スライムなのに悪役令嬢になっちゃった!?・・・荷が重い!!

みやさん

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王都での出会い

お葬式

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ゴオーン……ゴオーン……

教会の鐘がなる。辺りはすすり泣く声があちこちから聴こえてくる。

教会の中に安置されている白い棺の周りには、黒い服の紳士淑女が集まっている。

その棺の中に白い花が敷き詰められている。その中心には1人の女性が横たえられている。

その女性の顔色はお化粧により、今にも起き上がりそうな表情で硬く瞳を閉じていた。

棺の横には、黒いワンピースを身に纏った少女の姿があった。目をハンカチで覆い、涙を拭っているような仕草をしている。

その少女の隣には、長身で短い茶髪に翠色の切長な瞳の男性が、こちらも黒い服に身を纏い毅然とした態度で棺を見つめていた。その表情はとても複雑なものだった。

最期のお別れが終わると、棺の蓋が閉じられる。そして神父が祈りの言葉を厳かに捧げる。祈りの言葉が終わると集った全員で黙祷を捧げられた。

粛々と棺を数人で抱え、教会から運び出されて行く。このまま墓地へと向かうのだ。

棺は黒く豪奢な馬車へと載せられ、続いて棺の横にいた男性と少女も付き添うように乗り込んだ。

馬車の扉が閉められると…


馬車の中にいた少女は、ぷはぁーと息を吐いた。


「あー、疲れたわ・・・。」

「こら、フローレンス!まだ誰が聞いているか分からないのだから、もう少し頑張りなさい!」

「あら!もう大丈夫でしてよ。この馬車の行者側には声が聞こえない作りですし、ここにはわたくし達しかおりませんもの。」

「それは・・・そうだが・・・」

「それよりも?もうそろそろ頭の整理はつかれましたか?」


お父様と呼ばれた男性は、バツが悪い表情を浮かべ、ふぅーーと、ため息を零した。


「そう・・・だね。正直、まだ実感が湧かない心境だね。でも目の前のグレースのこの姿を見せつけられて・・・くっ!」


棺を愛おしそうに壊さないように、手のひらで撫でる。


「急にモヤが晴れたと思ったら・・・まさか、・・・最初に認識できたのがグレースが死んだ事だったなんて・・・。」


先程までは複雑な表情を浮かべてはいたが、毅然とした態度で手続きやお葬式の采配などを手配していた公爵は、自分の言葉に絶望したようにポロポロと涙を零し始めた。


「・・・グレース。・・・グレース、わたしは・・・お前になんて事を・・・こんなに・・・こんなに、お前を愛しているのに・・・もう、いないなんて・・・う、うぅ・・・。」


涙は次から次へと溢れ、止めどなく流れていく。その様子をじっとフローレンスは眺めていた。


「・・・フローレンス・・・。わたしは、お前の事も愛していたよ。」


その言葉にフローレンスは、カッと沸騰するような気持ちが湧き上がった。


「うそよ!お父様は、わたくしの事なんてどうでもよかったのよ!」

「違う!!そんな事は思っていない!」


フローレンスの言葉に被せるように公爵の悲痛な叫びが飛んでくる。


「違うんだ!わたしは、フローレンスが産まれて本当に嬉しかったんだ!」

「でも!お父様はわたくしの髪色を見て、忌み嫌ったのだと乳母が言っていたわ!だから、わたくしと話すのも嫌だったのでしょう?視界に入れるのも・・・嫌だったのでしょう!!!今更、そんな風にわたくしの事を言わなくても結構ですわ!わたくしはっ、お父様なんて・・・!」

「そんな事はない!それは、誤解なんだ!」

「何が誤解だというの!これまでのお父様の態度が!それが真実だと物語っているわ!」

「頼む・・・話を聞いてくれ!フローレンス!お願いだから・・・。」


フローレンスは怒りに身を任せ、父に今まで言えなかった思いをぶつけてしまう。それを遮る事なく悲痛な眼差しを浮かべ受け止める。

「わたくしがいくら呼びかけても、お父様はわたくしを睨むだけ!食事も一緒にした事は無かったわ!お父様から話しかけられるのは事務的な事だけ、それも決定事項をただ一方的に話すのよ。そんなのは会話とは言わないのよ!わたくしがエライザ様にどのような目に合わされていたか・・・お父様も認識されておりましたわよね?なのに!それさえも目を瞑った!そんなお父様の言葉など信じられるわけがないじゃありませんか!」


その後も父に対する思いを吐き出すだけ吐き出すと、フローレンスは涙が溢れ、声も出ないほどしゃくり上げてしまう。

そんなフローレンスの背中を恐る恐る触れ、ぎこちなく、それでいて優しくさする。


「長い間、辛い思いをさせて・・・申し訳ない。わたしは自分で自分が許せないよ・・・。不甲斐ないな・・・。」


しばらく馬車の中は、沈黙としゃくり上げる声だけが支配した。



「・・・わたしは、このモヤが晴れるまで、なぜかお前の事を憎んでいた・・・と、思う。なんだかその辺りはもう曖昧なのだが、だが!フローレンスが産まれた時にとても嬉しかったのは覚えている!これは、本当なんだ!信じて欲しい!」


必死に公爵は、フローレンスへ懇願する。


「・・・お前が産まれて1ヶ月ほどか、フローレンスの服やオモチャを買おうと商人を家に招いた辺りからおかしくなったのだ。」

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