色々と不味いな。「大丈夫」って言っても納得しなさそうな子だし。何か上手く丸め込める方法はないかな?しかし、高校生で男の生理現象を知らない、無垢な子がいるなんて…最高に素晴らしい!)



この困った状況を打破すべく、俺はいくつかの選択肢を考えた。



選択肢1

「これは怪我じゃなくて、勃○ていう生理現象なんだよ!今朝のことは一切関係ないから大丈夫だよ!知らないなら、家に帰ってパソコンで動画を調べて見てごらん?…よく分かるから…ね。」



選択肢2

「じゃあ、お言葉に甘えて腫れを治して貰おうかな。え?どうやって治すかだって?…安心して、優しく教えてあげるから!」



選択肢3

「確かに、君のせいで腫れちゃったから、小さくなるまで相手して貰おうかな!じゃあ、早速トイレいこうか!」



選択肢4

「ぐへへ、そうだ、君のせいだ。腫れが引くまでずうーっと相手して貰おうじゃねぇか。さっさと×××するなり×××させるなりしろや!」



よし、選択肢がでたぞ。

どうしよっかなー、何番にしようかなー。

…じゃねえよ!



俺は変態か!?それとも変態なのか!?

一番もまともじゃないが、その他の選択肢は何させる気だよ。

ナニを何させる気だよ。

ハァハァ。



自分へのツッコミに疲れたので、ちゃんと考える。

少しあれだが仕方ない、これしか思い付かなかった。



「嘘なんてついてないよ。ほら!」



俺は女の子にどこも腫れていないことをアピールする。

今は頭の中をシスコンモードに切り替えたので、邪な感情は抱いていない。

今は妹の芽亜に対してしか欲情はしない。



「ほ、本当だ!で、でもあたいは確かに…」

「水の反射がなんかこう、上手く関係して腫れてるように見えただけだよ。それか見間違いだって!」

「そ、そうなのか!…なら良かった。安心したぜ。電車の中で謝れなかったから気にしてたんだ」



少し偉そうな子だけど、根はとっても良い子みたいだ。

わざわざ気にして謝ってくれるくらいだしね。

その完全な幼児体型が眩しく見えた。



「わざわざありがとね、えっと、名前なんだっけ?」

「んっ、あたいは愛奈。真壁まかべ愛奈あいなだよ。あんたは修史で合ってるよな?」

「うん、松本修史だよ。これも何かの縁だし、これからよろしくね!」

「お、おう!よろしくな!」



やり取りときっかけは最低だったが、また一人友達が出来た。
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