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身代わり生活スタート
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「「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
部屋に2人の悲鳴が響きわたる。それは、同じ種類の悲鳴ではなかった。
1人は恥ずかしさの余りに出たもの。もう1人は・・・嫌悪感の余りに出たものだった。
「ちょ、ちょっと、ライアン殿下?わたくしの姿をしているヒナにそのような事をするのはやめていただけないかしら?見ていてちょっと受け入れられないのですわ。」
「だが、俺はヒナはこの姿しか知らないのだぞ?初めて会った時も髪色が違うだけで、フローレンス嬢の姿だったしな。本当の姿を見せてもらえるのかな?」
最後のセリフは、ヒナタに向けて言われたが、ヒナタにはどうしたらいいのか判断ができなかった。視線でフローレンスに助けを求める。
すすすっとフローレンスへ近づき、小声で話す。
「あの・・・お嬢様、どうしたら?」
「そうねぇ、もうここまでバレてるんだから見せてもいいというか・・・見せるしかないんじゃないかしら?」
「でも、わたし・・・人でも、魔族でもないですよ?本当に番なんですかね?ショックを受けたりしませんか?」
「そればっかりは、なんとも言えないわね・・・。ライアン殿下本人がどのように受け止めるか不明だもの。そもそも、ヒナには番とか分からないわけ?」
「はぁ、それなんですよねぇ・・・全く分からないです。」
「でも、さっきイケメン?とかって言ってたじゃない?嫌いではないのでしょう?」
「まあ、そうなんですが・・・。」
「もう仕方ないし、言うしかないんじゃないかしら?もちろん、秘密を厳守してもらう事が前提条件よ?」
「・・・分かりました。」
こそこそと会議を終わらせて、ヒナタは深呼吸をして覚悟を決める。ライアンの方を向き視線を合わせる。
その様子を見てライアンは、片眉を上げにこっと笑った。
「会議は終わった?その様子だと教えてもらえるのかな?」
「今から話す事は絶対に秘密です。」
「へぇ?ヒナの秘密なんだね?分かった、約束しよう。」
「その言葉信じてますからね・・・えいっ!」
ライアンと約束を交わすと意を決してヒナタは変化をといたのだった。
フローレンスの姿がドロリと溶けるように崩れたかと思うと、床に落ち一塊になる。そしてそれは丸い形へとなる。
姿が崩れた瞬間のライアンは、驚き目を見開いて成り行きを見守っていた。見守るというよりは、固まったというのが正しいかもしれない。それは従者も同じ反応だった。
「・・・え・・・どういうこと・・・?」
思わず漏れた疑問の声。それはライアンだった。
少し呆れたようにフローレンスが応える。
「貴方様が知りたいと言ったのですわよ?・・・これがヒナの正体ですわ。」
ドヤァァァァと胸を張ってフローレンスはヒナタ手のひらに乗せ、ライアンに見せた。
「わたくしの従魔であるスライムのヒナですわ!さあ、ご挨拶なさい。」
ご挨拶と言われても喋れないので手を挙げて挨拶をした。ヨッ!と声が聞こえてきそうな軽い感じだった。
「な・・・なぁぁぁにぃぃぃぃぃぃ!!!???」
部屋に2人の悲鳴が響きわたる。それは、同じ種類の悲鳴ではなかった。
1人は恥ずかしさの余りに出たもの。もう1人は・・・嫌悪感の余りに出たものだった。
「ちょ、ちょっと、ライアン殿下?わたくしの姿をしているヒナにそのような事をするのはやめていただけないかしら?見ていてちょっと受け入れられないのですわ。」
「だが、俺はヒナはこの姿しか知らないのだぞ?初めて会った時も髪色が違うだけで、フローレンス嬢の姿だったしな。本当の姿を見せてもらえるのかな?」
最後のセリフは、ヒナタに向けて言われたが、ヒナタにはどうしたらいいのか判断ができなかった。視線でフローレンスに助けを求める。
すすすっとフローレンスへ近づき、小声で話す。
「あの・・・お嬢様、どうしたら?」
「そうねぇ、もうここまでバレてるんだから見せてもいいというか・・・見せるしかないんじゃないかしら?」
「でも、わたし・・・人でも、魔族でもないですよ?本当に番なんですかね?ショックを受けたりしませんか?」
「そればっかりは、なんとも言えないわね・・・。ライアン殿下本人がどのように受け止めるか不明だもの。そもそも、ヒナには番とか分からないわけ?」
「はぁ、それなんですよねぇ・・・全く分からないです。」
「でも、さっきイケメン?とかって言ってたじゃない?嫌いではないのでしょう?」
「まあ、そうなんですが・・・。」
「もう仕方ないし、言うしかないんじゃないかしら?もちろん、秘密を厳守してもらう事が前提条件よ?」
「・・・分かりました。」
こそこそと会議を終わらせて、ヒナタは深呼吸をして覚悟を決める。ライアンの方を向き視線を合わせる。
その様子を見てライアンは、片眉を上げにこっと笑った。
「会議は終わった?その様子だと教えてもらえるのかな?」
「今から話す事は絶対に秘密です。」
「へぇ?ヒナの秘密なんだね?分かった、約束しよう。」
「その言葉信じてますからね・・・えいっ!」
ライアンと約束を交わすと意を決してヒナタは変化をといたのだった。
フローレンスの姿がドロリと溶けるように崩れたかと思うと、床に落ち一塊になる。そしてそれは丸い形へとなる。
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ドヤァァァァと胸を張ってフローレンスはヒナタ手のひらに乗せ、ライアンに見せた。
「わたくしの従魔であるスライムのヒナですわ!さあ、ご挨拶なさい。」
ご挨拶と言われても喋れないので手を挙げて挨拶をした。ヨッ!と声が聞こえてきそうな軽い感じだった。
「な・・・なぁぁぁにぃぃぃぃぃぃ!!!???」
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