スライムなのに悪役令嬢になっちゃった!?・・・荷が重い!!

みやさん

文字の大きさ
57 / 67
身代わり生活スタート

説明を求む

しおりを挟む
「わたくしに番・・・ですか?」


ぽかんとするフローレンスにライアンは楽しそうに語ってくれた。


「番が見つかった者は、特別な香りを出している事が多いんだ。その香りが番であるその人にとっていい香りになるんだが、別に違う番を見つけた人の出す香りは当然、自分の番ではないから嫌な香りになると言われている。ここでは、フローレンス嬢にとっての俺かな?俺はヒナという番を見つけているから、その香りが出ているはずだしね。その香りが嫌悪感に繋がっていると思うよ。」


ライアンに説明されても、いまいち納得できない様子のフローレンス。戸惑いが前面に出ていた。


「いえ、でも、わたくしは人です。人にはそのような概念はございません。何かの勘違いではないでしょうか?」

「そうだなぁ。勘違いも考えられるが君は黒髪だろう?黒髪という事は、・・・少なくとも君の祖先に魔族がいたはずだ。先祖返りとも考えられる。まぁ、断定はできないけどね。」

「・・・わたくしは、魔族・・・なのですか?」


今まで黒髪だから、魔族ではないかと疑いをかけられ続けていたフローレンスは体が強ばる。
信じたく無い事実を突きつけられているようで、床に足が縫い付けられたように動けなくなる。自分はずっと人だと、髪色が違うだけの人なのだと、ずっと言い聞かせて来た事が崩れ落ちるかのような気持ちだった。


「そもそも人と魔族の違いなんて、そう無いのは知ってるか?」

「・・・・・。」


話す気力も出ないのか、フローレンスはただ首を横に振る。


「人と魔族の違いとは、そう・・・魔力量の違いだけだ。その昔、人の中から魔力量の多い者が誕生した。その者が自分達とは違うと迫害されたことが魔族の始まりだ。魔力が多いと髪色が濃ゆくなるんだ。そして、あまりに魔力が多く濃ゆくなると最終的に黒になる。だから、黒髪は魔力が多い証みたいなものだ。俺たちにとっては、それだけのことだ。むしろ誇らしい事だな。」

「そう・・・なんですね。・・・親と、その、髪色が違っても、おかしな事ではないのですか?」


フローレンスは気になっていたであろうことを、おずおずと聞いてみた。


「もちろんだ。」


力強く頷くライアンを見て、フローレンスは強張っていた体から力が抜けるのを感じた。そんなフローレンスを見ていたヒナタはにっこりと笑いかけた。本当は抱きつきたい衝動に駆られていたが、手をワキワキさせる事で我慢した。


「それでは、もし、わたくしの番が見つかっていると仮定して、すぐに分かるものでしょうか?」

「普通は見た瞬間、お互いすぐに分かる。だが、相手が魔力量が少ない人であるなら相手は気づいていないという事はある。しかし、少なくとも相手に好意は抱いているから、自分は分かるはずだ。思い当たる人はいないか?フローレンス嬢?」


ライアンのその言葉に少し思案したフローレンスだったが、突然顔がぼっと赤くなった。どうやら思い当たる人がいるらしい。


「稀に多くても分からない鈍感な者もいるようだから、そこはなんとも言えないが。・・・ヒナのように。」

「え!?わたしですか??」


フローレンスを見てにやにやしていたヒナタは、突然話の矛先が自分のところにきて慌ててしまう。


「お前は俺が番だと分からなかっただろう?フローレンス嬢の姿を消すような高度な魔法が使えていて、魔力量が少ないとは言わせないぞ。・・・それで、そろそろヒナについて教えてもらえないだろうか、フローレンス嬢?俺は、番についての情報や疑問にちゃんと答えただろう?あぁ、見返りはヒナでいいぞ。」

「なんでわたしなんですか!?」


驚くヒナタにライアンは近づき、髪を一房手に取ると軽くキスを落とす。その際、挑戦的な視線をヒナタに送る事も忘れない。


「それは、お前の事が欲しいからに決まっている。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

処理中です...