スライムなのに悪役令嬢になっちゃった!?・・・荷が重い!!

みやさん

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美少女との出会い編

逃げられない

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「サンダーーアローーーーッ!!」


もうダメだと思った時、少女の声が辺りに響いた。
それと同時に自分の横を

バリバリバリバリィィ!!

と、凄まじい光と音が通り過ぎ、真後ろで激しい衝撃音が響いた。


「プギャャャアアアアアアアッッ!」


獣の断末魔が耳を刺した。


(・・・・・・・・・・・・・・・えっ!?なにごと???)


突然の出来事に呆然となる自分。頭が真っ白になり、体が固まっていた。
そこへ、頭上に先程と同じ少女であろう声が聞こえてきた。


「見て見て!リタ!この子、可愛くない?白い色なんて初めて見たわ!」

「お嬢様ぁ!!どうしてそんな危険な事をされるのですかっ!!もうリタは・・・リタは・・・生きた心地がしません・・・!」

「あら?これくらい大丈夫よ?だって、私には魔法の才能があるんですもの!前も倒した事があるし、問題ないわ。」

「それでも、このような危険な森に入られるのは、もうおやめくださいませ!」

「だめよ!だって、このルルリの森には他には無い貴重な薬草がたくさん自生しているんですもの。」

「・・・お屋敷で育てることは出来ないのでしょうか?」

「そうねぇ・・・試してはいるのだけど、なかなか成功しないのよねぇ。屋敷の庭で繁殖できれば、それが1番いいんだけど・・・まだ道のりは長いわね。」

「はぁ、そうなのですね・・・。では!冒険者に採取を頼むのはいかがですか!?」


リタと呼ばれた女性は俯いていた顔を上げ、良いことを思いついたというように瞳を輝かせ、手を祈るように胸元で組み提案をした。

しかし、お嬢様と呼ばれた少女は断固反対と意思表示をするように首を左右に振る。


「・・・何故ですか、お嬢様。」

「実は以前、頼んだ事があるのよ。・・・もうそれは酷い対応だったわ・・・。依頼が私のような子どもだからか、足元を見られたし、そもそも採取する薬草の判別ができない。それでもなんとか採取したけど、採取のやり方が悪く使えない状態で届いたのよ。」

「うわぁ・・・そうだったんですね。でしたら、次は私めが依頼に参るのはどうでしょう?」

「リタは薬草に詳しいの?」


リタはぎくっと肩を飛び上がらせた。


「えっ~・・・と、これから勉強します!!」

「・・・・・・はぁ。いいのよ、そんな勉強しなくて。貴方の仕事じゃないでしょ?まぁ、という訳だから!これからもルルリの森へ来るわよ!あ、私は1人で大丈夫だから、次からリタはお留守番ね!」

「そんなぁ!!お嬢様と一緒に行けなかったら心配で心配で・・・胸が弾け飛びそうですっ!!」


そう言って、リタはさめざめと泣き始めた。・・・爆乳を揺らしながら。


「くっ・・・・・羨ましけしからんっ!私もあと数年すれば、必ずや・・・。」


この間、自分は地味に木の影へと身を隠す為に地味~に移動していた。が、いきなり、見えない壁にぶち当たった。

先の景色は見えるのに体が何かにぶつかり、これ以上進めないのだ。


(なにこれっ!?なにこれっ!?)


慌てて別の方向へ移動しよとするが、そちらにも見えない壁が出来ていて進めなくなっていた。

見えない壁にぶつかっては別の方向へ移動を繰り返していると、とうとう身動きが取れなくてなっていた。


(どうしようっ!!??逃げられないっ!!このまま捕まったらどうなるの~??)


ウゴウゴと体を動かして必死に逃げ道を探る。だが、逃げられない。

そんな事を繰り返していると、フッと黒い影が自分にかかるのが分かった。

ちらっとそちらを見ると・・・、


漆黒の艶々した長い髪をポニーテールにし、ファイヤーオパールのように煌めく紅の瞳にうっすらピンクに染まった頬、そしてぷっくりとした唇がなんとも可愛らしい美少女だった。

その背後には、茶色い髪を少し乱れたお団子でまとめており、エメラルドのような緑の瞳にそばかすが鼻の上に少し散っている愛嬌のある女性の姿が見えた。


「つーーかまえたっっ!!もう逃げられないわよ?」


(ひいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!)


にーーーこりっと、無邪気に笑う美少女の姿に体を震わせるのだった。
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