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ノースポール公爵家の事情編
ノースポール公爵家では。エライザside
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「なんで、あの女は死なないの・・・?!」
夜の闇が部屋を覆う時間。
ほんのりと明るいランプの光が照らした1人の女性。
ゆらゆら揺れる光に映し出されるのは、腰まで伸びた艶やかな黒髪。
そして眉根に皺を寄せ、血走った眼光。
ギリギリと歯軋りが聞こえてきそうな程、歯を噛み締め悔しそうな表情を露わにしているエライザその人であった。
「シュルグ毒は確実に飲ませているハズなのに・・・!!急に死んでは怪しまれるからと少量過ぎたかしら・・・。もう死んでもいいハズなのに・・・なんで!?」
バシッと座っていたソファのクッションを壁に投げつける。
怒りが収まらない様子だ。
「あの女が早く死なないと・・・この家を手に入れられないじゃない!!」
そうでなくても実権は握っているようなものだが、やはり正式な妻の座というものが欲しい。
ぐいっとテーブルに用意されている冷えた赤ワインを飲み干す。
「・・・ふぅ。そういえば最近、フローレンスが大人しくなってきたわね。やっと自分の立場を理解したのかしら。」
収まらない苛立ちを別の事で誤魔化そうとフローレンスの事を思い出す。
自分に鞭で打たれて、痛みを堪える表情を思い出し少し溜飲を下げる。
前までであれば、鞭で打ってもフローレンスの瞳は絶望の色には染まらず、それどころか自分に対して眼光鋭く睨み返す度胸があった。
10歳の子どものくせに。
どうしてもあの瞳が気に入らなかった。
絶望感を味合わせてやりたかった。
その為にも、この家を乗っ取る為にも、グレースの死は必要だった。
それも自然な死が。
「早くこの家の実権を手に入れて、そして!エスメを王宮に送り込み、誰にも逆らえない権力を・・・ふふっ。早くあいつを殺してやりたい!」
エライザの瞳には激しい憎悪の炎が灯っていた。
「あいつが!こんな物をわたくしに着けるから!本来のわたくしであれば、こんな毒など使わずともよかったのにっ!!あいつめ・・・!!」
エライザの右手首に赤い宝石がついたブレスレットが光る。その手をテーブルへと打ち付ける。
そして、しばらくぶつぶつとしていたかと思うと落ち着いたのか顔もあげ、ソファへ背中を預けた。
ふぅーと長い息を吐き、落ち着くように深呼吸をする。
「・・・エスメは面白い子に育ったわね。最初に拾った時は公爵の目に止まればと思っただけだったのに。早く王子を射止めてくれないかしらね。ふふっ、ふふ・・・あはははははは!」
部屋にエライザの笑い声が響く。
それは、狂気を含んでいた。
その様子をじっと見つめる影がある事にエライザは気づいていなかった。
夜の闇が部屋を覆う時間。
ほんのりと明るいランプの光が照らした1人の女性。
ゆらゆら揺れる光に映し出されるのは、腰まで伸びた艶やかな黒髪。
そして眉根に皺を寄せ、血走った眼光。
ギリギリと歯軋りが聞こえてきそうな程、歯を噛み締め悔しそうな表情を露わにしているエライザその人であった。
「シュルグ毒は確実に飲ませているハズなのに・・・!!急に死んでは怪しまれるからと少量過ぎたかしら・・・。もう死んでもいいハズなのに・・・なんで!?」
バシッと座っていたソファのクッションを壁に投げつける。
怒りが収まらない様子だ。
「あの女が早く死なないと・・・この家を手に入れられないじゃない!!」
そうでなくても実権は握っているようなものだが、やはり正式な妻の座というものが欲しい。
ぐいっとテーブルに用意されている冷えた赤ワインを飲み干す。
「・・・ふぅ。そういえば最近、フローレンスが大人しくなってきたわね。やっと自分の立場を理解したのかしら。」
収まらない苛立ちを別の事で誤魔化そうとフローレンスの事を思い出す。
自分に鞭で打たれて、痛みを堪える表情を思い出し少し溜飲を下げる。
前までであれば、鞭で打ってもフローレンスの瞳は絶望の色には染まらず、それどころか自分に対して眼光鋭く睨み返す度胸があった。
10歳の子どものくせに。
どうしてもあの瞳が気に入らなかった。
絶望感を味合わせてやりたかった。
その為にも、この家を乗っ取る為にも、グレースの死は必要だった。
それも自然な死が。
「早くこの家の実権を手に入れて、そして!エスメを王宮に送り込み、誰にも逆らえない権力を・・・ふふっ。早くあいつを殺してやりたい!」
エライザの瞳には激しい憎悪の炎が灯っていた。
「あいつが!こんな物をわたくしに着けるから!本来のわたくしであれば、こんな毒など使わずともよかったのにっ!!あいつめ・・・!!」
エライザの右手首に赤い宝石がついたブレスレットが光る。その手をテーブルへと打ち付ける。
そして、しばらくぶつぶつとしていたかと思うと落ち着いたのか顔もあげ、ソファへ背中を預けた。
ふぅーと長い息を吐き、落ち着くように深呼吸をする。
「・・・エスメは面白い子に育ったわね。最初に拾った時は公爵の目に止まればと思っただけだったのに。早く王子を射止めてくれないかしらね。ふふっ、ふふ・・・あはははははは!」
部屋にエライザの笑い声が響く。
それは、狂気を含んでいた。
その様子をじっと見つめる影がある事にエライザは気づいていなかった。
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